モロトフ・カクテルをガンディーと 平和主義者のための暴力論

  • ころから株式会社
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784907239497

作品紹介・あらすじ

「カネなし生活」で知られるマーク・ボイル(『ぼくはお金を使わずに生きることにした』著者)が非暴力神話を解体する。
「もう、たくさんだ!」と声をあげるために——

感想・レビュー・書評

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  • よく出版できたなというほどの過激さ。
    見ると、聞いたこともない出版社。
    紳士淑女が集う読書会にこの本を取り上げたら卒倒する人が出そうだし、世が世なら、官憲が飛び込んできそう。
    タイトルのモロトフ・カクテルとは火炎瓶のこと。
    ガンディーやら平和主義者ともあるが、読んでいくとインドの独立運動は全然非暴力の勝利ではなかったと明かされる。
    アイルランド生まれの現代のソローが、改良主義など無意味で生ぬるく、安易な希望など無用でとことん絶望するべきとし、その上で現状に見合い、かつふさわしい応答、そう暴力を伴う反逆をけしかける。

    間違っても感化されましたと、口が裂けても言うべきではないが、胸がすくような文章もある。

    「従来の処世訓とは裏腹に、今日のぼくらが急いで感じなければいけないのは、希望ではなく絶望なのではないか。改良主義に似て希望も、忍びがたき状況を期せずして忍びやすく変えてしまいかねない。希望とは、いわば無力さを認めることであって、はからずも、行動を起こさぬ原因となりやすい。まず希望に見切りをつけ、絶望を受け入れること。皮肉ながら、そこにこそ希望は存在する。そんな正直な姿勢から、ふさわしい応答の可能性が生まれるのたから」

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著者プロフィール

1979年、アイルランド生まれ。2007年に英国ブリストルでフリーエコノミー(無銭経済)運動を立ちあげ、2008年の無買デーからお金を一切使わない生活実験を開始。実験最初の1年間の記録『ぼくはお金を使わずに生きることにした』(紀伊國屋書店)は19カ国で刊行され、大きな反響を呼んだ。現在はアイルランド西部の小農場で、電気もガスも水道もないセルフビルドの小屋に暮らし、贈与経済の実践をつづけている。他の著書に『無銭経済宣言——お金を使わずに生きる方法』、The Way Home: Tales from a life without technology(紀伊國屋書店より邦訳刊行予定)がある。

「2020年 『電子版 モロトフ・カクテルをガンディーと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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