協働するナラティヴ──グーリシャンとアンダーソンによる論文「言語システムとしてのヒューマンシステム」
- 遠見書房 (2013年7月23日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
- / ISBN・EAN: 9784904536568
作品紹介・あらすじ
ナラティヴ・セラピーの始まりは,この論文からだった!
1988年,世界の心理療法業界をリードする雑誌「ファミリー・プロセス」誌に1つの論文が掲載された。
「言語システムとしてのヒューマンシステム──臨床理論発展に向けてのいくつかの理念」。
著者は,ハーレーン・アンダーソンと,天才的臨床家ハロルド・グーリシャン。無知の姿勢,ナラティヴ,コラボレイティヴ……新しいアイデアに溢れたこの論文は,現在の心理療法に絶大なる影響を与えることになる。
この論文の全訳と,共同研究者であったアンダーソンと野村とのやりとりを踏まえ,1冊の本も残さなかったグーリシャンの,アイデアの核心を探る。
感想・レビュー・書評
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星10個つけたい。ハリーにあってみたかった
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1988年にでたナラティヴ・アプローチの最初の論文「言語システムとしてのヒューマンシステム」に訳者のイントロやアンダーソンとのQ&Aなどを加えたもの。
家族セラピーのシステム論的な本質論から、言語論・ナラティブ論・社会構成論への転向宣言みたいな本。
この転向は、理論的にでてきたというより、システム的なアプローチの実践を通じてでてきた限界を超えるために生まれたんだな〜。システムアプローチの限界がわかっていない自分にとっては、ナラティヴセラピーはどっちかというと理論的な興味から始まっているところがあるのだが、こういう背景があったのだな〜。
システムアプローチの限界がわかっていない私にとっては、社会構成主義といっても、まだまだ左脳的な理論の世界であって、わたしの人やシステムの見方は、まだまだ本質主義なんだなと思った。
「今、ここ」のまったなしの「社会構成主義」ですね〜。
伝説的なセラピストだが、単著のないグーリシャンがどんな人だったかが、伝わってくる。
ここから、コラボレーティブ・アプローチはもちろん、リフレクション・チーム、そしてオープン・ダイアログも生まれ出てきたんだな〜。
ここに書いてあるセラピストの姿勢は、いわゆるセラピーだけでなく、コーチングやファシリテーションでも重要なことだと思う。
人や組織に関わる仕事をしている人には、必読の本だな〜。
読んでよかった。