歩く、見る、待つ ペドロ・コスタ映画論講義

制作 : 土田 環 
  • ソリレス書店
4.67
  • (2)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 55
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784908435003

作品紹介・あらすじ

ペドロ・コスタ監督が語る、いまある映画を乗り越えるための言葉。

「映画を作るとき、してはならないことを知っておくべきです。それは芸術作品を作ろうとすることです」

諏訪敦彦監督に招聘されペドロ・コスタが東京造形大学で行った3回の特別講義と、映画美学校で催された最初期の講義を収録。映画作りの<姿勢>、ショットの捉え方、フィクションとドキュメンタリーの区別を超えて考察される撮影法。21世紀の映画を問い直すための、実践的な映画論。

「すべての偉大な映画は“さようなら”という言葉を身につけるためにあるのです」

[目次]
序 諏訪敦彦
講義I
講義II
講義III
講義IV
監督プロフィール&フィルモグラフィ
編者あとがき 土田環

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ブレッソン的映画美学に近い。
    「意図を持って映画を作ってはいけない」
    ●「太陽の光は、私の想像力とは関係なくそこにあります。太陽の光が木に降り注いでいる。そこを犬が通る。それだけですでにそこに世界が存在しているのだと思います。そしてその世界はじっさいに起きた現実だけではなく、想像されたものから成り立つものでもあるように思うのです。他者だけが知っているものなのかもしれない。だからこそ、私は他人が想像していることに興味があるのです。そう考えるようになってから、映画のなかでは私自身の想像力を排していくようになりました」
    ●「映画の仕事とは、イメージや音によって何かを「建設」することです。」
    ●「映画を作る際にしてはならない行為があります。自分たちができることよりもむしろ、してはならないことを考える必要があるのではないでしょうか。まず、芸術的な作品を作ろうという考えを持ってはならない。より重要的なのは、きちんと何かを理解するまでは、撮ってはいけないということです。」

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

映画監督。
1959年、ポルトガルのリスボン生まれ。1989年、長編劇映画第一作『血』を発表。以後、『溶岩の家』(1994)、『骨』(1997)でポルトガルを代表する監督のひとりとして世界的に注目される。その後、リスボンのスラム街フォンタイーニャス地区で、ヴァンダ・ドゥアルテとその家族を撮影し、『ヴァンダの部屋』(2000)を発表、日本で初めて劇場公開され、特集上映も行われた。『映画作家ストローブ=ユイレ あなたの微笑みはどこに隠れたの?』(2001)の後、『コロッサル・ユース』(2006)では、『ヴァンダの部屋』に続いてフォンタイーニャス地区にいた人びとを撮影した。2009年にはフランス人女優ジャンヌ・バリバールの音楽活動を記録した『何も変えてはならない』を発表。また、マノエル・ド・オリヴェイラらとともに参加したオムニバス作品『ポルトガル、ここに誕生す ギマランイス歴史地区』(2012)の一編『スウィート・エクソシスト』を監督している。最新作『ホース・マネー』(2014)は、山形国際ドキュメンタリー映画祭2015で大賞、2014年ロカルノ国際映画祭で最優秀監督賞を受賞した。

「2018年 『歩く、見る、待つ ペドロ・コスタ映画論講義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ペドロ・コスタの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×