クッキングと人生相談-悩みこそ究極のスパイス: 悩みこそ究極のスパイス
- ビッグイシュー日本 (2019年1月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (120ページ)
- / ISBN・EAN: 9784904515068
作品紹介・あらすじ
回答者は、ホームレス状態を経験し、路上で雑誌を売って収入を得、自活を目指している『ビッグイシュー日本版』販売者たち。路上生活という、いわば人生の"どん底"を経験している彼らが心を込めて相談に答えました。そこに、料理研究家の枝元なほみさんが作った「悩みに効く料理」と相談者への応援の言葉が添えられています。販売者の優しく含羞のある回答にウィットあふれるおいしい料理をあわせた、世界にまたとない人生相談でもあります。
感想・レビュー・書評
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「わりとよく売れているんです」と岡山の販売者が言うのでびっくりした。ホームレスに仕事を作り、自立を支援する目的で発行されている「ビッグイシュー日本版」の雑誌の方は、毎回の常連がいるから掃けていくのは当然である。けれども、時々発行される本の方はなかなか掃けないのが普通である。もともと本を買う人口そのものが減っているのだ。全然掃けないので、注文されて初めてブツを取りに行くという本も以前あった。それで、直ぐには手に入らないのを覚悟して「ないかな?」と聞いたら、「あゝこれですよね」と直ぐ出て来たので拍子抜けしたのである。
これは、ビッグイシュー日本版に寄せられた、ちょっとした、でも本人にとっては深刻な悩みに販売者が寄り添いながら絶妙なアドバイスを語り、それに料理研究家の枝元なほみさんが一言とともに「悩みに効く料理」を紹介するコーナーをまとめたもの。悩みは様々。「40代になりましたが、自信が持てることがありません」や、「娘が反抗期でストレスがたまります」などの主には深刻ではないけれども本人にとってはわりと深刻な悩みが取り上げられている。傑作なのが「カメを飼いたいのに、両親が反対します」(13歳男子)。Hさんのアドバイスも最高だったけど、枝元さんの提案料理がとってもかわいい「亀パン」だった!本気で作ろうと思ったもん。
「毎回の連載も楽しみにして、全部読んでいるんだけど、やっぱりまとまっている方が料理作りやすいし、中には切り抜いて何処かに行っちゃった回も幾つかあるから、発行されて嬉しかったんだ」
と、つい言い訳めいて岡山の販売者さんに説明した。
「他の人もそうみたいです」
「どうせ買うなら、こっちで買った方が(販売者さんの)収入になるしね」販売価格の半分が収入になる。これは雑誌の4倍以上だ。大きい。
「悩みに答える販売者の言葉のひとつひとつが、的を得ているように思えて、ホントいつも感心するんだよ」
「ホントそうですよね」
「枝元なほみさんの、ワンポイントのアドバイスも的確だし、料理は男でも作りやすいものばかりだし」
「売れるのも当然という気がします」
「今日は、本があってホント良かったよ」
と、寒空の下で、少し暖かいお話をして別れました。 -
「ビッグイシュー」の販売員が答える人生相談と枝元なほみさんのお料理(と回答)、すごい組み合わせ。
かつて住んでいたところから一駅、月に1度行くか行かないかの駅前に「ビッグイシュー」を手に立っておられる方を何度か見た。次に販売されているところを見かけたら、躊躇なく買う自分になっていたい。 -