- Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
- / ISBN・EAN: 9784904507391
感想・レビュー・書評
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社会制度・体制についての本かと思いきや、その内容は生き方、いかに幸せを感じながら生きるか、をテーマとした本。
小飼弾氏の思考実験と仏教界長老との対談から構成される。
思考実験と言いつつもその内容は的を得ていて、裏付けもあり、納得させられる。
ベーシックインカムと社会相続を、今の成熟した社会への提言としているが、本書の主はそこではないと思う。
世の中が、社会が、生産活動と消費活動が、これだけ成熟したうえで、このあと世界をどう生きるのか、そのヒントを与えてくれるものだと感じた。
資本主義世界の権化のような企業に身を置いていると、「世界はこのまま進んで大丈夫か」と感じることもある。そして、「自分はなんのために働いているのか?」と自問する。
社会体制についての思考実験から、現在の資本主義・自由主義社会へのアンチテーゼとして、ベーシックインカムや社会相続という打ち手を繰り出し、「すべての命の最大幸福」を説く、その理想的な世界でのヒトの生き方とは。
これからの世界を生きていくためのヒントをもらった気がする。
ただ、その先を考えるのは自分自身なのだが。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
われわれのために社会があるのであって、社会のためにわれわれがあるのではない。
社会を「作り直し続ける」
ホリエモンと違って、思ったよりも社会の人なのだな。システムの言うなりになるのではなく、自分たちのためのシステムにしていく。プログラマー流の社会提言。
後半のスマサナーラ長老との対談もおもしろい
社会を他人事としてはいけない
お金は関係を壊すものである -
「働かざるもの〜」はベーシック・インカムについて、の著作です。
「財源はどこか」「メリットは何か」「デメリットは何か」
など、弾兄さんは、具体的な数字をあげて、「どうやればできるか?」をガンガン論じています。
成熟期を迎えた社会は大量消費ではなく少量生産少量消費となり社会全体の仕事量が減る。技術やITの進化がそれを加速する。なので、今後は仕事にあぶれるひとが大量に出る。だったら、低所得者層に生活保護を与えるより、ベーシックインカムとして、全ての人に一定のお金を与える方がいいんじゃないか、という内容でした。 -
これを読むとベーシックインカムいけるかもと思える。また、後半の仏教対談も特筆モノ。仏教の本質をよく表していると思う。仏教について知りたい人には一読を薦めたい。
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図書館
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働かざるもの、飢えるべからず。
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小飼弾さんのブログを楽しく読ませてもらっているので読んでみました。ベーシック・インカムという概念が良くわからず、前半はほとんど理解できませんでした。読了後もよくわかっていませんが・・・。(^^ゞ
年金や生活保護などの矛盾点を公平な目で整理すると国民全員に一定額を配る。1人5万円などとなると4人家族なら20万円になる。働かなくても最低限の生活を保証するというベーシック・インカムという考え方がある。
で、その資金に人が死んだ後の相続をあてる。相続税100%なら80兆円になり、国民全員に5万円が可能となる。
理屈は分かるんです。「ベーシック・インカム+従量課金のないエネルギーとコミュニケーション+フリー教育」というのは、確かに必要だし、最善の策だと思えました。
面白いアイデアだと感心できるのですが、基本的に性善説というか、社会主義・共産主義の失敗を見ている上で、人は「それでも本当に働くのか?」という疑問は拭えません。それどころか、たとえ日本で成功できても、世界中から格好の餌食になるような気がします。それにベーシック・インカムという政策が継続的に可能なのか?失敗した時のリスクが大きすぎるような気がしました。
ただ、理論は通っている・・・。かなり、悩ましいな話でした。 -
BI(ベーシックインカム)は同居増やしてせしめる不正が気になっていたが、本書の提案だと1人月5万なのであまりうまみはないかも。
努力は報われないと言い切ってしまうが、だからこそのBIなのか。
失敗を前提にするならそれは正しいと思う。
システムの大刷新が必要になるので国民間に相当広まらないと検討すらできなそうだ。
仕事の報酬は金ではなく、一心不乱が本当の報酬であるということや、好きな人だけが好きなことを仕事にする世界というのはマルクスが本来考えていた共産主義(レーニンとかの似非ではなく)に近いと思った。
移民で詰むことへの解が景気が良くなるから大丈夫というものだったが、理屈がよくわからなかった。
詳しい説明が欲しい。
どれだけ失敗しても生きていけるBIのスステムは実現してほしいと切に望む -
生きとし生けるもの全て他者からの「搾取」で生きている、という考え方をベースに価値ある生産活動についての固定観念を一度疑い、再考を促す本。
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なんか話題になっていたのを記憶していたので読んでみた。ある種、社会主義/共産主義の未来形なのかなと思った。実現可能なのか、不可能なのか、それは分からないけど、どっか小さな国で実験的にやってみたら面白いかもしれない。