雲ができるまで

著者 :
  • 信陽堂
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本棚登録 : 86
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784910387031

作品紹介・あらすじ

カフェ、音楽、雑貨、アート、詩、写真、花、料理……
90年代のはじめ、湘南葉山の〈サンライト・ギャラリー〉を舞台に、
夢と憧れを手がかりにして自分らしい生きかたを模索する若者たちの姿。

舞台はアーティスト永井宏さんが湘南・葉山のはずれで1992年〜96年に運営していた〈サンライト・ギャラリー〉。海と山に囲まれた湘南で、永井さんの「誰にでも表現はできる」という言葉に背中を押されて、バブル以降の新しい価値観を求め自分らしい生きかたを模索する若者たちが集い、この場所からたくさんの才能が巣立っていった。

荻窪の書店「Title」店主の辻山良雄さんは著書『ことばの生まれる景色』(ナナロク社)で『雲ができるまで』について書いています。「永井宏の文章をはじめて読んだときの静かな衝撃は、いまでもはっきりと覚えている。(略)自分の周りにもいそうな登場人物と、特別なことは何一つ起こらないストーリー……。「とても気持ちのよい文章だ」と思う一方で、このような文章がそれまで誰からも書かれていなかったことに驚いた。」

身のまわりの小さな出来事を見つめることで、日々の暮らしがかけがえのない時間に変わる。
ささやかでも自分で表現するということは、生きている実感を人まかせにしないということで、それが自分の人生を愛する方法になる。永井さんが伝えつづけたメッセージです。

「暮らすこと」をひとつの表現ととらえ、日々の小さな出来事やささやかなこころの動きを人と共有してゆくことの大切さを提唱したアーティスト永井宏さん。クウネル、アノニマ・スタジオ、天然生活など、2000年代に次々に生まれた〈暮らし系〉メディアの担い手たちに愛され、影響を与えつづけた永井さんの初期作品、初版から25年を経て待望の復刊です!
巻末エッセイ 堀内隆志(鎌倉 カフェ・ヴィヴモン・ディモンシュ店主)

*本書はリブリポート(1997)、その後ブルース・インターアクションズ(2001)から刊行された同名書籍の新装復刻版です。

感想・レビュー・書評

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    「編集永井宏さんの『雲ができるまで』が発売になりました。
    1997年にリブロポートより発売になり、その後出版社がなくなり、2001年にブルース・インターアクションズ(現Pヴァイン)から復刊されるも絶版となっていましたが、この度、リブロポート版で編集を担当していた丹治史彦さんの出版社である信陽堂さんより3度目の刊行となりました。」
    https://www.facebook.com/standardbookstore/posts/5253302614725047

    永井 宏さんの新刊のお知らせ+その他のお知らせ | so little
    https://bit.ly/3PxlLoe

    永井宏 - 雲ができるまで[NEW] – rovakk musikk
    https://bit.ly/3uOHJuX

    『雲ができるまで』制作中 | 草日誌 | 信陽堂編集室
    https://shinyodo.net/diary/855/

  • 休みの日に最高の癒しのように感じた。何気ない日常の一場面。何も起こらないが生きていることが伝わってくる。元気をもらえる一冊。ときどき読み直してみようと思う。

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著者プロフィール

美術作家。1951年東京生まれ。1970年なかごろより写真、ビデオ、ドローイング、インスタレーションなどによる作品を発表。80年代は『BRUTUS』(マガジンハウス)などの編集に関わりながら作品を発表した。1992年、神奈川県の海辺の町に転居。92年から96年、葉山で生活に根ざしたアートを提唱する「サンライト・ギャラリー」を運営。99年には「サンライト・ラボ」を設立し雑誌『12 water stories magazine』を創刊(9号まで刊行)、2003年には「WINDCHIME BOOKS」を立ち上げ、詩集やエッセイ集を出版した。自分でも旺盛な創作をする一方で、各地でポエトリーリーディングの会やワークショップを開催、「誰にでも表現はできる」とたくさんの人を励まし続けた。ワークショップからはいくつものフリーペーパーや雑誌が生まれ、詩人、作家、写真家、フラワーアーティスト、音楽家、自らの表現として珈琲焙煎、古書店、雑貨店やカフェ、ギャラリーをはじめる人などが永井さんのもとから巣立ち、いまもさまざまな実験を続けている。
2011年4月12日に永眠、59歳だった。
2019年、『永井宏 散文集 サンライト』(夏葉社)、復刻版『マーキュリー・シティ』(ミルブックス)、2020年『愉快のしるし』、2022年『雲ができるまで』(信陽堂)が相次いで刊行され、リアルタイムでの活動を知らない新しい読者を獲得している。

「2023年 『夏みかんの午後』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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