猫のユーユー~クプリーン短編選 (群像社ライブラリー)

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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784910100135

感想・レビュー・書評

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  • 良質な児童文学の豊かさがあります。丸くて柔らかい上品な文章で、引きこまれる。短編集ですが、どのお話しも子どもの心のようにわくわくして読むことができます。動物の目線で描いてあるのがまた面白い。いい本です。

  • ユーユーシェンカ、ユーシェンカ、だいだい好きなユーユーちゃん、知ってる、私も知ってるよ。
    猫が電話が大好きで、電話の向こうに人とお話したがること。うちのヴィーカちゃんも電話が鳴ると「私もお話する!」と言って傍に寄って来てお話するのよ。
    小さな娘ニーカに向かってかつての飼い猫の事を語って聞かせる趣向。

    二つ目の短編『僕はサプサン』
    サプサンがハヤブサの事なのはモスクワ・ペテルブルク間高速列車の名前で知っていたけれど元はキルギス語なのか。雪豹バルスがカザフ語なのとセットで覚えておこう。ロシアにもハヤブサはいるんだろうけど純粋なロシア語ではなかったのか。
    和露をみるとсокол обыкновенный:сапсан
    サプサンにはちょっとエキゾチックな語感があるのだろう。クプリーンの短編の『サプサン』はやんごとなき猟犬の名前としてやはりふさわしい気がします。
    ”人間はいつだって弱い者いじめをする。人間の中で一番善良なご主人でさえ…自分より小さくて気の弱い人をいじめたりするので、僕は恥ずかしくて可哀そうになる。僕はそとご主人の手を鼻でつつくのだけど、わかってくれなくて払いのけられてしまうんだ。”

    『ピアノ弾きの少年』のモデルの実科中学生⇒才能ある作曲家ってどなた?
    ショスタコーヴィチかなと思ったら舞台となったのが1885年だと言うから計算が合わない

    シニカルなものもあるが、実話を基に下この世の奇蹟の掌編が多くてクリスマスのプレゼントとしてお誂え向きの本である!と改めて思った。今年のクリスマスには誰かにプレゼントしよう。

    クリスマスと直接関係があるものは
    『ピアノ弾きの少年』
    『奇跡の医師』
    『哀れな王子さま』
    『生きるって』

    『ロシアのクリスマス物語』に収録されているのは『車両長』という短編だけれど、上の作品のどれかの方がふさわしいような気もする。ピアニストのルビンシュテインの名がここにも出てきていたのか。

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