「『よく来た勇者よ…、力が欲しいか?』馬上で佇む精霊の泉!」
京都府出身、芸能事務所スターダストプロモーション所属の女性タレント、泉里香さんの通算2冊目となる写真集です。出版はSDP、撮影は三瓶康友さんです。
女性ファッション誌モデルでありながらグラマラスな体型を活かし青年誌グラビアにも進出した所全世代の知名度が上昇、夜景をバックにしたドレスが絵になる華やかなパブリックイメージを持った人気マルチタレントです。
本紙は生涯2冊目となるグラビア写真集。表紙における自信に満ちた表情ひとつ取ってみても、今回が前回とは違った一面に焦点を当てているのは明らかです。
グラビアで歓迎される所謂「男ウケ」に最大限配慮していたのが前回だったとするならば、今回の彼女はより力強く・装飾的。かなりハッキリしたアイメイクにベージュでクールに・時に色合い濃く攻める唇、濡れ髪タイトなオールバックに飽き足らず軽くソバージュまでかかっている挑戦的なヘアスタイル…。
程よく引き算したピリ辛なスタイルは俗っぽい「グラビア」とかけ離れているのは否めないものの、当代きっての美貌を誇る女優兼ファッションモデルが身体を露出する「グラビア」をやっているのだ…と素直に解釈した場合、こんなにも凛々しい女性像を捉えた作品は無かったのではないか…と。
荒涼としたマデイラの大地に独り聳え立つ泉里香。軽くチリっとしたソバージュかき上げるナチュラルなスタイルが湿度カラッカラな風景にマッチ。何より舞踏で浮き出る腹筋がお見事!腹パンしようがビクともしない、でもゴリっとはしていないしなやかな影の浮き方が美しい。体作りが身上なのは伊達ではありません。
さらに現地の言葉で「木」を意味するマデイラは森林の奥深くで豊穣な自然を開け放つ。深緑の隙間から柔らかな陽が差し込む情景に現れるは騎乗の人・泉里香。
木漏れ日がスポットライトとなって浮かぶ幻想のシルエット、白馬と共に穏やかに目を遣る神秘の瞬間。RPGだったらダンジョン最深部で重要なアイテムをくれるであろう(でも2度と現れる事は無いであろう)、非日常の極みのようなエピックなショットです。
美しくある為には同時に強くあらねばならぬのだ…と教示される一冊。「ベタなグラビアやってないから」と敬遠するのは余りに惜しい写真集であります。