- Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
- / ISBN・EAN: 9784909447227
感想・レビュー・書評
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日本人として知るべき歴史であり教養だと思います。GHQ占領下の日本をリアルに知ることができました。
皆が読むべき一冊(^-^)v詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
政治については全く疎い自分だが、十分に引き込まれる回想録。
よくよく思うと敗戦国がその後主権を失うのが古今東西常であるが、第二次世界大戦後の日本がそうならなかったのが垣間見える。ひとえにマッカーサーが日本のことを理解し、尊重をしていたことに依るところが大きい。当時のソ連が北海道進駐を求め、マッカーサーがそれを拒否したとの記述はただ驚く。
軍部に与するわけでなく外交官として二十世紀前半を過ごすなかで磨かれた俯瞰力と対外折衝術が戦後の復興の中で活きる。「政権主義」を唾棄すべきものとしてこきおろし、「信条」や「信念」の強い政治家の必要性を求める。(もっとも政治家に限った話ではないだろうが)
年を締めくくるのにふさわしい良書。 -
70年以上前に吉田さんが感じていた中ロへの印象と、現在、ウクライナ侵攻や香港台湾問題を経て、両国に対する自分の印象に大きな差異が無いよう感じた。また、世界での日本の立ち位置に対する指摘も、今僕が考えている事と同じ。
人間は、そしてそれが構成する国は、変化するのに時間がかかるようだ。
政治家は超長期的視点で考えるべきで、今の政治家さんたちも目先の人気取りに汲々せず長期的視野で国のために取り組んで欲しいと思う一方、そうさせているのは僕ら有権者であるという事を確認して、変化に向け、自分ができる事に取り組んでゆこう。 -
吉田茂の本が読みたいなと思っていたところ新聞に広告が出ていたので購入。終戦後どのような環境下でどう意思決定がされて来たか、一番の当事者の考えが垣間見れて良かった。GHQやマッカーサーとコミュニケーションが取れた元外交官の首相は時代にも合っていたんだなと思った。特に新憲法制定の下りの物語が面白かった。じっくり制定していこうと思っていたし、明治憲法を少し修正する程度で直そうとしていたところアメリカからの要請で駆け足で制定し、アメリカの案を大いに採用するなど、結局自分達だけではドラスティックに変えれないよなと改めて認識。またじっくりと素早くも、もちろん極東委員会対策ではあるが、今の日本もそう言う闘い方では海外のプレイヤーに勝てないビジネスの状況と似ているなと思ったり。憲法制定時の色々な議論やそこを気にしていたんだ、とかアメリカが少し運用してダメなら改正すれば良いではないかなど、現代に通じるところもあり興味深かった。もう少しこの辺は掘り下げても良いなと思った。今後の読書で。