フェルメール

著者 :
  • ナナロク社 ブルーシープ
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本棚登録 : 248
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784904292839

作品紹介・あらすじ

200ページのカラー写真と、5万字に及ぶ3週間の旅の日記。
写真家・文筆家の植本一子が、7ヵ国14都市にある17の美術館を旅して、現存するフェルメール全35作品を撮り下ろしました。
フェルメールの筆遣いと息づかい、絵画とそこに集う人々をカメラとペンで記録した「全点踏破」の旅を体験する、新しい美術書です。

感想・レビュー・書評

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  • サイン本を持っています。一子さんのサイン本は2冊目です。

  • 待望の植本一子さんの新刊は、日記でも石田さんのことでもなく、本業の写真のお仕事で、すべてのフェルメール作品を撮る、というものだった。

    作品や美術館だけでなく、街の雰囲気や人の写真が生々しい。植本さん独特の視点で語られた、それぞれの絵を見るまでの描写、絵を見ている間の感情、その他諸々のこぼれたものたちが一緒に美術館で写真を撮っているような気持ちになって臨場感があった。
    海外まで行って、一日に一枚の絵しか見ない、そんな鑑賞はしたことがないのでどうしたらいいかわからなくなりそう。
    美術館によって制止線が違うので、とてつもなく遠いとき、触れそうなくらいの距離で見れてしまうときなんかもあって、そういった美術館の美術品の扱い方の違いもおもしろい。フェルメールの絵を撮った、それをみたひとりの女性の感想文、それがこの本のすべてなはずなのに、それだけではない、いろんな国のいろんなひとの生きている音があちこちから聞こえてくる。

    こうしてわたしはまた、彼女の新しい旅に同行してしまう。

  • 何も知らない頃にこの本を見た時はフェルメールの解説本かと思っていたけど、植本一子さんのエッセイに出会った後にふと見たら、一子さんが旅をしながらフェルメールを巡っていく様子が描かれている本じゃない!と思い、即購入。 まだパラパラ写真とエッセイを交互に読み始めたばかりだけど、真珠の耳飾りの少女と2人きりになるところ、少女が見ているようだと語るところで、もう多幸感

  • ふむ

  • 着眼点がすごかった。こんな風に絵を鑑賞するのかと勉強になった。
    いつも展覧会で見るのはレプリカだけど、やっぱり本物は違うんだろうなあ!見てみたくなった。
    各美術館の展示も素敵で、美しかった。
    いくつかの美術館は入場無料と知り、羨ましく思った。
    街並みも写真に収められていて、その街ごと好きになりそうだった。行ってみたい!
    鑑賞と写真撮影について書かれてて、それもよかった。自分自身、作品を観ることよりも撮ることが目的にすり替わる経験があったから、なかなか難しいことだなあ……と思った。

  • 大好きな本。

  • 一度しか訪れない美術館で絵を「本当に観る」にはどうすればいいのか。知識を持って鑑賞に臨めばぐっと解像度が上がるけれど正解をなぞったところでせんない作業じゃないか。とはいえ事前勉強なしのまるごし鑑賞を記録した本書のフックになる箇所はだいたい訓練された写真家の目ありきだったような気がするし、やっぱ自分の場合は勉強していった方が楽しめるのかもしれない。私自身に限っては「ありのままの感性」みたいに呼ばれるもののことをあんまり信用してないなと思った。

    あと過去に作家の二つ名が「光の魔術師」だって聞いたときはふ~んと思って流していたけど、唇のうるうるつやつやっぷりなどに注目してみると、た、たしかに~!と超納得だった。「真珠の首飾り」の暗闇がほとんどなんにも見えないように描かれているさまから連想される「クーリンチェ少年殺人事件」の暗闇の語りにもぐっときた。「見せないことで想像力を掻き立てられ、まるでその場にいるような臨場感があった。」という良さがどっちにもある。こんな風に知っているものを使って良さを気づかせてくれて、他のお客さんも映り込んだ写真を眺めて、なんだか美術館に人と出かけてるみたいだった。

  • フェルメールを撮る旅行記、のような形。
    世界16箇所の美術館に赴き、その場と絵の写真が載せられ、その時の著者の感想やそのとき起きていたことが語られる。自身も共に行ったかのような感覚になれてとても良かった。
    著者が実際に見た、そして撮った絵については色はないがそれぞれ紹介されているページがあり、フェルメールの年譜も紹介されている。

  • 旅をしてフェルメール作品に会いに行った気分。光の描写が巧みなフェルメールとカメラを操り光を捉える写真家さんが対面している様子が対面していく様子、その世界観に引き込まれて楽しませてもらいました。

  • 図書館で好きなフェルメールの本を見かけて、何が書いてあるんだろう、と手に取った。絵の紹介と紀行文のような本。NY在住時に見たものなど、なんとなくしか覚えてないのに、自分でもびっくりする。人の記憶ってこんなに曖昧なんだ、って。ヨーロッパでもルーブルやシュテーデル、ナショナル・ギャラリーなんかで見てるはずなんだけど、「見れてない」んだな、と感じる。また、機会があったら「見に」行きたい。

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著者プロフィール

植本 一子(うえもと・いちこ):写真家。1984年、広島県生まれ。2003年、キヤノン写真新世紀で優秀賞。2013年から下北沢に自然光を使った写真館「天然スタジオ」をかまえる。主な著作に『愛は時間がかかる』『かなわない』『家族最後の日』『降伏の記録』『台風一過』『うれしい生活』『家族最初の日』などがある。

「2024年 『さびしさについて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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