アウレリャーノがやってくる

著者 :
  • 破滅派
4.50
  • (2)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 29
感想 : 1
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784905197027

作品紹介・あらすじ

【アウレリャーノがやってくる】

岩手出身の天地遍人(アマチアマネヒト)はうっとりするほどの美少年。彼は高校卒業と同時に姉を頼って上京し、路上で詩を書く代理詩人を始める。その活動の中でやがて破滅派という文芸同人誌団体と出会い、そこに加入する。リーダー紙上大兄皇子ほか風変わりな同人たちにあてられ、文芸活動に没頭する遍人。やがて、遍人は皇子の恋人である深川潮に惹かれるようになるが、同時に破滅派の経営は逼迫し、破滅のときが近づいていた……。

実在するオンライン文芸誌「破滅派」を題材にした、エキセントリック・ビルドゥングス・ロマン。新潮新人賞を受賞しながら長らく単行本になっていなかった作品がついに発刊!

ともあれ、「遅れてやってきた島田雅彦」といった観もある作者が、この受賞作を超えて本格的な作家へと成長することを期待するばかりである。
――浅田彰(新潮新人賞選評より)

もしかすると高橋さんは、私などが考えるよりももっともっとスケールの大きな小説へ向かって、歩き出そうとしているのかもしれない。
――小川洋子(新潮新人賞選評より)

阿部和重(初期)と森見登美彦のセンスを足したみたいな感じで、今後も注目。「遅れてきた島田雅彦」とは僕には全然思えませんが。
――佐々木敦(STUDIO VOICE 2007/12より)

高橋の小説は〔略〕人を食った個所のほうぼうで、書き手の人柄(ゴースト)が顔を出す。カラオケならぬブログ以後の世界で、これだけナイーブな素直さが明るくとどまっていられるのは、一つの力と言ってよい。
――加藤典洋(2007/10/25朝日新聞朝刊)


【フェイタル・コネクション】

北千住の古いマンションで友人と暮らすタカハシは、ある日東京のドヤ街である山谷で山谷感人(かんと)を名乗る自称作家と出会い、ルームシェアの一員として受け入れる。同居人や恋人を巻き込んだガッチャガチャの人間関係を繰り広げつつ、感人とのあいだに芽生える友情と呼ぶのかなんなのかわからない感情。小説をなかなか書こうとしないアルコール依存症の感人はついに血を吐き始め……。

著者と友人「山谷感人」の実話をもとにしたBOTS(Based On a True Story)小説。


【彼自身による高橋文樹】

本来は山谷感人によって書かれるはずだった解説はついに書かれることがなかった。振り込んだギャラの五万円を惜しむ暇もなく、仕方なしに自分で書いた入魂のDIY解説。おそらく日本文学史上初の、「モデル小説のモデルになった人による誓約書」が掲載された解説である。

これは泣くだろ!すごい人生だった。高橋文樹さんはこの解説を長篇にしたほうがいいと思います。
――樋口恭介(Twitter)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 最高に面白い。とても好み。佐川恭一から破滅派を知ったけど、もっともっと大きくなってほしいし、応援したくなった。著者による解説がすごく面白かった。感人の文章も読んでみたかったな。

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

1979年千葉県千葉市生まれ。1998年、千葉県立千葉高校を卒業し、東京大学文科Ⅲ類に入学。私淑する大江健三郎のあとを追い、仏文科へ進学。
2001年、『途中下車』で大学在学中に幻冬舎NET学生文学賞大賞を受賞しデビュー。その後、次作に恵まれず、2007年オンライン文芸誌「破滅派」を立ち上げ、また、同年「アウレリャーノがやってくる」で新潮新人賞を受賞。
2010年、株式会社破滅派を設立。オープンソースソフトウェアWordPressをベースにしたウェブ制作を行いながら、電子書籍の発刊やイベント開催、ISBNなしの書籍販売などを手がける。
2016年にはゲンロン主催大森望SF創作講座に参加し、ゲンロンSF新人賞飛浩隆賞を受賞。ワールドコンへの参加、SF同人誌『Sci-Fire』の創設、千葉市SF作家の会 Dead Channel JPの設立など、精力的に活動を続ける。
2021年、破滅派から初のISBN付き書籍を発行。

「2024年 『ぼくは君がなつかしい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

高橋文樹の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×