ずっと、愛してた嘘 (大誠社リリ文庫 29)

著者 :
  • 大誠社
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784904835340

感想・レビュー・書評

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  • 攻めの最低ぶりがすごくてよかったです。

  • 痛くて甘いストーリーでした。
    中学高校とブタ呼ばわりされていじめられていた叡一と偶然5年ぶりに再会した悠人。彼のせいで傷ついたばかりではなく、不登校になり両親も離婚してしまったことを未だに忘れられずにいた悠人は、叡一が自分を忘れてしまっていることが許せなくて、昔いじめられた仕返しをしようと目論むのですが。

    かつてはぽっちゃりでかわいかった悠人も、今では成長してスッキリした美形になっているんです。自分でも変わったという自覚があるので、叡一が気付かないことに腹が立つのはある意味勝手ですよね。
    ただ、傷つきやすい年頃にそういう目に遭ってしまった悠人の気持ちを考えると、かわいそうでした。好きな子をいじめちゃう心理なんて理解できないだろうし、ちょっと度が過ぎる気が…
    まあ、実は天性のドSが潜んでいる叡一の性格がよく現れているとは思いました。
    なので、そんなヤツに仕返しをしようとする悠人の頑張り?は受け入れられましたが、その手口が手ぬるいww自分とデートさせていっぱいお金を使わせ、気も使わせるという、何とも甘くてオイシイとこ取り!
    昔とは手の平を返したように悠人にやさしくて言いなりな叡一を、めいっぱいもてあそんだ後、バッサリふってしまおう、というシナリオです。

    叡一を奈落の底へ引き摺り下ろすことで上手くいったかのように見えた仕返しだったのですが、意外にもこの後大どんでん返しが待ち受けているんです…
    二人の主従関係が何度も入れ替わって、目まぐるしい展開です。ホントのところはどうよ?となって、最後まで目が離せません。
    叡一の愛情表現がとってもわかりにくくて難儀しました。なんとなく、わかってくるんですけどね。彼にとってみれば、一生懸命素直にアプローチしたら拒絶されたので、だったら鬼畜にヤンデレ攻してやる…という思考回路だったんでしょうか。
    とても愛情表現がヘタクソな攻でした。
    読んで字のごとくまんまと「個人経営的社畜」にされちゃった悠人は、とってもかわいかったですが、やっぱり少しイタかった…
    特に少しでも愛があるなら、首輪の喋ることができなくなるくらいの恐怖ってのはNGなんじゃないの?と思ってしまいました。SMちっくな関係は、煽られて悪くなかったですが。
    いじめられるのが似合ってしまう悠人もまた、好きと嫌いが裏返ってしまっているタイプです。

    なかなか歯車がかみ合わない二人でしたが、かわいさ余って何とやらな気持ちは伝わってきました。
    けっこう、ラブラブ。
    好き嫌いは分かれそうな話かなと思います。

  •  嵯峨悠人は、小さい頃に少しぽっちゃりしていたため、「ブタ」と呼ばれ言いように扱われ、不登校になってしまった過去がある。
     それから数年、大学に入り、見違えるような王子様のような美形に成長した悠人は、モテモテで、自分の過去とはまるっきり違う状況になっていた。
     けれど、悠人は自分の不登校が原因で離婚した母を少しでも助けるために、バイトをすることに一生懸命で、あまり他の人間と真剣に付き合うつもりはなかった。

     そんな時、悠人は最低な人間との再会を果たす。
     日下叡一。
     彼は、悠人を不登校に追い込んだ張本人だった。
     けれど、叡一は自分のことに気がついた様子はない。
     悠人はこの五年間、一度も彼のことを忘れたことはないのに、すっかり忘れ去られていることに怒りを覚える。
     そして、熱っぽい視線を向けてくる叡一に、悠人は残酷な仕返しを思いつく。
     その彼の想いを手玉にとって、いい想いをさせた後に最低な別れ方で別れることで、彼の気持ちを踏みにじってやろう――と考えたのだった。

     悠人の計画はうまくいき。
     最悪の終わりで、二人の関係は幕を引かれた――はずだった。
     ところが、せっかく就職が決まったはずの会社から悠人は「自宅待機」を命じられ、寮に入れる、と考えていたため、家も引き払うことになっていて、行き場所がない。
     困り果てた悠人は、打つ手がなくなってしまい、仕方なく再度、叡一に連絡を取ることにする。

     そこで告げられた残酷な内容に、悠人と叡一の最悪の関係が始まる――

     という話でした。
     王道であれば、悠人が叡一に仕返しを果たした時点でハッピーエンド側に流れていくのが普通だと思うんですが、この話はそれでは終わらずに、もう一段階存在していました。
     再度、叡一が主導権を握る形になって、それでも素直にハッピーエンドには行かずに、更に関係を悪化させてしまう。

     まぁ、そこからちゃんとハッピーエンドには辿り着くんですが。
     そのころころ変わる主従関係に、こっちの目が回りそうでした。

     受けにないがしろにされる攻めの話が好きな人、攻めに服従される受けの話が好きな人、どちらも楽しめる内容になっているので、一冊で二度おいしい、といえるのかもしれませんが、どちらかが地雷だと、かなり厳しいことになると思います。

  • 高校の時に好きな男に「俺のブタ」と言われ、身体まで勝手にされ深く傷ついた悠人。それが原因で高校を中退し、離婚した母親に楽をさせるため奨学金で大学へ進学してバイト三昧の日々。
    高校の頃まではぽちゃっとしていた悠人だったが大学生の今、他の大学にまで知れ渡った王子並みの美貌を持つ一度はエスコートされたい男の子になっていたのです。
    そんな悠人が付き合いで出席した裕福な子弟が通うので有名な大学とのコンパで偶然にも二度と会いたくないあの男、日下叡一に出合ってしまう。
    信じられない事に日下は今の自分が昔苛めていたあの悠人だとは知らずに好意を寄せて来る。
    過去の復讐を果たす為、恋人らしく振る舞う悠人だったが。
    叡一と悠人のもつれた愛情が縺れて、立場が逆転したりと面白かったです。
    子供の頃からの盲目的な執着愛、とてもよかった☆
    愛という物は年月を超えて色褪せない物なのです。

  • 『本当は両思いだったけどお互い気付かずすれ違ってた』というお話だったけど、ここに攻のとんでもない暴走が加わるとこんな話になるんだな~。受と仲良くできて気分的に落ち着いているときの攻が激甘なだけに、ギャップがすさまじい。

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著者プロフィール

花川戸菖蒲 Ayame Hanakawado
ハッと気がついたら今日が平成最後です。平成ラストの仕事がハニー文庫。……記念? 記念になるのかな?

「2019年 『獣王と失われた王女の秘密愛』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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