- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784947553829
作品紹介・あらすじ
2019年3月、FIBA(国際バスケットボール連盟)の総会において、日本に2020年東京オリンピックの開催国枠が与えられることが決まり、日本中のバスケットボールファンが歓喜に沸いた。すでに世界の強豪と肩を並べる女子代表はともかく、男子代表にとっては1976年のモントリオールオリンピック以来、44年ぶりのオリンピックの舞台である。2020年の東京オリンピック期間中には、日本代表のバスケットボールを多くの人が観戦・視聴し、大いに楽しんでほしい。そこにさらなる「深み」を持たせる方法がある。それは、オリンピックにおけるバスケットボール日本代表の歴史を知ることである。
本書は、1936年のベルリンから1964年の東京までのオリンピックにおける日本代表とその前後の概要を紹介するもので、オリンピックを切り口に日本のバスケットボール史を語った本邦初の試みだる。もちろん、本書の内容をもって日本のバスケットボール史のすべてが把握できるわけではない。しかし、本書を読み終えたとき、読者の前にはバスケットボールのよりディープな世界が立ち現れているはずである。どうか、ぜひ、われわれとともにその世界を体験していただきたい。
感想・レビュー・書評
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協会の公式文書や研究論文をソースとした日本バスケットボール史。参加したオリンピック大会ごとに章立てしているので1980年代あたりはスッポリと抜けているが…。
論文形式なので取っつきにくいけど、読むとけっこう面白いです。
ネイスミス博士の下で歴史上初めてのバスケットボールの試合に参加した18人のうちの1人である石川源三郎は、長く外国で生活したため日本のバスケットボールにはほとんど影響を及ぼさなかった。
日本に本格的にバスケットボール(およぼバレーボール)を紹介した大森兵蔵は1912年のストックホルム五輪の日本選手団の監督を務めた後に現地で客死したため、そこでも日本バスケットボール史は断絶している。
といったことを初めて知った。2人の名前だけは見たことがあるのだけど。
バスケットボールが初めて五輪種目となった1936年ベルリンオリンピックに、日本は参加している。
その戦術や戦いぶりが紹介されていて、これも初めて読んだ。
そもそもこの大会のルールはヨーロッパルールで、シュート成功後はその都度センタージャンプを行うというので、長身選手の価値が大きかった。
また、ベンチ登録人数は7人で、選手交代で退いた選手は再びコートに立つことが出来ないとか、4ファウルで退場とか、退場者が出たらベンチにいる退いた選手を再び投入できるとか、ルールがいろいろ違っていて面食らう(面白い)。
戦後、メルボルン五輪以降の日本代表チームの編成や作戦も述べられており、なかなか面白い。
東京オリンピックで10位という、望外の結果を出した吉井四郎監督が、ナショナルチームを集中的にトレーニングした結果であって日本全体の底上げは出来ていないから続かないと総括しているのはさすが。
繰り返しになりますが、読みにくい体裁の本です。だけど、面白かったですよ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
歴史の記録がちゃんとある。でも、男子に関していえば、2006年からまったく記録がないのが残念。