揺れて歩く ある夫婦の一六六日

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  • エディション・エフ
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784909819086

作品紹介・あらすじ

末期がんを宣告された父は、何もせずに死を待つという道を選んだ。もう、充分生きたと言って。著者は、父親に残された時間をつぶさに記録しようと決意する。市井の片隅で生きる無名の人間のひとりとしての父の最期を見届け、その父を最後まで支えた母の生きざまをも記録することで、生きる意味とは何かを自問する。両親の生活を接写し、言葉を書きとめてまとめた、ごくプライベートな写真文集でありながら、結果的に、「死をめぐる人々のありのままの姿」を普遍的に描いた一冊となった。

感想・レビュー・書評

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  • 緩やかに死に向かう夫と、ともに生きる妻の姿が、その息子さんの目を通して描かれています。

    老夫婦の静かで穏やかな日常と、次第に近づいてくる死の存在。

    老年期を過ごすということ。
    夫婦のどちらかが先に逝くということ。

    死が、日常の中に静かに溶け込んできて、それは分断ではなく、生の延長線上にあるものとしてそこに存在していくこと、日常から意識がどんどん拡大して、そしてある一点に還ってゆくこと。

    そのことが、肌感覚で伝わってくるような言葉で描かれています。
    心の柔らかな部分にふれてくる描写、それが苦しみではなく、あたたかさとして、私の心には残りました。

    世の中がギスギスしているように感じる今だからこそ、多くの方に手にとっていただきたい内容でした。

  • 揺れて歩く プロジェクト | 清水哲男 新著 揺れて歩く クラウドファンディング特設サイト
    https://interearth.jp/


    édition F | 4月の新刊:写真集『揺れて歩く ある夫婦の一六六日』
    https://editionf.jp/news/1094/

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著者プロフィール

1954年京都市生まれ。同志社大学文学部哲学及び倫理学科専攻卒業。
卒業後、国内はもとより世界各地を放浪。1980年頃より執筆活動をはじめる。
常に野に在り、市井の人々の暮らし、労働の現場に入って日常をともにすることで得た実体験を頼りに思考し、書き続けている。2000年頃より表現の手法として写真撮影をはじめる。2014年より鹿児島、大阪、京都で写真展を開催する。1997年より鹿児島市在住。

『少年ジェットたちの路地』(1994年、風媒社)、『種子島へ』(2000年、再海社)、『死亡退院』(2004年、南日本新聞社)、『月がとっても青いから』(2012年、中央アート出版)など著書多数。

「2020年 『揺れて歩く ある夫婦の一六六日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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