- Amazon.co.jp ・本 (580ページ)
- / ISBN・EAN: 9784938419516
感想・レビュー・書評
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連結納税制度の創設者である朝長英樹先生編著の書籍。執筆陣が豪華なだけに内容盛り沢山な内容であった。図解が多くわかりやすく説明している点好感が持てた。我が国において連結納税制度を採用している法人数は、国税庁の発表資料によると、平成24年6月30日現在で、連結親法人数が1,288、連結子法人数が9,491で合計10,779となっているが、これは制度創設時に想定していた数の約3分の1だそうだ。直近の平成27事務年度で見ても、連結親法人数が1,698、連結子法人数が11,977で合計13,675であるから、4年経過して連結親法人数が410増えたことになる。連結納税制度の先進国であるアメリカでは、法人税の納税額の約半分が連結納税制度によるものと言われているから、まだまだ増える余地があるとも考えられる。内容的にボリュームがあり通読が大変かもしれないが、ある程度知識を得てから読んだら理解が深まるかもしれない。改訂版が望まれる内容だ。
P21
連結子法人となる法人は、会計期間とは別に仮決算を行うこととなるため、実務を考慮すると、連結親法人となる法人と連結子法人となる法人の事業年度を合わせておいた方がよいでしょう。
P66
加入法人が連結親法人と「完全支配関係を有することになった日」とは、実質的に発行済株式のすべての引渡しが完了した日を指すものとされています。これに対して、株式を譲渡した法人が法人税法61条の2第1項(有価証券の譲渡損益の益金算入等)に規定する譲渡利益額又は譲渡損失額を計上する場合は、その計上日は、原則として、株式の譲渡に係る契約の成立した日となることに留意する必要があります(連基通1-2-1)。
P243
親法人が株式移転により設立された法人である場合には、その株式移転に係る完全子会社までを含めて親法人とみるのが実態にあるものと考えられることから、この完全子会社の単体納税の下で生じた欠損金額についても、連結納税の下で繰越控除することができることとされています。
P251
個人でそれぞれ100%の株式を保有しているA社とB社により連結納税を行おうとする場合には、A社とB社のいずれかを連結親法人とする株式交換を行うよりも、A社とB社を子法人とする株式移転によって持株会社を設立し、その持株会社(株式移転完全親法人)を連結親法人とする方が、A社とB社の欠損金額を連結納税に持ち込んで連結法人全体で利用することができます。詳細をみるコメント0件をすべて表示