江戸絵画の非常識: 近世絵画の定説をくつがえす (日本文化私の最新講義 1)

著者 :
  • 敬文舎
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784906822614

作品紹介・あらすじ

江戸絵画の「常識」となっている13の事柄を、「本当か?」と疑い、綿密な考証をほどこして検討、定説をくつがえしていく。また、19世紀の京・大坂で活躍した画家70人の事績を、年表とともに紹介する。

感想・レビュー・書評

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  • ★★★☆☆

    「近世絵画の定説をくつがえす」という刺激的なサブタイトルに惹かれて購入。

    ……してみたものの、よく考えてみたら何が「定説」なのか知らないのに果たして面白がれるのだろうかという一抹の不安も。

    結果としてその予想は半分当たっていた。

    宗達や光琳に関するところは面白く読めたが、秋田蘭画とか谷文晁を扱った部分はちょっと退屈してしまった。

    早い話がもともと興味を持っていた対象を取り上げた章は面白かったということなんだけれども、これはある程度しかたがない部分もあって、「定説をくつがえす」というテーマでやっていくとどうしても制作年代どっちが早いか遅いかというような色気のない話が多くなってしまう。

    好きな題材ならそこに自主的に色気をプラスすることもできるのだけれど、予備知識なしだとどうしても乾燥したシフォンケーキみたいなモソモソした食感になってしまいがち。

    やっぱりデータがたくさんでてくると僕的には厳しいかな。

    そんな中、特に興味があったわけじゃないけど、一般知識として知っていた「定説」をくつがえしてくれたのが浮世絵を取り扱った章。

    「浮世絵は版画が主流」という「定説」は絵画、浮世絵に興味が無い人でも共有していること。

    「定説」といっても美術業界だけで通用するものではなくて、一般常識レベルのことをくつがえしてくれるので、「これこそ、近世絵画の定説をくつがえすというサブタイトルから想像した内容だ」と膝を打った。

  • 一つ一つの章が疑問となるテーマとともに画家が語られていて興味深かったが、絵について語るわけなのでもう少し絵画を載せてほしかった。知らない画家や作品が多く(宗達の風神雷神図などは別に掲載の必要は無いと思うが)百聞は一見に如かずの諺もある通り、とにかく『絵』が欲しかった。そのくせ没年の1年違いにこだわって長々説明してたり、無駄なところを削って、絵が必要だと思った。

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著者プロフィール

北斎館館長

「2020年 『日本の図像 琳派 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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