- Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
- / ISBN・EAN: 9784908435003
作品紹介・あらすじ
ペドロ・コスタ監督が語る、いまある映画を乗り越えるための言葉。
「映画を作るとき、してはならないことを知っておくべきです。それは芸術作品を作ろうとすることです」
諏訪敦彦監督に招聘されペドロ・コスタが東京造形大学で行った3回の特別講義と、映画美学校で催された最初期の講義を収録。映画作りの<姿勢>、ショットの捉え方、フィクションとドキュメンタリーの区別を超えて考察される撮影法。21世紀の映画を問い直すための、実践的な映画論。
「すべての偉大な映画は“さようなら”という言葉を身につけるためにあるのです」
[目次]
序 諏訪敦彦
講義I
講義II
講義III
講義IV
監督プロフィール&フィルモグラフィ
編者あとがき 土田環
感想・レビュー・書評
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ブレッソン的映画美学に近い。
「意図を持って映画を作ってはいけない」
●「太陽の光は、私の想像力とは関係なくそこにあります。太陽の光が木に降り注いでいる。そこを犬が通る。それだけですでにそこに世界が存在しているのだと思います。そしてその世界はじっさいに起きた現実だけではなく、想像されたものから成り立つものでもあるように思うのです。他者だけが知っているものなのかもしれない。だからこそ、私は他人が想像していることに興味があるのです。そう考えるようになってから、映画のなかでは私自身の想像力を排していくようになりました」
●「映画の仕事とは、イメージや音によって何かを「建設」することです。」
●「映画を作る際にしてはならない行為があります。自分たちができることよりもむしろ、してはならないことを考える必要があるのではないでしょうか。まず、芸術的な作品を作ろうという考えを持ってはならない。より重要的なのは、きちんと何かを理解するまでは、撮ってはいけないということです。」