- Amazon.co.jp ・本 (46ページ)
- / ISBN・EAN: 9784905194477
作品紹介・あらすじ
イチョウは時間やどんな大変動にもたえてきました。放射能や町の公害もおそれません。イチョウの葉は秋に金色に輝き、小さな扇子のような姿をして、多くの芸術家にインスピレーションをあたえています。さあ、何千年にもわたって人間を夢中にさせてきた、イチョウのたくましい歴史をみてみましょう。
感想・レビュー・書評
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イチョウの歴史と人との関わりを紹介する絵本です。小学校中学年より上くらいの、やや大きい子向けかと思います。
イチョウはかなり古くからある木です。2億7000万年前、植物は少なく、花もない頃、そして鳥も哺乳類もいない頃、イチョウの祖先が現れました。2億3000万年前、恐竜が現れます。その後、隕石の落下や火山爆発を経て、恐竜も、ほかの動植物の多くも絶滅する中、イチョウの仲間もほとんどが消えます。しかし中国の南部で、丈夫な種のイチョウが生き残ります。これが現在のイチョウ(Ginkgo biloba)です。
最古の木とも言えるイチョウは、丈夫な木で、数千年生き続けることもあります。
その生命力から多くの伝説が生まれ、実や葉は薬としてまた食用として人々に摂取されてきました。
イチョウはまた、火に強いことでも知られます。多くの寺社で境内にイチョウが植えられているのは類焼防止の意味もあるのです。これは、樹木に含まれる水分量が多いためで、戦火を生き延びた例も知られます。
イチョウがヨーロッパに知られるようになったきっかけは、1690年、ドイツの植物学者ケンペルが日本を訪れたことでした。ケンペルはヨーロッパにはなかったこの木に非常に興味を持ち、詳細に調べました。ケンペルの死後、イチョウはヨーロッパに運ばれます。
挿し木でも種子でも増えるイチョウはこの後、ヨーロッパ全土に広がります。
ヨーロッパに現在生えているイチョウの木は、大半が日本から渡ったイチョウの子孫のようです。
巻末には解説が付いていて、さらに深く知りたい子にも楽しめる作りになっています。
イチョウの学名の元は、「銀杏(ぎんきょう)」だというのを本書で初めて知りました。Ginkyoと書くべきところ、ケンペルがyとgを書き間違えてしまったらしいのですね。そう言えば読み方がわかりにくい変わった名前だと思っていたのです。ちなみにbilobaはラテン語で「二つに裂けた葉」(biが"2"、lobaが"葉"ですね)を意味します。
簡潔な文章、力強い絵です。
扇形の葉、黄金の実、強い幹。
イチョウはこれからも愛されていくことでしょう。 -
地球上で最古の種類の木である「イチョウ」の話。ダーウィンはイチョウを「生きた化石」と称したらしい。シーラカンスみたい。
そんなイチョウがヨーロッパに広まったのは、日本が鎖国していた頃、ケンペルが持ち帰ったからだとか。イチョウはとても強い木で、原爆に耐えたものもあるという話にはびっくりでした。スウェーデンには2060年で1万年の樹齢になるイチョウがあるそうで。イチョウってすごいなあと思う絵本。絵も素敵でした。 -
2億7千万年前、イチョウの祖先が地球上に現れる。
古い形の植物だ。
恐竜が絶滅しても生き残る。
原爆にも耐えた。
今のヨーロッパのイチョウは日本のイチョウの子孫なんだって! -
訳が良くないのか、かなり説明的。
絵も悪くはないけれど、特別に良いというわけでも無い。
ページごとにバラバラな印象を受けて、物語として読み進められない。
残念ながら、絵本にした意味がよくわからなかった。 -
資料番号:020252045
請求記号:478セ -
2013年11月21日
<LE GINKGO, le plus vieil arbre du monde> -
★★★★★
哺乳類が誕生する前、イチョウの祖先がひっそりと生まれる。
恐竜が絶滅したときほとんどのイチョウが運命を共にしたが、中国の山の中で何本かのイチョウの木が生き抜いたのです。
中国から日本、そしてヨーロッパへとイチョウは冒険を続けます。人のおろかさに焼かれそうになっても。
伝説が生まれ、生活に溶け込み、ときには芸術家たちの心をざわつかせて。
ザウさんの絵も、昔の図版も互いを引き立てあっていました。
(まっきー)
わぁ、これからの季節にぴったりですね(^^)。
紅葉も少しずつ進んできましたね。
わぁ、これからの季節にぴったりですね(^^)。
紅葉も少しずつ進んできましたね。