高橋ヨシキのサタニック人生相談

著者 :
  • スモール出版
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本棚登録 : 115
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784905158561

作品紹介・あらすじ

「名前も知らない異性に一目惚れしました」
「なぜ殺人はダメなのですか?」
「友人が〈自分は異星人だ〉と言いだしました」
「父親になることに不安を感じています」

──こんなお悩みを「サタニズム」で解決? サタニズムとは、アントン・ラヴェイという人物が1966年に提唱した「宗教に頼って思考停止するかわりに、自分の頭で考えて行動し自分の足でしっかり立て」という考え方のこと。この哲学に基づいた、悪魔的で論理的・かつ紳士的な44のアドバイスを収録。

感想・レビュー・書評

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  •  映画ライターの高橋ヨシキ氏がメルマガで掲載していた人生相談のまとめ本。見た目やテリトリーとする映画ジャンルから乱暴なイメージを持たれる人もいるかもだけど、人生相談本の中でも屈指の紳士っぷりだと思う。理路整然と言葉を並べて説明してくれるので読んでいると心が落ち着く、というか安心する。「知のウォーリアー」という言葉がふさわしい。政治家を筆頭に世の中では、整合性の取れない言動が多く目立ち、その言動をSNS通じてすべて大喜利化する最近の世界において、各相談にこれだけ真剣に向き合っている人は珍しい。オモシロいのは回答で著者の思考回路をなぞることができる点。つまり最初に説明していた内容が著者の中で違うなと感じたら、その旨を記載して「これまでの説明は忘れて、こちらの方がいいですね」という別の案を提示してくれる。文章なので、その逡巡をわざわざ記載する必要はないものの、情報を得る過程を大事だと説く著者ならではだと思う。
     僕も著者と同様、若いころから色んなことに腹が立ってしょうがない人生で毎日何かに怒っているような気もする。そんな人がかなり落ち着いて冷静に物事と向き合ってよりご機嫌な人生を歩もうとされている姿を見て感化された。結局、ムカつく人やしょうもない人のことを考える時間は浪費でしかない。他人は自分の人生をどうにもしてくれないのだから自分でハンドルできる領域を広げることが重要なんだなと思う。繰り返し引用される「モンティ·パイソン/人生狂騒曲」の言葉をここに引用しておく。
    「大したことじゃないけれど 、他人にはできるだけナイスにしましょう 。脂肪の摂り過ぎに注意 。たまには良い本を読みましょう 。ちょっとは散歩すること 。そんでもって 、相手の国籍や宗教がなんであれ 、みんなと仲良く平和に暮らすよう努めるように 」

  • 一目見ただけで信用できる人間がいる。
    ぼる塾のあんり
    リリー フランキー
    そしてこの高橋ヨシキ
    一眼見た時から、その声を聞いた時こら その語り口に感心し はっきり言って信用できる この人の考えを知りたい 尊敬してると言ってもいい!

    著作は初めて読んだんだけどね。

  • おもしろかった。いわゆる黒魔術にイメージされる悪魔信仰じゃなくて、誠実さとユーモアをもって世の中を捉えるサタニズムという考え方は非常に興味深いものだった。

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著者プロフィール

1969年生まれ。映画ライター、アートディレクター、デザイナー、チャーチ・オブ・サタン公認サタニスト。
著書に『悪魔が憐れむ歌――暗黒映画入門』(ちくま文庫)、『高橋ヨシキのサタニック人生相談』(スモール出版)、『高橋ヨシキのシネマストリップ 戦慄のディストピア編』『高橋ヨシキのシネマストリップ』(共にNHKラジオ第1「すっぴん! 」制作班・編/スモール出版)、『ヨシキ×ホークのファッキン・ムービー・トーク!』(てらさわホーク・共著/イースト・プレス)などがある。

「2021年 『ヘンテコ映画レビュー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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