- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784909237750
作品紹介・あらすじ
【沖縄の基地と貧困問題の本質はここにある】
沖縄の「本土復帰」から50年。いまだに基地問題は解決せず、貧困問題も深刻であると言われる。
基地問題や貧困問題は、沖縄の地理的・社会的な要素が原因であると説明されてしまうことが多い。
「沖縄の貧困の原因は自尊心の低さだ」
「地縁血縁社会の同調圧力が沖縄の貧困の本質だ」
「基地問題ばかりに取り組んでいて貧困を放置している」
「基地が置かれるのは安全保障のためには仕方ない」
しかし、本当にそうだろうか?
本書では、「復帰」後も変わらぬ「本土優先/沖縄劣後」が生み出す「自由の不平等」に着目する。それが、基地の押し付けや貧困の集中を沖縄に強いているということである。
そして沖縄社会を特殊なものとして描き、基地や貧困の問題の原因をそこに還元する議論が問題を解決することを阻害していると本書は批判する。「本土」の貧困研究者と、沖縄の法律家の2人が沖縄の基地と貧困を正面から問い直し、「自由の平等」に焦点を当てた一体的解決を求める提案の書。
感想・レビュー・書評
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学問的な引用がかなりあったが、かなり理屈っぽい気もする。
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【基地集中と貧困問題は同根】
近年、嫌沖本がどぎつさを増すのに加えて、沖縄の貧困を沖縄の人々の本性に由来すると説く本(下記、樋口の本)が耳目を集めている。筆者たちはこうした傾向に危機意識をもち、沖縄の貧困問題は基地集中と同じ原因、つまり「本土」による沖縄の構造的差別によることを解き明かす。米軍統治下におかれた沖縄では本土におけるようなインフラ整備や社会福祉は十分になされないまま、復帰後も海洋博を梃子として本土大手企業中心の市場構造に組み込まれてしまったのである。
そして、この構造的差別は戦後から始まったわけでなく、薩摩藩による琉球侵攻以来の歴史的な重層過程を経ているのだ。
著者の一人、安里は、辺野古新基地建設の必要性と妥当性を地方議会に問う「新しい提案」の代表者である。安里は本書で、「本土優先・沖縄劣後」という構造的差別は日本国憲法第14条が保障する平等権の侵害である、と議論を深めている。(本土に沖縄の米軍基地を引き取る福岡の会/門倉) -
東2法経図・6F開架:302.1A/A88n//K
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https://note.com/horipub/n/n06772eb0de64