- Amazon.co.jp ・本 (182ページ)
- / ISBN・EAN: 9784909004819
感想・レビュー・書評
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昨年に日記本を発表して時の人になった古賀及子さんの初エッセイ集。おもしろ〜い、もったいな〜い、と言いながら数日かけてちょびちょび読み終わった。最後の方で、本に挟まれていたポストカードにもエッセイを見つけて、得した気分。2冊目の日記本も手元にあるから、まだ楽しめます。
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息子さんの「変だと思った俺やお母さんの目が未熟だったのかもしれない」という言葉が好き。入院とクーポンのお話が印象的でした。
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書籍化されたウェブ日記が高評価なので気になった作家さん。二匹目のどじょう狙いの日記文学続編が数日前に発刊されたが、初エッセイの本作も読んでみたい
#気づいたこと、気づかないままのこと
#古賀及子
24/2/5出版
#読書好きな人と繋がりたい
#読書
#本好き
#読みたい本
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最後の「次のおとなへ押し上がる」について。
20代中盤まではカラフルに色が変わるが、そこから先は「おとな」一色なのではないかと、単色具合を実感しているのが20代後半〜30代初めくらい?
30代後半からその感覚に静かな揺らぎを感じ始めるらしい。生協に3回入会したことで、3回転生したことになるというところで、ふと一色ではないことに気づいたというのが面白い。過去の記憶のなかに「おとなの自分」が出てくる感覚は徐々に感じてきていて、それを言語化するとこうなるのかと改めて気づけた感じ。
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「かつては子どもの上におとなとしての人生を塗り重ねていたわけだが、おとなは、おとなの上におとなの人生を塗りつぶす。過去の記憶のなかに「おとなの自分」が登場しはじめた」(p.175)
「35年前の小学生のころがあって、あとの再訪がもう15年前のことだ。その両方をいまの私は過去の記憶として持っている。
懐かしさはもちろん、歴史が二重にのったそのこと自体にふるえるような生存の実感がある。記憶に周回が発生することで、おとなの生がもう単色のようには思えない。
記憶と記憶の重なりあいがロケット鉛筆みたいに機能して、なにか自分が次のおとなへ押し上がるようだ。階層的なグラデーションがあって、具体的ではないにしろ、子どものころの進級のような状態が起きているようにも思える。
つながる記憶の積み重ねはむしろこれから先が本番だろう。高齢にあたる年齢までいきれば、中年のころの私が記憶としてあらわれる。それで最近、私はまだまだこれからどんどん大きくなるような気持ちがしているのだ。
3回目の生協は便利に使い続けている」(pp.177-178)
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ありふれた日常の中にある、光っているものを見つけられる人は幸せだと思う。古賀さんもその一人だな〜、と前からnoteの日記を見てぼんやり思っていたが、このエッセイを読んで、確信に変わった。意図的になのか、生まれつきなのかわからないけれど、出来事や思ったことを淡々と書いているのに、面白い。自分もちょくちょく日記を書くようになった。古賀さんの書き方、ものの見方を見習いたい。
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解説が的を得ている。古賀さんは物事を横から見る力がすごくて、感情より先に、事実を事実として受け止めてその後ポジティブに消化する姿勢が素晴らしい。ヘルシー。こうありたい。
カレー屋さんのテイクアウトで失効間際のポイントが使えなかったらどうしようとハラハラする時の感情を「恋」と例えていたのが可愛くてきゅんとする。 -
【選書No】149
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生協のはなしが好きだった