小野梓と自由民権

著者 :
  • 有志舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784903426341

作品紹介・あらすじ

立憲政治の実現に生涯をかけた男・小野梓。明治初年に米・英に留学した彼は、日本をイギリス流立憲国家にするべく奮闘、共存同衆を組織して啓蒙活動を行い、立憲改進党の創設に加わり、憲法制定・国会開設に全力を傾けた。さらに「立憲国民」の創出をめざして早稲田大学の創設に参加し、青年たちの教育に生涯を捧げる。天皇制のもとで立憲制を根付かせようとした熱き男の姿を通して、日本における民主主義の在り方を考える。

感想・レビュー・書評

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  • 「明治前半期において近代国家の建設に心血を注いだが、満三三歳一〇ヵ月という若さで死去したため、忘れられてしまった稀代の自由民権思想家・運動家で勤王家でもある小野梓の生涯を紹介し、彼が描いた独自の近代日本国家像を明治政府との関連で提示しようとするものである」(p.9)

    執筆の背景には「民権運動研究の低調さ」(p.282)がある…らしい。研究史的には「確かに民衆運動と民権運動を同一視することはできないが、問題とすべきはやはり近代国家の内実であろう。自由民権運動と明治政府は「主導権」のみならず、目標とする近代国家(立憲政体)の内実をめぐって対立し、その対立にこそ自由民権運動の意義があると筆者は考えている」(p.7)

    要は「構想」の違いを問題とすべし、ということなんだろうけど、これはやっぱり「国民国家論」に対する批判としては弱い気がしてならない。「国民国家論」で問題にしたのは「近代国家とは何か」ということであって、「内実」=(近代国家の構想)の違いは問題にしていないのだ。その意味で、批判しきれてないなあ、という印象を持ってしまった。

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著者プロフィール

1952年生まれ、国士舘大学文学部教授

「2010年 『小野梓と自由民権』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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