国語教育を救え

著者 :
  • さくら社
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本棚登録 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (146ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784908983245

作品紹介・あらすじ

教育学界最長老の一人にして、衰えることなく吠え続ける宇佐美寛先生が、今作では国語教育に絞り、その現状を斬りました。
読書百遍義自ら見る――「読み書きの能力は、読み書きをすることによって育つ。」として、
①とにかく読む。それも、古典を読み、模範とする。
②体を使って(手書きで)書く。
それなくして読み書きの能力が伸びることはないと言い切ります。
さらに、「発問は教師の論理で作られている。学習者の読み手としての独立した世界の可能性は無視されている。ところが、読み手は独自の想定・関心で原文を読む。独自の世界を作る。ある特定の小さい部分に特に注目する。好きになる。」(p.121)と、発問による授業を「誤った有害な方法」と断じました。
ちなみに「私自身は、毎回、文章を書きはじめる前に、鷗外の「阿部一族」を五分間程度読む。これで思考の調子が安定する。」(p.118)

感想・レビュー・書評

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  • 読解批判、作文教育の本である。また、国語教育においえICTを用いることへの批判である。ICT教育推進という考えを持っている人におすすめ1冊である。

  • 「読み書きを教える当然の方法は読み書きである。発問ではない。多量に、くり返し、しかも入念、厳密に読み書きさせる。これしか無いではないか。」
    国語教育を憂う書です。
    いかに考えないで文章を書いているか、自戒しなければなりません。
    月1回の宇佐美塾、いいなぁ。

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著者プロフィール

1934年神奈川県横須賀市生まれ。東京教育大学教育学部卒業、同大学大学院教育学研究科博士課程修了、教育学博士。東京教育大学助手、千葉大学講師、同助教授、教授(1993-97年教育学部長、1998-2000年東京学芸大学教授併任)。1961~62年米国、州立ミネソタ大学大学院留学(教育史・教育哲学専攻)。現在千葉大学名誉教授。九州大学、山梨大学、岩手大学、山形大学、秋田大学、茨城大学、上智大学、立教大学、早稲田大学等の非常勤講師(客員教授)を務めた。
著書に『私の作文教育』『教師の文章』『国語教育を救え』(以上、さくら社)、『宇佐美寛・問題意識集(1~15)』(以上、明治図書)、『論理的思考』(メヂカルフレンド社)、『大学の授業』(東信堂)等多数。

「2019年 『教育と授業 宇佐美寛・野口芳宏往復討論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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