- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784910352459
作品紹介・あらすじ
日々「大丈夫の研鑽(けんさん)」に励む花田もねは、ある晩、芦川(あしかわ)という謎の生物と出会う。その姿は「大丈夫ではない」ようで――。心癒されるハートフルストーリー!
感想・レビュー・書評
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大丈夫になるのが趣味の花田もねは、ある夜の波打ち際で、芦川という謎の生物と出会った。普段なら去るところを、海を寂しげに見つめる芦川に「いま大丈夫じゃない感じですか?」と声をかけて──。
物語は二人?がすっかり打ち解けた後から始まる。散らかり放題の部屋に来た芦川が「今、大丈夫じゃない感じ?」と声をかける問題のシーン。いや、芦川って明らかに人間じゃないし!そこ大丈夫?!でもやさしいな!というシュールさが楽しい。ある人を除いて芦川は人間に見えるらしいが──。
「大丈夫ですか?」と声をかけると「大丈夫」って返しがち。そこを「大丈夫じゃない感じですか?」と聞く逆転の発想は面白いなと。大丈夫の定義の話で「ま……明日もいけるか……と思える精神」という表現も絶妙。ぼくは不安障害でこれがないんだよね。炊き立てご飯のような毎日を過ごしたい。
「ただ大丈夫な場所で息がしたいだけ」という花田の望みは、ぼくの望みでもあるなあって感じた。シンプルなのに難しくて苦しい。大丈夫じゃない時もあるけれど、それを当たり前として考えて知ろうとしていく。大丈夫を取り戻していく大丈夫倶楽部はなんて心強い存在なのだろうか。
1巻のラストは気になる引きだし、芦川の正体も謎。地球に来た宇宙人で、オリジナルの芦川が死んでしまい、その代わりとして生きているのかな。連載自体は長く、初の紙コミックス化。ウェブでの連載や電子版コミックスが中心になってるようで、紙派のぼくも気になる。詳細をみるコメント0件をすべて表示