相倉久人のジャズ史夜話 80の物語と160の逸話

著者 :
  • アルテスパブリッシング
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本棚登録 : 27
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784903951621

作品紹介・あらすじ

2012年末に81歳の誕生日を迎えたばかりの著者は、60年代から評論活動を始めたジャズ界の大御所。日本のジャズ・シーンにも草創期から深く関わり、渡辺貞夫、山下洋輔、菊地成孔といった著名ミュージシャンとの親交もあつい。

『新書で入門 ジャズの歴史』(新潮新書)に続く本書は、ジャズ誕生前夜から説き起こし、21世紀最新のシーンまでをたどった相倉ジャズ史の決定版。全体を80の物語に分け、それぞれ2本ずつのコラムを付した構成で、とても読みやすく仕上がっています。弊社刊の油井正一『ジャズの歴史物語』と並ぶ日本人によるジャズ史の頂点として、長く読み継がれるでしょう。

感想・レビュー・書評

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  • ジャズの歴史をエピソードで語るもの。
    新書版よりも、ページもある分、丁寧にかたられていて、こちらのほうが面白い。
    それにしても、ニューオリンズから、ジョンゾーンを超えて現代の細かい動向までフォローするって、プロとはいえやはりすごい。
    とくにいまの動き、砂漠のなかで金を探すような体だろうのに、よくぞ。熱意を持続させるその姿勢に脱帽。

  • 「…夜話」とあったので気軽なエッセイ集を想像していましたが、本格的な評論集でした。21世紀になってから著者の本格的なジャズ評論が読めるとは考えたこともなく、ただ驚いています。ジャズの全歴史にわたり限られたスペースで最近の研究成果も踏まえ的確に評論されています。著者がジャズ評論を止めた70年代以降の事柄も大きな遺漏なく記述され、なおかつ著者の見解が述べられています。ポストモダン以降の混迷状態は、ジャンルというものを無意味化し創造や継承といった活動の質を変えてしまったことがよく理解できました。

  • マイルス・デイビスのビッチェズ・ブリューでジャズの行方を模索した記憶が蘇ってきた.でも、よくまとめてありジャズの歴史を総括している大冊だ.音楽のジャンル分けが無意味になっている事実が、ジャズの世界で起こっていることは実感していたが、やはり50年代のジャズに郷愁を覚える.フージョンにはあまりついていけない.年かな?

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著者プロフィール

1931年東京生まれ。東京大学文学部(美術史)在学中からジャズ評論を執筆。その後、ライブの司会などを通してジャズの現場に深くかかわった。1970年代以降はロックやポップスを論じ、日本レコード大賞の委員も務めた。主な著著に『新書で入門ジャズの歴史』(新潮新書)、『相倉久人のジャズ史夜話』(アルテスパブリッシング)、『されどスウィング』(青土社)のほか、『モダンジャズ鑑賞』『ジャズからの出発』などがある。2015年没。

「2016年 『相倉久人にきく昭和歌謡史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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