緑の牢獄 沖縄西表炭坑に眠る台湾の記憶

制作 : 片岡力 
  • 五月書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784909542328

作品紹介・あらすじ

歴史の狭間に埋もれていた衝撃の史実。
かつて 10 歳で台湾から炭鉱のある沖縄・西表島へ渡り、以後 80 年以上島に住み続けた一人の老女。彼女の人生の最期を追いかけて浮かび上がる、家族の記憶と忘れ去られた炭鉱の知られざる歴史。
現代日本人が最も注目する二つの場。それは台湾と沖縄。日本人が思い出さなければいけない歴史の原点がここにある。

感想・レビュー・書評

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  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/759462

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  • かつて西表島には炭鉱があり、そこでは沖縄の人だけでなく、内地人、朝鮮人、台湾人が暮らし働いていいたという。
     ひょうんなことから西表島の炭鉱のことをしったドキュメンタリー映像作家の著者は、当時のことをよくしる一人のおばあを対象になんども取材し、映画を作り上げた。この本は書名と同じタイトルの映画を制作する上でできた副次品のような位置付けである。
     本からは当時の牢獄のような炭鉱の様子が窺えるが、この本は映画制作を通じて、著者が悩んだ点やはたしてどっキュメンタリー映画とはどうあるべきか悩んだことが赤裸々に書いてある。
     映画をつくらなくても、歴史的事実はあり、その事実は忘却の彼方へと失われる。その忘却に抗うすべとして、映画をとり、また映画をみることで、過去の出来事を現在に生きる我々が、また未来に生きる人々が追体験できるように映像を残す。
     そしてただホームビデオのように映像を資料として残すのでななく、映画監督という軸に、一人の女性の視点という軸に落とし込んでいく。それは決して完璧な射影とはならなくても、みた人には伝わるはずだという思いがある。
     映画もみてみたくなりました。

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著者プロフィール

1988年生まれ。台湾・台東市出身。沖縄在住。台湾・政治大学テレビ放送学科卒業、東京造形大学大学院映画専攻修了。大学時代からドキュメンタリーの自主制作を開始。短編作品:台湾の出稼ぎタイ人労働者を取材した『五谷王北街から台北へ』(2010)、セルフドキュメンタリー『夜の温度』(2013)、なら国際映画祭とジュネーブ芸術大学のコラボ企画「Grand Voyage」の1つとして『杣人』(2014)を発表。 2013年より植民地時代の台湾から八重山諸島に移住した“越境者"たちとその現在を横断的に描く「狂山之海」シリーズを企画。第一作『海の彼方』(2016)は日本と台湾で一般公開し、大阪アジアン映画祭、台北映画祭ほか、新藤兼人賞「プロデューサー賞」受賞。第二作『緑の牢獄』(2021)は企画段階から注目され、ベルリン国際映画祭、スイス・ニヨン国際ドキュメンタリー映画祭などに入選し、日本、台湾とフランスでの一般公開を控える。またプロデューサー活動により、チェコ・イフラヴァ国際ドキュメンタリー映画祭「新鋭プロデューサー2020」に台湾代表として選出。現在、沖縄と台湾を拠点に国際共同製作にも進出、「石垣島ゆがふ国際映画祭」ではプログラムディレクターも務めている。

「2021年 『緑の牢獄 沖縄西表炭坑に眠る台湾の記憶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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