坂本図書

  • バリューブックス・パブリッシング
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本棚登録 : 274
感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784910865065

作品紹介・あらすじ

【坂本龍一が語る、本を介した36人の人物録】

坂本龍一の傍にはいつも本があった。
「いつか古書店の店主になるのが夢だった」と語り、東京の仮住まいでも特製の本棚を設け新旧の本を蔵していくほど、無類の本好きで愛書家だった。
本書は、2018年から2022年にわたり、婦人画報に掲載していた連載『坂本図書』全36回分と、2023年3月8日に実施された、坂本龍一と旧知の仲である編集者・鈴木正文氏との対談「2023年の坂本図書」を収録しています。
本から始まり、本に気づかされ、本で確信する。
本を媒介に浮かび上がる、坂本龍一の記憶と想像の人物録です。

選書・語り 坂本龍一
文・構成 伊藤総研
撮影 Neo Sora
デザイン 日本デザインセンター
発行 一般社団法人坂本図書
発売 バリューブックス・パブリッシング

感想・レビュー・書評

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  • 坂本龍一さんの読んできた本を図書室として開放しているそうです。(1回10人一人三時間まで)


    坂本さんの読んでこられた本が載っています。

    私の知っているのは、
    夏目漱石『夢十夜』『草枕』。
    グレン・グールドが『草枕』を好きだったことを言及されています。
    全集買いした作家は太宰治と夏目漱石。
    吉本隆明の影響も強かったそうです。
    映画は小津安二郎『秋刀魚の味』。
    黒澤明『生きる』『羅生門』。
    大島渚『戦場のメリークリスマス』はボウイとのキスシーンが「映画史上最も美しい」とベルトリッチに言わしめたそうです。
    アンドレイ・タルコフスキー『ノスタルジア』。
    私も観たけどわからなかった。

    そしてまた
    九鬼周造『時間論』
    奥野健男
    中上健次
    ミヒャエル・エンデ『モモ』
    石川淳
    そしてやっぱりバッハがお好きで
    「毎日弾き、聴いても飽きることはない」というのは私も同じですごく嬉しい。
    安彦良和「ライディーン」の語源はアニメの「雷電」だったとは。


    頭脳明晰な方の思考はこういうものかと思いました。
    鴎外と漱石論も面白くて全部読みたくなるけど私には難しい。でも『草枕』『行人』買いました。

    私の理解の及ぶ作家名だけ出しました。
    この他にも時代の先端をゆく難しい科学者や作家の名前が数多く挙げられています。


    「芸術は長い、人生は短い」
    この言葉を坂本さんはこの世界の人々に贈って旅立ったそうです。

    この本、図書館で借りたのですが買えばよかったと読んでから思いました。

    • まいけるさん
      グレン・グールドが、草枕が好きというのにびっくり!ありがとうございます。
      グレン・グールドが、草枕が好きというのにびっくり!ありがとうございます。
      2024/04/03
    • まことさん
      まいけるさん♪

      コメントありがとうございます。
      グレン・グールドお好きなんですね!私も大好きなピアニストです。
      以前、noteをやっていた...
      まいけるさん♪

      コメントありがとうございます。
      グレン・グールドお好きなんですね!私も大好きなピアニストです。
      以前、noteをやっていた時のフォロワーさんも、おっしゃっていました。そのフォロワーさんが読まれたという本が『グレン・グールド孤独のアリア』という本でした。もしかしたら、その本に詳しく書かれているかもしれず、いないかもしれずなんですが。図書館などにあれば。
      2024/04/03
  • 坂本龍一氏が生前から準備していた図書構想「坂本図書」をバリューブックスがサポート。|株式会社バリューブックスのプレスリリース
    https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000026.000026949.html

    坂本龍一の記憶と想像の人物録、書籍『坂本図書』が早くも増刷になりました。重版を記念して本書あとがきを特別公開。|株式会社バリューブックスのプレスリリース
    https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000028.000026949.html

    坂本龍一の本棚から|曲作りの手本となった「ロベール・ブレッソン」のノート | 婦人画報(有料会員限定2022/02/07)
    https://www.fujingaho.jp/culture/interview-celebrity/a38671481/ryuichi-sakamoto-bookshelves-01/

    坂本図書
    https://onl.sc/QE4mJUG

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      ◆思索のプロセスに触れる [評]青木千恵(書評家)
      <書評>『坂本図書』坂本龍一 選書・語り:東京新聞 TOKYO Web
      https:...
      ◆思索のプロセスに触れる [評]青木千恵(書評家)
      <書評>『坂本図書』坂本龍一 選書・語り:東京新聞 TOKYO Web
      https://www.tokyo-np.co.jp/article/293522?rct=shohyo
      2023/12/04
  • 坂本龍一の愛読書をエッセイとともに紹介した本。知性と感性と品格が交錯した文章に、やっぱり凄い人だなと思った。

  • いま思えば晩年である2018年から22年にかけて『婦人画報』に連載された、“愛読書を巡る自分語り”の書籍化である(対談も3つ収録)。

    思いのほか良書だった。今後、坂本龍一について論ずるための必読文献の1つになると思う。

    ブックレビュー集というより、愛読書について1冊ずつ語ることを通じた 坂本龍一の芸術論であり、交友録でもあり、思索録でもある。

    本人へのインタビューを伊藤総研(編集者/プランナー)が構成しているが、そのまとめ方がとてもうまく、インタビューであることを読者に意識させない。

    坂本龍一人は実に正統的なインテリ(変な言い方だが)であり、骨の髄までアーティストだったのだなァと、本書を読んで改めて思った。
    彼にとって読書は、娯楽というよりは自らの思索と芸術を深めるための鍵であり、どんな本も常に芸術家としての視点から読んでいる印象なのだ。

    取り上げている本は、音楽書が意外に少ない。映画・文学など音楽以外の芸術関連書や、哲学・科学・歴史の本が多いのだ。

    ただし、当然のことながら、どの分野の本も音楽家・坂本龍一としての視点から語られている。
    音の側面から論じたタルコフスキーの映画、ジャズとの関連から語られた中上健次の文学など、坂本ならでの卓見も多い。

    《中上健次の文章はジャズなのだ》と坂本は言い、そう思ってから読みやすくなったという。
    中上自身も、ジャズに関する文章を集めた『路上のジャズ』の中で、《ジャズは私の小説や文学論の解析の大きな鍵だ》と書いている。

  • 知見の深さが蔵書の幅広さからも感じられる。とても興味深い。まだ難しい作品も多いがチャレンジしていきたい。坂本図書より

    サコ学長「迷惑を掛け合えるか」「ダラダラする」

  • 坂本龍一さんの書評集であり、思考、思索の記録の様な本。
    静かな語り口で綴られる文章は、穏やかで誠実でのびのびとしている。そして知的好奇心に溢れている。
    いい本。

  • 六本木のシネヴィヴァンで観たノスタルジアetc.
    同じ時代を生きてきたのだと感じると同時に
    彼の紡ぐ言葉や音楽に、もっと触れていたかったと。

  • 読んでない本が多く、入るにはもう少し時間がかかりそうです。都内にある坂本図書いってみたいな。夏目漱石から、まずは読んでみようかな

  • 土曜日の朝に坂本図書を読み終えるというのは、いいものである。

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