気づいたこと、気づかないままのこと

著者 :
  • シカク出版
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本棚登録 : 418
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (182ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784909004819

感想・レビュー・書評

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  • 昨年に日記本を発表して時の人になった古賀及子さんの初エッセイ集。おもしろ〜い、もったいな〜い、と言いながら数日かけてちょびちょび読み終わった。最後の方で、本に挟まれていたポストカードにもエッセイを見つけて、得した気分。2冊目の日記本も手元にあるから、まだ楽しめます。

  • 目標は「続けること」 デイリーポータルZが貫く「好き」の法則 | withnews(2020/08/12)
    https://withnews.jp/article/f0200812000qq000000000000000W0es10105qq000021503A

    ライタープロフィール :: 古賀及子 の記事いちらん :: 古賀及子 の記事いちらん :: デイリーポータルZ
    https://dailyportalz.jp/writer/kijilist/200

    古賀及子(こがちかこ)|note
    https://note.com/eatmorecakes/

    シカク/シカク出版総合ページ|刊行物一覧
    http://uguilab.com/shikaku/pub_ichiran.html

    気づいたこと、気づかないままのこと 古賀及子(著/文) - シカク出版 | 版元ドットコム
    https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784909004819

  • 息子さんの「変だと思った俺やお母さんの目が未熟だったのかもしれない」という言葉が好き。入院とクーポンのお話が印象的でした。

  • 書籍化されたウェブ日記が高評価なので気になった作家さん。二匹目のどじょう狙いの日記文学続編が数日前に発刊されたが、初エッセイの本作も読んでみたい

    #気づいたこと、気づかないままのこと
    #古賀及子
    24/2/5出版

    #読書好きな人と繋がりたい
    #読書
    #本好き
    #読みたい本

    https://amzn.to/4bntot0

  • 早く読みたい

    個人的オススメ
    「うしろまえのひと」
    https://dailyportalz.jp/kiji/180428202729

    ────────────────────
    https://www.webdoku.jp/newshz/takato/2024/02/12/105950.html
    心弾む普通の毎日〜古賀及子『気づいたこと、気づかないままのこと』
    シカク出版
    1,760円(税込)

    「本の雑誌2023年度上半期エンターテインメントベスト10」の2位に選ばれた『ちょっと踊ったりすぐにかけだす』(素粒社)の著者・古賀及子氏のエッセイだ。帯は、小説家の長嶋有氏である。前作の帯は、岸本佐知子氏だった。絶対に私がいいと思う何かを持つ著者のはずだ。読まないわけにはいかない。

     最初に登場するのは、「なじみの間違い電話」についてのエピソードである。見知らぬ番号から電話があり、出てみると「佐藤さんですか、朝霧装飾の山下ですが」と相手は言う。違うというと、詫びる言葉があり電話が切れるが、しばらく後に同じ人物からまた電話があるのだ。

     間違い電話がなじみ? いやいや、ありえないでしょう。私なら、2回目がかかってきた時点で黙って着信拒否である。もしくは、「この前もまちがってかけてきましたよね。もうかけないでください」みたいなことを、怒り気味に言って終了とするだろう。しかし著者は、全く違う発想でこの電話に立ち向かう。着信した番号を「朝霧装飾 山下」で登録するのである。しつこく間違い電話をかけてくる会社の公式サイトを見て、親近感を持ったりもするのである。その後の展開と、著者の朝霧装飾に対する勝手な(?)想像に、ニヤニヤが止まらなくなってしまった。

     神奈川県の団地や埼玉県のニュータウンで暮らした子どもの頃の出来事、過去の恋愛、祖母と二人で暮らした日々、子どもたちとの毎日......。苦い記憶も温かい思い出もあるけれど、ものすごく特別な出来事は何も書かれていない。普通の日常に向ける視線の角度がユニークで、ハッとさせられたり、笑いが止まらなくなったり、嬉しくなったりする。好きというより、著者の書く文章に対して、一方的な友情(?)を持つという方が近いかもしれない。中学生の時に、時々面白い発言をする同級生が隣のクラスにいて、友達になりたいなあと思ったことがあったけれど、そんな感じだ。

     普通の毎日にも、愉快なこと、感心すること、大切にしたいことが、本当はたくさんあるのだと思う。それはわかっているのに、私の視線は時々、虚しさとか怒りとか疲れとか、そういうことばかりに向いてしまう。そういう時には、古賀及子氏のエッセイを読めばいいのだ。そんなふうに思えるエッセイストとの出合いに、心が弾んでいる。

    (高頭佐和子)

  • 最後の「次のおとなへ押し上がる」について。
    20代中盤まではカラフルに色が変わるが、そこから先は「おとな」一色なのではないかと、単色具合を実感しているのが20代後半〜30代初めくらい?
    30代後半からその感覚に静かな揺らぎを感じ始めるらしい。生協に3回入会したことで、3回転生したことになるというところで、ふと一色ではないことに気づいたというのが面白い。過去の記憶のなかに「おとなの自分」が出てくる感覚は徐々に感じてきていて、それを言語化するとこうなるのかと改めて気づけた感じ。
    ====
    「かつては子どもの上におとなとしての人生を塗り重ねていたわけだが、おとなは、おとなの上におとなの人生を塗りつぶす。過去の記憶のなかに「おとなの自分」が登場しはじめた」(p.175)
    「35年前の小学生のころがあって、あとの再訪がもう15年前のことだ。その両方をいまの私は過去の記憶として持っている。
    懐かしさはもちろん、歴史が二重にのったそのこと自体にふるえるような生存の実感がある。記憶に周回が発生することで、おとなの生がもう単色のようには思えない。
    記憶と記憶の重なりあいがロケット鉛筆みたいに機能して、なにか自分が次のおとなへ押し上がるようだ。階層的なグラデーションがあって、具体的ではないにしろ、子どものころの進級のような状態が起きているようにも思える。
    つながる記憶の積み重ねはむしろこれから先が本番だろう。高齢にあたる年齢までいきれば、中年のころの私が記憶としてあらわれる。それで最近、私はまだまだこれからどんどん大きくなるような気持ちがしているのだ。
    3回目の生協は便利に使い続けている」(pp.177-178)

  • ありふれた日常の中にある、光っているものを見つけられる人は幸せだと思う。古賀さんもその一人だな〜、と前からnoteの日記を見てぼんやり思っていたが、このエッセイを読んで、確信に変わった。意図的になのか、生まれつきなのかわからないけれど、出来事や思ったことを淡々と書いているのに、面白い。自分もちょくちょく日記を書くようになった。古賀さんの書き方、ものの見方を見習いたい。

  • 解説が的を得ている。古賀さんは物事を横から見る力がすごくて、感情より先に、事実を事実として受け止めてその後ポジティブに消化する姿勢が素晴らしい。ヘルシー。こうありたい。

    カレー屋さんのテイクアウトで失効間際のポイントが使えなかったらどうしようとハラハラする時の感情を「恋」と例えていたのが可愛くてきゅんとする。

  • 【選書No】149

  • 生協のはなしが好きだった

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著者プロフィール

ライター、エッセイスト。1979年東京都生まれ。2003年よりウェブメディア「デイリーポータルZ」に参加。2018年よりはてなブログ、noteで日記の公開をはじめる。著書に日記エッセイ『ちょっと踊ったりすぐにかけだす』(素粒社)。

「2024年 『おくれ毛で風を切れ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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