マンガ 誰でもわかる医療政策のしくみ vol.1

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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784903835723

作品紹介・あらすじ

★★売切れ続出につき緊急増刷…完了!! 品薄が続きすみませんでした!! Kindle版もあります★★
医療政策の過去、現在、未来を読み解く。
2014年診療報酬改定はどうしてこうなるのか? その「しくみ」が見える本です。
医療や介護に関わる法律や政策がどのように作られるのか?という視点から、マンガで医療政策ニュースを解説。その背景や工程のしくみがわかります。
本書を読めば、明日から、あなたも医療政策通!!

感想・レビュー・書評

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  • 【感想】
    医療機器メーカーの人間として、「医療業界というテーマの本は目を背ける事ができない!」という謎の責任感の元、手に取った1冊。
    医療政策という取っ掛かりにくいテーマの為、恥ずかしながら「まんがでわかる」シリーズで学ぼうと思った。

    が・・・びっくるするくらい難しい内容で、結局細部は何一つわからなかった(笑)
    本当に、院内の医事課の方々の頭の良さには舌を巻いてしまいます・・・本当に難しい。

    日経新聞でもこの手の医療政策に関する記事をたまに目にするが、読んでいて何が何だか分からない。
    元来何が問題だったのか、どのような改善を施そうとしているのか、その改善によって誰がどう得をするのか。
    最低でも「医療関連ニュースを読む際のロジックモデル」くらいは身につけなくちゃいけないなぁ。

    結局何も身にならないどころか、自分のアホさ加減に打ちひしがれながら読み終えた1冊でした。泣きそう・・・


    【内容まとめ】
    1.医療政策の3つの課題
    ・診療報酬→医療サービスの内容、範囲、価格の課題
    ・医療提供体制→医療連携、在宅医療、医師不足、地域格差、医療従事者の労働環境など
    ・医療制度改革→法律改正や医療計画などでの対応策

    2.医療関連ニュースを読む際のロジックモデル
    ・何の課題に対する政策なのか?
    ・主な受益者層はどこか?
    ・政策を実行するための資源、財源、人的資源、設備資源は?
    ・その政策は具体的に何をするのか?
    ・その活動の結果、得られる成果は何か?
    ・政策の受益者にどんな変化がある?
    ・国や自治体、社会制度にどんな変化がある?

    3.診療報酬が上がれば患者(国民)の負担が増え、診療報酬が下がれば医療従事者の収入が減る。

    4.ドラッグ ラグ
    欧米で承認された新薬が、国内の医療現場で使用できるようになるまでの時間差のこと。
    欧米では標準的な治療薬が、日本では使用できないという問題が生じている。

    5.診療報酬
    →診療報酬は公定価格であるため、物価や他産業の給与水準に合わせる必要があり、概ね2年に一度変更される。(診療報酬改定)

    6.DPCとは、そもそも診療内容とかかる費用をベースにした診療行為の分類のこと。
    急性期の傷病について手術を行うのか、それはどのような手術か、合併症はあるのか、どのような医薬品を使うか、一般的にかかる医療費はいくらか。
    このような事項を総合的に判断して分類を決め、入院期間に応じて1日あたりの医療費を設定する。


    【引用】
    p8
    医療政策の3つの課題
    1.診療報酬
    →医療サービスの内容、範囲、価格の課題

    2.医療提供体制
    →医療連携、在宅医療、医師不足、地域格差、医療従事者の労働環境など

    3.医療制度改革
    法律改正や医療計画などでの対応策

    医療関連ニュースを読む際のロジックモデル
    ・何の課題に対する政策なのか?
    ・主な受益者層はどこか?
    ・政策を実行するための資源、財源、人的資源、設備資源は?
    ・その政策は具体的に何をするのか?
    ・その活動の結果、得られる成果は何か?
    ・政策の受益者にどんな変化がある?
    ・国や自治体、社会制度にどんな変化がある?


    p12
    診療報酬が上がれば患者(国民)の負担が増え、診療報酬が下がれば医療従事者の収入が減る。この対立構造は単純な綱引きです。


    p18
    ・中央社会保険医療協議会(中医協)
    厚生労働大臣の諮問機関。
    2年に一度診療報酬価格などを厚生労働大臣の諮問に応じて審議あるいは文書によって答申する。


    p19
    ・ドラッグ ラグ
    欧米で承認された新薬が、国内の医療現場で使用できるようになるまでの時間差のこと。
    欧米では標準的な治療薬が、日本では使用できないという問題が生じている。

    解消のためのプロセスとして、実質3番の審査のみで高度医療申請が行える。
    1.医薬品を用いた高度医療の特定
    2.高度医療を実施できる医療機関の特定
    3.高度医療の実施作成書の承認会議

    問題として、高度医療申請時に、「数件の治療例が必要である」という点が挙げられる。
    この「数件の治療例」においては当然保険が一切使えないため、全額医療機関や患者などの負担になる。。。


    p28
    「ドラッグ・ラグ解消」に向けて、ゼロベースで新規の医療技術を実施できる医療機関の選定も行われています。
    具体的には、安全性や有効性が確認されていない未承認薬などを用いた治療を、保険診療と組み合わせて行うということ。
    このため、その治療を実施できる医療機関には、「高度な技術」「充実した設備や人員配置」「相当の実績」が求められます。


    p30
    ・DPC
    日本版の診断群分類。
    通常、一般病棟の入院医療を対象とした包括支払い方式のことを指す。
    2003年に導入された急性期入院医療を対象とした包括評価制度。


    p57
    ・診療報酬
    →診療報酬は公定価格であるため、物価や他産業の給与水準に合わせる必要があり、概ね2年に一度変更される。(診療報酬改定)


    p156
    ・2つの重点課題
    1.病院勤務医等の負担の大きな医療従事者の負担軽減
    2.医療と介護の役割分担の明確化と、地域における連携体制の強化推進、及び地域生活を支える在宅医療の充実


    p179
    ・「医科」の改定の流れ
    2000年度改定
    →入院基本料の導入
    2002年度改定
    →DPC導入

    DPCとは、そもそも診療内容とかかる費用をベースにした診療行為の分類のこと。
    急性期の傷病について手術を行うのか、それはどのような手術か、合併症はあるのか、どのような医薬品を使うか、一般的にかかる医療費はいくらか。
    このような事項を総合的に判断して分類を決め、入院期間に応じて1日あたりの医療費を設定する。

  • 正直、「誰でもわかる」と書いてあったが、ある程度知識を持っている読者を前提とした内容になっており、分かりにくい。

    DPC病院、包括支払い請求のことについて学ぶことができたので、それについては良かったとしましょう。

    あとは、中協委の役割。ここで診療報酬を議論している。医者側・支払側、それぞれ思惑が異なり、議論は過熱する。

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著者プロフィール

社会保障系出版社にて、年金専門誌、介護保険専門誌、医療保険専門誌の担当として、厚生労働省、国会、医師会や保険者団体などの担当記者、デスクを歴任。
2009年から日本最大級のコンサルティングファームである株式会社日本経営のグループ企業メディキャストにおいて、医療政策系メディア部門の編集長として、ウェブや講演などを通じて、医療政策・行政情報を全国に発信しているスペシャリスト。

「2018年 『日本でいちばんわかる 新・医療政策のしくみ -2018年度診療報酬改定編-』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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