仕事の喜びと哀しみ (K-BOOK PASS 1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784910214153

作品紹介・あらすじ

決して安寧ではない現実に向き合いながらも、本書に描かれる人々の目線や行動はどこか軽やかだ。日々の労働、生活、誰かとの関わりを静かに、生々しく、辛辣にユーモラスに優しく描くチャン・リュジンと出会えて幸福に思う。
――小山田浩子(小説家)

表題作「仕事の喜びと哀しみ」がチャンビ新人小説賞を受賞し、ネットに公開されるとたちまち読者の共感をよび40万ビューを記録。
2020年11月には韓国KBSでドラマ化もされています。

本書にはこの表題作をはじめ、ミレニアル世代の著者が同世代の人々を主人公に描いた8篇を収録。
2020年「書店員が選ぶ今年の本」小説部門に輝いた話題の短編集を、新たな文学シリーズ「K-BOOK PASS」からお届けします。

大型新人の話題作に、作家たちから次々と賞賛の声!
――喜びと哀しみのあいだにある幾重もの名もなき感情が、世界の硬い表面にぶつかってぐらりと微妙に揺れる一瞬一瞬を、作家チャン・リュジンは素早く繊細に捉えてみせた。
チョン・イヒョン 

――チャン・リュジンが捉えた物語は まさに今、私たちの時代の物語だ。
ピョン・ヘヨン

――小説の最後のページをめくったとき、私の心の中に冷たくも甘い痕跡が刻まれたことに気づいた。そんなことをやってのける小説はめったにない。
パク・サンヨン

感想・レビュー・書評

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  • 最近読んだ日本の小説で
    こんなにも仕事に突っ込んだ
    話ってあったっけな
    見事に今の空気を
    切り取った作品たち
    結末は決してスカッと爽快
    というわけではないのに
    明るさと気持ちの良さを感じる
    「少なく働いて
     多く稼いでくださいね」
    という韓国ミレニアム世代の
    挨拶が載っていて
    これがすごく気に入った

  • 韓日文学対談「チャン・リュジン X 中江有里」
    駐大阪韓国文化院 Korean Cultural Center
    https://k-culture.jp/info_news_view.php?number=2449

    『仕事の喜びと哀しみ』(チャン・リュジン/著 牧野美加/訳 クオン) – K-BOOK振興会
    https://k-book.org/yomeru/20210113/

    仕事の喜びと哀しみ - CHEKCCORI BOOK HOUSE
    https://onl.tw/RgcxegN

  • ミレニアル世代が主人公の、仕事にまつわる短編。
    『幸せになります』、『仕事の喜びと哀しみ』、『俺の福岡ガイド』、『やや低い』、『助けの手』、『101回目の履歴書と初めての出勤』、『真夜中の訪問者たち』、『タンペレ空港』の8篇。

    ちょっとずれているおねえさん(おんに)ってきっとどこにでもいるんだろうな、と皆が誰がを想像した『幸せになります』。
    いや、この会社のスクラム導入したけど、全然スクラムにならずむしろ時間がかかる感じ、よくありすぎて。ニックネーム呼称とか、アメリカの表面だけ輸入するのやめてほしいよね、と共感ばかりの表題作『仕事の喜びと哀しみ』。
    『助けの手』、と『101回目の履歴書と初めての出勤』は自分のこと書いているのかと思った。

    同世代の感覚で、軽やに、だけどしっかりと芯があって。こういうものが読むことができて幸せ。レビューが少ないのが残念。装丁のとってもかわいい。

  • どの作品も先が読めずに、めちゃくちゃ面白かった。この本、もっと話題になってもいいのになー。タイプは違うけど、仕事にまつわる8編。みんなお仕事大変だよねー。だけど、何とか生き抜いてほしい(福岡の俺以外、、)。読んだあと、明日も少なく働いて多く稼ごうって元気が出た

  • 心がざわつく物語もあれば、あったかくなるような物語もあった
    タンペレ空港が1番好き
    やや低いは読んでて苦しくなった
    助けの手の主人公はなぜおばさんを引き留めようとしたのか理解できなかった

  • 小説の内容が生々しくて、なんだか私にも心当たりがある。
    人にはわざわざ言わないけれど、私のこころの中で静かに、でも確かに経験されるものと似ていて、胸がザワザワする。
    そして、このザワザワする感覚が好き(笑)

  • 「私にとって子どもは、まるでグランドピアノのようなものだった。これまで一度も聞いたことのない、とても高貴な音が鳴るのだ。その音を一度聞くと独特の美しさの虜になる。あまりに魅了されて、その音を知る前の自分が哀れだと錯覚するまでになるかもしれない。当然、それだけの価値はある。だが、責任感のある大人、合理的な人間ならば、それを置く十分なスペースが備わっているかをよく考えなければならない。」

    『助けの手』の子どもをグランドピアノに例えた箇所が子どもを持つことの理想と現実を言い得ていて秀逸だと思った…

    短編集だからバラバラの話を描いてるんだけど各登場人物たちが、そして自分までもがどこか緩やかに繋がっているようなそんな感覚になった。
    今はまだ学生だけど、来年社会人になってから読むとまた違った風景が見えるんだろうな。

  • 初めて韓国小説を読んだ。
    めちゃくちゃ良かった。
    著者の作品をもっと読んでみたい。
    働く女性の微妙な心情が生々しく表現されていて、共感できる。
    また韓国独特の雰囲気や思考、社会情勢なんかも新鮮で楽しめた。

    淡々としていながも感情的な独特の世界観が自分には合った。

  • 20代~30代でバリバリ仕事している人にオススメ。短編小説が8作あり、韓国の小説なのに、日本を舞台にした話かのように似ている部分が多く読みやすい。世間の常識に抗いたいし変えていきたいけどいまいち抗えず変えられずもがいている姿、『今ここ』を生きている姿は、ミレニアル世代が共感しながら読める内容だと思う。

  • フェミ系の本か…と思って手に取ったら、シンプルに現代のリアルな話でとっても面白かった!どの話もさっぱりしててサクッと読めるけど記憶に残るし、順番もぴったりで最後はじんわり泣ける。低音調理したほくほくの色鮮やかな野菜たちをいただいてるっていうイメージ。会社員やりながら創作活動やってたのが尊敬すぎる。働いてる全女性に薦めたい

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著者プロフィール

著者 チャン・リュジン
1986 年生まれ。延世大学にて社会学を専攻。
2018 年に本書の表題作「仕事の喜びと哀しみ」で創批新人小説賞を受賞し、デビュー。
本書『仕事の喜びと哀しみ』は2020年の「書店員が選ぶ今年の本」小説部門に選ばれた。
このほか、2020年に第11回若い作家賞、第7回沈薫文学大賞を受賞。

「2020年 『仕事の喜びと哀しみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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