悪魔の辞典 (YUEISHA DICTIONARY)

著者 : 中村徹

制作 : アンブローズ ビアス 

• 遊泳舎 (2018年12月4日発売)

作品紹介・あらすじ

「人間とは何か?」を問う、日本一エグい辞典が登場!
アンブローズ・ビアスの『悪魔の辞典』を原案に、500単語を悪魔的視点で書き下ろし。
さらに150点を超えるユーモアたっぷりのイラストも収録しました。
文字とイラストの両面から人間の本質を問う、問題作です。

感想・レビュー・書評

[なおなおさんの感想 · 2023年5月8日]

装丁がおしゃれ。子どもの学校の図書室に飾られ一目惚れ。司書の先生推しの本。
タイトル「悪魔の辞典」からして、私も魔界へ誘われ、いよいよ魔女の道へ……๛ก(ｰ̀ωｰ́ก)……と思いきや、魔界の本ではなくブラックユーモアたっぷりの辞典であった。くすりと笑える。シンプルなタッチの絵も楽しい。
著者が「一つひとつの言葉について考える機会になれば幸い」と言うように、はっと気付かされる内容があったのも良かった。野澤幸司著「妄想国語辞典 」を思い出す。

面白かったのをちょっとだけ紹介
・悪役：物語において魅力的に見える側の役柄
・おしくらまんじゅう：将来の電車通勤に備えたリハーサル(…そうだったのか！)
・学校：生まれつき持っている無限の考える力と引き換えに、少しばかりの知識を授けてくれる矯正施設(…本来の能力は矯正されてしまったのかもしれない)
・喫煙者：寿命を削って税金を払う愛国者
・サプライズ：他人に感動を強制する不意打ち行為(…言えてる)
・天真爛漫な：無作法な(…笑)
・ぬいぐるみ：主に熊などの動物の形をしたダニの巣(…やめて〜〜(>_<))
・平和：人類が作った人類に最も似つかわしくない言葉(…今日の戦争を思う)
・マネキン：その服の購入者よりも美しく着こなす事のできる無表情なモデル(…敵わぬ相手よ)
まだまだあるけれど、ここまで。

[あゆみりんさん · 2023/05/09]

そうそうっ、オペラ座の怪人っ！！
死ぬまでに観たいです、あの音楽が流れてファントムとシャンデリアも(っ ॑꒳ ॑c)
私、パイプオルガン好きです。
そういうミュージカルが観たいんですよ！！

娘はいきなり、「ここはサバンナだよっ!!みんなで好きな野生動物になってみようっ!!」などと言われ、びびったんでしょうね。
そんなつもりで参加したんじゃないのに…って、泣きながら帰宅したお友達もいました。
恥ずかしさがトラウマとなってしまう、学校にとっても伝説の黒歴史となりました。

[なおなおさん · 2023/05/09]

あゆみりんさん、オペラ座の怪人は不自然な歌い出しや踊り出しはないのでご安心を。
娘さんたち、トラウマ体験によってミュージカルが苦手なものになったとしたら悲しいな。
「ここはサバンナよ〜」ってキツイですw
泣いてしまった子もいたとは！(;_;)
猫になってみて〜(CATS)も無理。かと言って、人間役でも無理〜。
そういえば息子の幼稚園時代に、ライオンバスごっこイベントに付き合わされ、親はライオン役をやらされました。
四つん這いになりひたすら「ガオー」とかやるんです。キツイし、子どもたちも引いていたような…^^;
サプライズの話から、なぜかミュージカル話まで…楽しかったです。ありがとです(^^)

[あゆみりんさん · 2023/05/09]

ライオンバスごっこイベントっ笑
次々と出ますね、珍イベントがっ笑
楽しいお話できてリフレッシュしました、ありがとうございました♫
またコメントさせてください((*´꒳｀*))♡

[Kazuさんの感想 · 2022年11月25日]

言葉の意味は、他者と共通していることが大切。
だが、違う角度から言葉を見てみると、世界の見え方が変わる。
世界の見え方が変われば、自分の生き方も変わる。

この本は、語数をしぼってあり、イラストも沢山あるので読みやすい。
事典なので"あ行"から順に全部で500語ほど載っている。
そのうち20語ほどを紹介する。(少し要約してます)

赤字 … 他の誰かが儲けたため、自分が損した分
安堵 … 寝坊した朝に電車が遅延することで生まれる心の状態
遺伝子 … 生まれつき与えられている言い訳の材料

仮説 … 「だったらいいな」という願望に基づく架空の理論
記憶 … 政治家になると失うことができるもの
グレーゾーン … 金か権力を持ち合わせていれば白、そうでない場合は黒という曖昧な領域

桜 … 酒好きが飲酒の理由にする花
自伝 … 成功者の自慢話
世界地図 … 美しい惑星である地球に国境なる醜悪な線を引いた図面

相談 … 的確な助言をすれば批判したと腹を立てられ、的外れだと無能扱いされる厄介な罠
哲学者 … 悩みごとを職業にした人々
ぬいぐるみ … 主に熊などの動物の形をしたダニの巣

早起き … 無事に目覚めたことを喜ぶための年寄りの特性
武勇伝 … ヤンキーが語る虚実混ざった抗争話
本気を出す … 落伍者の言い訳の常套句

無関心 … 最強の対人兵器
勇気 … 大抵の人が踏み出すことのできない一歩目のこと
老後 … 自分に訪れることは確約されていないが不安に思う自身の将来

[ミさんの感想 · 2022年1月26日]

皮肉とブラックユーモアたっぷりで、純粋にめちゃくちゃ面白かった。良い具合に毒々しくて私みたいなひねくれた人間にはピッタリでした特に月と喫煙ルームが秀逸

[カズさんの感想 · 2021年9月18日]

タイトルから｢悪魔の図鑑みたいな本｣と連想。

でも、実際は｢言葉の悪魔的解釈本｣でした(笑)

ネタバレになりますが、いくつかクスリときたものを

汗…一説には、労働における報酬の対象とされているが、なぜか私は、汗っかきの金持ちを見たことがない。
記憶…強く頭を打つ、過度にアルコールを摂取する、政治家になるのいずれかで失うことができるもの。
猫…同じく愛玩動物である犬がいち早く人類に取り入り、庭に食事付きの小屋を手に入れたのを横目で見ながら、簡単には人間には媚びない態度を取り続けた結果、現代においてはそのツンデレ振りが評価され、春の縁側はもちろん、冬のこたつまで手に入れた賢者。

[chokokupoさんの感想 · 2021年7月9日]

言葉の見え方を変えれば、世界が変わる。
面白い、皮肉やブラックジョークのような辞典

[つかさんの感想 · 2023年4月22日]

全てにおいてオシャレ
しかし、内容は笑えてくる辞典
ふとした時にこれをテキトーなページ開けて読むと面白い

[こがし醤油さんの感想 · 2020年11月26日]

言葉の見方を変える本、としか言いようがない。
クサクサした気持ちでニヤリとしたい時におすすめ。

[綾さんの感想 · 2020年11月22日]

いい感じに風刺が効いていて大好き。
イラストも可愛い。

[平成も遠くさんの感想 · 2020年7月22日]

捻くれていて面白い。中学の友人と馬鹿笑いをしながら読んだ。

[ぺこぺこさんの感想 · 2019年11月18日]

「そういう見方もあるのか」と自分には無い視点の言葉の捉え方が面白い。なるほど！と納得するものもあれば、うーん…と感じる意訳もあり、自分の価値観・固定観念を再認識しながらもユーモアある表現を学べる。

著者プロフィール

編集者・ライター。高知県出身。大学でコミュニケーション学を専攻。『悪魔の辞典』『ロマンスの辞典』『1000年以上つづく例大祭 くらやみ祭ってナンだ？』『言の葉連想辞典』など数々の編集・執筆を担当。言葉やビジュアルを通して、人生を考えるきっかけになる本を探求する。

「2018年 『悪魔の辞典』 で使われていた紹介文から引用しています。」