文学のミニマル・イメージ モーリス・ブランショ論 (流動する人文学)

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  • Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784903500492

作品紹介・あらすじ

フランス文学研究の俊英・郷原佳以による本格的ブランショ論。ブランショが〈文学〉に見出した〈驚異〉とは何だったのか……。最注目の書き手、デビュー。

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  • 【目次】

    序論──文学にイメージは「ある」か
     1. 「語ることは見ることではない」
     2. 見ることではなく、イメージに触れること
     3. 本書の意義
     4. 本書の構成

    第一部 遺骸としてのイメージ
     第一章 イメージとしての不気味さ──「遺骸的類似」と「美術館病」
      0. はじめに
      1. 「遺骸的類似」
        1-1. イメージによる想像と解体
        1-2. 魔術的なもの──夢のなかで
        1-3. 『ロンドンの夜』──群衆、日常的なもの
        1-4. 美術館の病
      2. 〈美術館〉としての芸術作品──ブランショのマルロー論をめぐって
        2-1. ブランショの〈美術館〉論
        2-2. アナクロニスム(1)マルロー──反美術史としての「想像の美術館」
        2-3. 〈美術館〉批判者たち──「美術館病」に罹った人々
        2-4. アナクロニスム(2)ブランショ──〈美術館〉としての芸術作品
        2-5. 結論──「芸術の自律」とアナクロニスム
     第二章 イメージの「イリヤ」
      0. はじめに
      1. 「現実とその影」をどう読むか
      2. 感覚のなかでの踏み逢い
      3. 彼岸への離脱
      4. 根源的な受動性──音楽としてのイメージ
      5. ブランショの「イリヤ」──サルトルとレヴィナスの後に
      6. 根源的ミメーシス──絵画としてのイメージ
      7. 盲目的視覚の魅惑
      8. 偶像の時間──彫像としてのイメージとイメージの禁止
      9. イメージの両義性と離脱という介入
     第三章 イメージの「イリヤ」あるいはカトリーヌ・レスコーの脚
      1. 原光景?
      2. フレンホーフェル=オルフェウス
      3. 作品の運命
      4. 何もないのではなく何ものかがある(イリヤ)
      5. カトリーヌ・レスコーの足

    第二部 言語の不可能な形象(フィギュール)としてのイメージ
     第一章 ボロソボンとしての形象(フィギィール)──物語とイメージ
      0. はじめに──ブロソボン
      1. 『望みのときに』
      2. 「回帰」
      3. 不可解な形象(フィギール)
      4. 「彼女(elle)」たち
       4-1. 具体物
       4-2. 抽象物
      5. 立っていること
      6. 演劇性と貧しさ
      7. 「際立った雲」──撞着誤報としての形象(フィギール)
      8. 疲労の語り/語りの疲労──「終わりなき対話」
      9. なぜ疲れているのか=何があったのか
      10. 間にある会話(entretien)──二つでなく三つあること
      11. 「彼女たち」と奇妙な関係
      12. 友愛──疲労の共有
      13. 疲労/語り
     第二章 彼女の名、この不気味な驚異──命名行為とイメージ
      0. はじめに
      1. 不可能な形象(フィギュール)「ジュディット」
      2. 花から女へ、女から花へ──ヘーゲルからマラルメへ
       2-1. 言葉による殺害──花から女へ
       2-2. 言葉による深淵──猫から「猫」へ
       2-3. 弔いの花
      3. 名前、形象(フィギュール)、「ジュディット」
      4. 文学言語と神の形象──『至高者』
       4-1. 最後の「小説(ロマン)」、『至高者』
       4-2. 名前の不安
       4-3. 神の謙虚さ=神の名前
       4-4. タイトルの不安
       4-5. 引用としての語り
       4-6. 文学言語としての「至高者」アンリ・ソルジュ
      5. 神、あるいは、言語の不治の治癒
      6. 幻の女の回帰(revenante)
     第三章 「詩的イメージ」に抗して──バシュラールとブランショ
      0. はじめに
      1. 「詩的イメージ」?
      2. バシュラールの読者、ブランショ
      3. 「夜のように広々とした」(1)──「単純な読者」とは?
      4. 「夜のように広々とした」(2)──詩の「構成=共置(composition)」
      5. 「夜のように広々とした」(3)「comme」としての詩
      6. 「かのように(comme si)」としての詩
     第四章 「言語のショート・サーキット」としての詩のイメージ──ブランショにおけるマラルメ・ヴァレリー・ポーラン
      0. はじめに
      1. マラルメとポーラン、分割と橋
      2. 言語の「虚構」あるいは「マラルメの神話」──「近道で」垣間見られる潜在的言語
      3. 「滋賀存在するとすれば、それは、言語が理解の道具だからである」──言語二分割の問い直し
      4. 〈紙幣=言語〉の解釈をめぐって
       4-1. 詩的言語と日常言語の対立──ヴァレリー
       4-2. 「詩が存在するとすれば、それは、言語が理解の道具だからである」──ブランショ
      5. マラルメとポーランがである場所──「言語のショート・サーキット」
     第五章 形象化のパッション──ブランショにおけるアブラハム
      0. はじめに
      1. 「雄羊になること」
      2. 「雄羊のイメージ」あるいは「ジュディット」
      3. カフカのアブラハム、あるいは「召されずにやって来るアブラハム!」
      4. 「永遠のアブラハムの問題」
      5. 形象化への焦燥(アンバシアンス)
      6. 結論──形象化のパッション

    結論 文学にイメージが「ある(イリヤ)」というこの「驚異」
      1. アルス・ノヴァ
      2. 驚異的なもの(メルヴェイユー)

    あとがき
    人名索引/註/参考文献

    *****

  • 【目次】

    序論──文学にイメージは「ある」か
     1. 「語ることは見ることではない」
     2. 見ることではなく、イメージに触れること
     3. 本書の意義
     4. 本書の構成

    第一部 遺骸としてのイメージ
     第一章 イメージとしての不気味さ──「遺骸的類似」と「美術館病」
      0. はじめに
      1. 「遺骸的類似」
        1-1. イメージによる想像と解体
        1-2. 魔術的なもの──夢のなかで
        1-3. 『ロンドンの夜』──群衆、日常的なもの
        1-4. 美術館の病
      2. 〈美術館〉としての芸術作品──ブランショのマルロー論をめぐって
        2-1. ブランショの〈美術館〉論
        2-2. アナクロニスム(1)マルロー──反美術史としての「想像の美術館」
        2-3. 〈美術館〉批判者たち──「美術館病」に罹った人々
        2-4. アナクロニスム(2)ブランショ──〈美術館〉としての芸術作品
        2-5. 結論──「芸術の自律」とアナクロニスム
     第二章 イメージの「イリヤ」
      0. はじめに
      1. 「現実とその影」をどう読むか
      2. 感覚のなかでの踏み逢い
      3. 彼岸への離脱
      4. 根源的な受動性──音楽としてのイメージ
      5. ブランショの「イリヤ」──サルトルとレヴィナスの後に
      6. 根源的ミメーシス──絵画としてのイメージ
      7. 盲目的視覚の魅惑
      8. 偶像の時間──彫像としてのイメージとイメージの禁止
      9. イメージの両義性と離脱という介入
     第三章 イメージの「イリヤ」あるいはカトリーヌ・レスコーの脚
      1. 原光景?
      2. フレンホーフェル=オルフェウス
      3. 作品の運命
      4. 何もないのではなく何ものかがある(イリヤ)
      5. カトリーヌ・レスコーの足

    第二部 言語の不可能な形象(フィギュール)としてのイメージ
     第一章 ボロソボンとしての形象(フィギィール)──物語とイメージ
      0. はじめに──ブロソボン
      1. 『望みのときに』
      2. 「回帰」
      3. 不可解な形象(フィギール)
      4. 「彼女(elle)」たち
       4-1. 具体物
       4-2. 抽象物
      5. 立っていること
      6. 演劇性と貧しさ
      7. 「際立った雲」──撞着誤報としての形象(フィギール)
      8. 疲労の語り/語りの疲労──「終わりなき対話」
      9. なぜ疲れているのか=何があったのか
      10. 間にある会話(entretien)──二つでなく三つあること
      11. 「彼女たち」と奇妙な関係
      12. 友愛──疲労の共有
      13. 疲労/語り
     第二章 彼女の名、この不気味な驚異──命名行為とイメージ
      0. はじめに
      1. 不可能な形象(フィギュール)「ジュディット」
      2. 花から女へ、女から花へ──ヘーゲルからマラルメへ
       2-1. 言葉による殺害──花から女へ
       2-2. 言葉による深淵──猫から「猫」へ
       2-3. 弔いの花
      3. 名前、形象(フィギュール)、「ジュディット」
      4. 文学言語と神の形象──『至高者』
       4-1. 最後の「小説(ロマン)」、『至高者』
       4-2. 名前の不安
       4-3. 神の謙虚さ=神の名前
       4-4. タイトルの不安
       4-5. 引用としての語り
       4-6. 文学言語としての「至高者」アンリ・ソルジュ
      5. 神、あるいは、言語の不治の治癒
      6. 幻の女の回帰(revenante)
     第三章 「詩的イメージ」に抗して──バシュラールとブランショ
      0. はじめに
      1. 「詩的イメージ」?
      2. バシュラールの読者、ブランショ
      3. 「夜のように広々とした」(1)──「単純な読者」とは?
      4. 「夜のように広々とした」(2)──詩の「構成=共置(composition)」
      5. 「夜のように広々とした」(3)「comme」としての詩
      6. 「かのように(comme si)」としての詩
     第四章 「言語のショート・サーキット」としての詩のイメージ──ブランショにおけるマラルメ・ヴァレリー・ポーラン
      0. はじめに
      1. マラルメとポーラン、分割と橋
      2. 言語の「虚構」あるいは「マラルメの神話」──「近道で」垣間見られる潜在的言語
      3. 「滋賀存在するとすれば、それは、言語が理解の道具だからである」──言語二分割の問い直し
      4. 〈紙幣=言語〉の解釈をめぐって
       4-1. 詩的言語と日常言語の対立──ヴァレリー
       4-2. 「詩が存在するとすれば、それは、言語が理解の道具だからである」──ブランショ
      5. マラルメとポーランがである場所──「言語のショート・サーキット」
     第五章 形象化のパッション──ブランショにおけるアブラハム
      0. はじめに
      1. 「雄羊になること」
      2. 「雄羊のイメージ」あるいは「ジュディット」
      3. カフカのアブラハム、あるいは「召されずにやって来るアブラハム!」
      4. 「永遠のアブラハムの問題」
      5. 形象化への焦燥(アンバシアンス)
      6. 結論──形象化のパッション

    結論 文学にイメージが「ある(イリヤ)」というこの「驚異」
      1. アルス・ノヴァ
      2. 驚異的なもの(メルヴェイユー)

    あとがき
    人名索引/註/参考文献

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著者プロフィール

郷原佳以(ごうはら・かい)1975年生。東京大学教養学科フランス科卒業。同大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程単位取得満期退学。パリ第7大学大学院博士課程修了。博士(文学)。現在、東京大学大学院総合文化研究科准教授。専門はフランス文学。論文に「ヴェロニカ、あるいはファリック・シスターの増殖 ブランショとセクシュアリティ」(『別冊水声通信セクシュアリティ』水声社、2012年)、「物語」と第三の空席──村上春樹とモーリス・ブランショ」(『早稲田文学』第6号、2013年)、「セイレーンたちの歌と「語りの声」――ブランショ、カフカ、三人称」(塚本昌則・鈴木雅雄編『声と文学』平凡社、2017年)など、訳書にクリストフ・ビダン『モーリス・ブランショ不可視のパートナー』(共訳、水声社、2014年)、モーリス・ブランショ『終わりなき対話III』(共訳、筑摩書房、2017年)など。

「2020年 『文学のミニマル・イメージ【オンデマンド版】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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