やさしい魔女の救いかた (LINE文庫) (LINE文庫 い 2-1-1)
- LINE(株) (2019年11月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
- / ISBN・EAN: 9784910040059
感想・レビュー・書評
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魔法が当たり前に存在する現代世界。
ごく少数だけ存在する魔女は、人々の相談役として現代に生き残っていた。
法律マニアの男子高校生・四方司は、魔法を悪用した疑いで魔女裁判にかけられそうになった見習い魔女に、”魔女の弁護人”になってほしいと助けを求められる。
いつも六法全書を抱えている法律マニアの男子高校生が、魔法を悪用したと疑われる魔女の女の子・ティナを魔女裁判で救う話です。魔女裁判にかけられた魔女は、今も昔も100%有罪になる。有罪になった魔女は、魔法を封じられてしまいます。
魔法は人間が起こす事件で例えるなら凶器。ですが、実際の凶器と違い、魔法は後から使ったという証拠が残らず、ティナは数えきれないほどの魔法を使える魔女の中でも稀有な才能を持っている。
いわば悪魔の証明をしなくてはならない状況の中、四方はどう彼女の無罪を証明するのか。
何でもありな魔法という設定を、現代にうまく溶け込ませていて面白いです。
皆が誰かの幸せを願う、優しい話。
ライトノベルっぽくはあるんですが、ファンタジーなミステリーが好きな方とか、ゲーム『レイトン教授VS逆転裁判』が好きな方なんかにもお勧めできるかなと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
魔法が存在する世界。わずかにいる魔女たちは、人々の悩みを魔法で解決してきた。ある日、法律マニアの高校生・司は、魔法を悪用した疑いで魔女裁判にかけられそうになった魔女見習い・ティナから助けを求められ──。
ルールは人を幸せにすると信じる少年が、魔法は人を幸せにすると信じる少女を救う物語。読み口は軽やか。サクサク読める文章が終盤に向けてどんどん熱くなるところが好き。ライトなファンタジーでありながら、100%有罪になる魔女裁判へどう立ち向かうかというリーガルミステリでもある意欲作。
「それに私は、魔法を自分が楽することに使おうと思っていません」
「魔法は人を幸せにするために使いたいから」
魔女もまた人で、生まれ持った魔法の才能をどう扱うかという葛藤と現実がある。それを言葉という魔法で助ける司が素敵だった。奇跡を起こせる力を人はみな持っている。魔法も行動もそこに意志が宿るかどうかだけ。
ルールがあるようでないにも等しい魔女裁判。かけられた時点で、どんな弁護が行なわれようとも結果は有罪になる。そんなありえない状況をいかに覆していくか。現実で発生した事件の謎を紐解きながら、司、ティナとも関係が深く、訴えを起こした夜月(よづき)をめぐる人間ドラマもまた動いていくのがすごい。ミステリ初心者の方も入りやすく、ミステリを読み慣れている方にもオススメしたい一作。 -
これはれっきとした?ラノベだ。
美少女魔女がでて、主人公はメガネをかけたオタクな高校男子。
魔法が普通に存在する、ややもすると「何でもあり」になってしまう世界を描きながら、それでも、破綻せず納得できるストーリーを組み立てている。
予想外にアタリだった。