船弁慶 (能の友シリーズ 3)

著者 :
制作 : 白竜社 
  • 白竜社
0.00
  • (0)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 2
感想 : 1
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (47ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784939134043

作品紹介・あらすじ

「船弁慶」は、兄頼朝との不和により、都を追われ、西国へ落ちていく源義経(子方)と弁慶(ワキ)たち主従を中心に据えた前後の二部構成になっています。前段は、義経の愛妾である静御前がシテ(主役)です。静は義経との突然の別れを恨み嘆きつつも、義経の行く末を祈って舞を舞います。白拍子の静は、しっとりとした女性らしさを見せながら義経や弁慶に相対します。艶でありながら聡明な静の姿が、曲の前半を彩ります。剛勇な弁慶に叱咤され、大海原に船出を決行する一行。そこにすかさず登場する船頭(アイ)は船の作り物を持って走り出て、弁慶に、時が来たならばと自分を売り込むなど、その軽妙さで観る者を楽しませます。物語の小休止といったところでしょうか。後段は、にわかに到来した暴風雨で幕を開けます。櫂棹を持った船頭の演技と、強いリズムの囃子による波の描写が緊迫感を高めます。やがて波間から、平家の怨霊たちが浮かび上がってくるのです。長刀をふるって襲いかかるのは、平家の猛将平知盛の亡霊(後シテ)。義経を海に沈めようと激しく迫りますが、弁慶の祈祷の前についに祈り伏せられ、波の泡と消えます。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 近々、金剛能楽堂で送り火能を観るので演目の下調べ。「船弁慶」は文楽の演目「義経千本桜」の大物浦の場面に重なります。「見るべきほどのことは見つ」と言って壇ノ浦で身を投げた平知盛ですが、亡霊となって現れ義経に戦いを挑みます。文楽と歌舞伎を見ていると演目やテーマの共通性に気づきますが、これは能の世界にも言えることですね。

全1件中 1 - 1件を表示

川西十人の作品

最近本棚に登録した人

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×