- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784904292990
感想・レビュー・書評
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歌人・木下龍也による短歌をつくるためのコツや歌人としての生き方が書かれた一冊
タイトルがかなりイカついなと思ったけれど、内容は短くまとめられていて分かりやすいです。
なによりも、木下氏の詠む短歌が凡人から見ても天才…寧ろ天才だと思わせるほど言葉と向き合ってきたんだろうと感じます。
この本を読めばたぶん短歌に対しての見方や詠み方が変わると思います。特に助詞を抜くなと言うのは、やりがちだったですね。自分の気持ちを伝えるために1番近い表現は口語調だったり現代の言い回しであって、古文みたいな雰囲気じゃないよなって気付かされました。
短歌は「今この瞬間」の表現よりも、過ぎ去った愛・言えなかった想い・見逃した風景を書くのに適している、記憶の中にある思い出を結晶化させるのに最適なツールであるとの一節は、短歌をつくる上でも生きていく上でも自分の心を自分で覗き込むことの大切さを学びました。
短歌、つくりたくなりますよ
天才が
ぼくの心の
風景を
さらけ出させる
31字のレクイエム詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
短歌作りたい!と思うがいつまで経ってもちゃんと作っていない。
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新進気鋭の歌人、木下龍也による短歌教室。創作のヒントから創作の心構え、歌人としての生き方、さらには添削もあり、短歌の魅力を余すことなく伝える。俳句、現代詩とは異なる面白さが見出された。
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読みやすい。からだの内側に入ってきやすい。ことばの選び方が巧み。必要なことだけ書きましたという印象で、まわりくどい説明が無くて本当に読みやすかったです。
天才というひとことでまとめるには軽すぎる気がしなくもないですが、このひとって天才なんだな〜と思いました。努力や時間や、自分や短歌と向き合ってきた積み重ねがこの一冊になっているんですね。
図書館で借りました。私はいますぐ歌人になりたいのか?わからないけれど憧れはあって、あと文体がとてもスマートで単純にかなり気に入ってしまったのでこちらも購入して手元に置いておきたいと思います。
たった31文字、されど31文字、その短い文に自分を重ねて頭をがつんと殴られたような気持ちになったことや、思い当たる節がある気がして心臓がぎゅっと掴まれたような心地になったこと、なつかしいいつかの景色に憧憬にしてさみしさを感じることは何度かあって、穂村弘さんの本だって本屋さんや図書館で見かけてパラパラとはめくっていたし知っている有名な短歌もあった。
こんな表現かっこ悪いかもしれないけれど、歌人になれたらかっこいいと思う。思える。語りたい多くの言葉を、決められた枠の中に落とし込んでいく才能。 -
「有隣堂しか知らない世界」で芝課長がオススメしていたので購入。本書は、俳句を独学で勉強している人のバイブルである藤田湘子の『20週俳句入門』の短歌版のと言った位置付けだと思う。木下龍也さんの短歌は、俳句の池田澄子のような歯切れの良さがあり、かつ、明解なので親しみやすい。普段短歌に触れていない私のような人間にも本書はオススメである。
一点だけ残念なのは、木下さんがカルチャースクールなどで一般の人を教えた経験がないために、凡人が優れた歌を作れない苦しみへの理解が少し欠けていることだ。
気に入った歌人を2人自分にインストールし、定型を守った作歌を日課にし、日常生活での観察、あらゆるメディアからの情報収集せよ、木下さんの推敲の実践例を紹介しているが、それでは短歌のセンスのない凡人が上達するのは少し難しいと思う。『凡人のための短歌教室』という題名なのだから、この点をもう少し改善して欲しい。
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この本では、「短歌を始めたいけど勉強方法も上手くなる方法もわからない」という人向けに学習ステップと短歌Tipsを教えてくれます。汎用的に使える学習ステップを短歌向けに専門化してくれているようなイメージです。
実際に、私はこの本と著者の歌集「あなたのための短歌集」を読んでから、実際に短歌づくりをはじめています。
会社では、どうしてもロジックと数値とばかりにらめっこするので、自分の中の感性らしきものに栄養を与えたかったからです。(理由から社畜感が溢れておりますが、、)
また、「1つでも短歌をつくればもう歌人である」という筆者の懐深いコメントに勇気付けられたことも理由のひとつです。なんの表現者でもないわたしが、カラオケも下手くそなわたしが、古文に精通して今様を嗜めるわけでもないわたしが、「歌人」になれる!!!「歌人」という響き、格好いいですよね。
短歌づくりがしたくなったら、こちらの本から入るのをお勧めいたします。
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短歌作りについて簡潔・素朴に語られている、歌人・木下龍也さんの著作。短歌に限らないいろいろな表現の仕方についても援用できそうなことがメッセージとしてあるともかんじる。
いろんな表現がある中で、「短歌は過ぎ去った愛を、言えなかった想いを、見逃していた風景を書くのに適している。」としていて、短歌っていいなぁと思い、買いてみようとふっと、思った。 -
本屋さんでふと目が止まって買いました。普段は選ばないような強気なタイトルだけど、装丁とマッチしていたからでしょうか。
短歌の本を買ったこと自体が人生初でしたが、読み始めたときから短歌を読みたくなる、誘うような本です。