- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784905425007
感想・レビュー・書評
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2023年のベスト1が、最後の最後に来た。
中でも勝本華蓮さんが凄すぎる。
法名だけ見て宝塚かよ、とか思ったら、『わたし、男に生まれたかったんですよ。』なんて告白があって、なんか納得した。
神秘体験が神様ではなく仏様に向かったのも、己を冷めた目で見ていたが故なのかな。
5つの対話それぞれが大変面白いが、一方で日蓮宗の坊さんが登場しない、というのも、「仏教とはなんぞや」の、一つの答えなんだろうな、と。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
やっぱいいわー、仏教。そしてやっぱすごいわー、宮崎哲弥。
専門的な話が多くて素人はついていけないみたいな話を聞いていたんだけど、僕レベルでもそこそこわかる話が多かった。
対談者がバラエティに富んでいて、また昔から僕が読者だった人の意外な一面を垣間見たりしてそこも面白かった。
たとえばあれほど冷徹な論理を貫く南さんが、結構感覚的な話をしていたり(対談の前半。後半は宗教者としての凄みを感じさせる。ここが本書の白眉)。
いろいろ仏教書を読まねばな、と思わされる一冊。
宮崎さんが目論んでいる、書き下ろしの仏教書がいつ出るのか、楽しみ。 -
宮崎哲弥と5つの宗派の仏教者との対談集。
かなり専門的なお話が多く、仏教を学問として勉強している人でないとなかなか内容を理解するのは難しい思います。しかし、宗派による考え方の違いや、仏教の捉え方の違いなど学べて面白かった。もう少し勉強してから読むときっともっと面白いだろう。 -
問答一 白川密成
問答二 釈徹宗
問答三 勝本華蓮
問答四 南直哉
問答五 林田康順 -
これはとてもいい企画。
やや専門的ではあるけれども、
対話という形がそれをいくらか補ってくれる。
宮崎もしっかり意図をもって聴いているけれど、
引きつけすぎず好感が持てる。
実践的宗教倫理の書である。 -
内容が面白そうなことはなんとなく伝わってくるんだけど.
仏教に対する知識がないため,いまいちぴんとこない.
要再読. -
多くの宗派から様々な僧侶を招いている対談でありながら
破綻することなくきっちりとまとめているあたり、宮崎哲弥の
手腕の程がうかがえる。毎回予習をしての対談ではあったのだろうが
それにしても、だ。
内容は多少難解で、仏教に素養のない人間には歯が立たない箇所も
ままあるだろうが、全編を通して興味深く読ませてもらった。
しかし一番驚いたのは宮崎哲弥がここまで仏教者であったことかな。 -
仏教に興味を持ち始めたばかりの自分の知識を一段階引き上げた。
知的な読み物としてのレベルが高く、かなり面白く読めた。 -
難しかったけど、面白かった。
印象的だったのは、南直哉さんとの対談。
『「聖」の存在意義は、「俗」の有りようを問うことですよ。それだけ。私が言う俗とは最初に課された自己です。人間の存在は俗で始まりますから、その有りようを最初から問う視点なんか持って生まれてこない。自己であるということは一方的に課されるんだから。これ、居心地悪いんですよ。みんな、意識しようがしまいが居心地の悪さに耐えているわけです。ー略ー 人間が自己という様式でしか存在できないとするならば、そこに違和感はあって当たり前。もっといえば、自己であることと人間であることはそれほど大切なことじゃないと言いたいんです。それを言う立場、そういう視点が聖である、と。』(p170)
『ー略ー 仏教が独特なのは、単独性ですよね。生きていると自己を課せられる。これは違和感があるので、思春期ぐらいになると「本当の自分じゃない」と言ったりして「本当の自己」みたいなものを設定する。「本当の自己なんてない」と僕も言いたいし、仏教も言ってくると思うんですが。ー略ー』(p171)
みうらじゅんさんの言う「自分なくし」ってやつだよね。
難しいことはよく分からないけど、仏教ってやっぱり面白い。
この南さんとの対談で宮崎さんが言っていたように、仏教って宗教じゃないとつくづく思う。 -
中観派仏教者を自任する評論家・宮崎哲弥さんと各宗派論客との対談集。
仏教思想に触れてみたくて手に取ってみたものの、盆のお墓参りや初詣といった平均的な日本人の宗教習慣しか持たない私にとっては、やはり難解でした。
あくまで内容の中心は仏教の教義そのものですが、現代の日本へ仏教は何を提示しうるかというやり取りが興味深かった。