- Amazon.co.jp ・本 (383ページ)
- / ISBN・EAN: 9784903127149
作品紹介・あらすじ
日雇い労働者のまち、
単身者のまち、
高齢化するまち、
福祉のまち、
観光のまち ……
さまざまに変わりつづけ、
いくつもの姿をもつ、このまち。
このまちで起きていること、
起きたことは、あなたの住むまちの
近未来かもしれない。
このまちでは、ひとは、
いかに稼いできたのか?
いかに暮らしてきたのか?
いかに集い、いかに作り、そして、
いかにひとを灯しているのか?
このまちの経験から、いまを
生き抜くための方法を学ぶ。
感想・レビュー・書評
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新今宮駅の一帯のことを釜ヶ崎と行ったり、あいりん地区と言ったり、様々な呼び方があるが、なぜそういうふうに色々な呼び名ができたのかなど、江戸時代頃からの地域の歴史や、釜ヶ崎における日雇い労働者の実態、また、この地域の今後の展望についてわかりやすくまとめられており釜ヶ崎に関する知識が増えた。今度大阪に帰ったら行ってみたい。
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これ、いい本。特に普通にサラリーマンして管理職にある人とかに読んでみてほしい。いかに自分が日本という国と人を知らないかがわかります。むしろ自分が「外部かも?」と疑いたくなる、まで読み込んでほしい。
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◆9/26オンライン企画「まちあるきのすゝめ ―迷える身体に向けて―」で紹介されています。
https://www.youtube.com/watch?v=ighe77gjWX4
本の詳細
http://www.rakuhoku-pub.jp/book/27149.html -
戦後、日雇い労働者は、少なくとも釜ヶ崎(西成・あいりん)に集中していたわけではないらしい。
あるいは日雇い労働者でも家庭を持った人々が一定は居住していたようだ。
本書によればそれが一変したのは1970年に開催された大阪万博が大きな要因らしい。
労働需要を満たすため、家族を持っている人々は別の地域への移住が促進され、代わりに単身男性を大量に受け入れた。
3畳のドヤ(「宿」をひっくり返した簡易宿泊所の通称)は次々と1畳の部屋に改装されていったという。
しかし、大阪万博開催後の日雇い労働者の放置、そしてバブル崩壊を経て労働需要は減り、失業者が大きく増加した。
これに対し、労働組合、キリスト教団体、福祉団体やNPOの活動、外国人旅行者(バックパッカー)の宿泊エリア化、そして行政などの様々な活動を経て現在に至る。
それでも状況は決して良いとは言えず、本書では実際に日雇い労働に参加した大学院生が執筆した項があるが、朝6時には既に求人はなくなっているという。
ホームレスに生活保護受給させる支援をする代わりに、生活保護費からピンハネをする貧困ビジネスにも触れられている。