プランB4.0

  • (株)ワールドウォッチジャパン
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  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784948754362

感想・レビュー・書評

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  • 日本の脱原発派もこのくらい数値を出して話をしてくれればいいのに。

  • 『プランB 4.0』

    現状としての、水、土地、人口、食糧などあらゆる相関関係とキャリングキャパシティ越え。
    結局、今の市場はリアルコストを反映したものではなく、現在私たちが支払っていないコストは、後の世代に先送りされており、後の世代は現在私たちが支払っていない以上のコストを支払わなければならないという事実。

    以下、memo
    【パカラ、ソコロの課題】
    → エネルギーシフト 年間炭素排出量維持のための概念
    ・具体的実行
    1、白熱電球を小型蛍光灯とLEDに
    → 照明による電力使用量が3/4に


    【ファクター4】
    現代の産業経済は、その原材料の使用量を1990年代の4分の1で充分に効率的に機能させられる。

    →【ファクター10研究所】
     政策による適切な助成で、10倍にまで生産性の向上が可能

    【エネルギー】
    p132-133
    水道水の安全性は、ボトル入りのミネラルウォーターよりも厳しい基準で管理されている
    → 水道水よりもボトルの水が健康にいいというのは企業のマーケティング。

    コストも、ボトルの水は、水道水の1000倍(特に輸送に関わるコストが高い=二酸化炭素の排出)

    p136
    スマートグリッドの可能性
    (=ITと送電線の組み合わせ)
    ex) 冷蔵庫や空調システムで、不必要なとき電源を落としても、さほど大きな影響はない。


    【都市計画 事例】
    p189
    ・ボゴタ、コロンビア 「都市改造」(エンリケ・ペニャロサ)
    → 交通改革

    ・クリチバ、ブラジル(レルネル市長)
    「人間のために設計された都市」
    → スラム(不法居住地区)に住む住民に、広大な土地を開放
    →(治安、医療、教育など)公共サービスの管理

    p222
    ・貧困削減の事例
    → ブラジル「ボルサ・ファミリア」プログラム

    p252
    「最貧国の窮状に対する人道的対応」と「人類文明を蝕む人口の増加と環境の劣化」とジレンマ


    【食糧】
    ・トルコ TEMA
    → ドングリ100億個キャンペーン
    → 森林再生と食糧生産

    ・単に、食糧を増産することは持続可能ではない
    → エチオピアで行われた増産キャンペーン
    → インフラ(輸出・輸送手段)の未整備のために、国内価格の暴落




    【気候変動】
    ・新規植林での二酸化炭素吸収量
    → 温帯では13キログラム/年
    → 熱帯では50キログラム/年
    ⇒ 新規植林ならば、熱帯のほうが温帯よりも有効



    --------------
    【独想】

    ・てこの原理において、力点をエネルギー源(発電など)、作用点を私たちの生活とするならば、
    その間にある支点、すなわち力と作用の間にあるツール(交通、照明など)を変えていかなければならない。
    これが、真に「レバレッジ」の効果だろう。
    そういえば、以前佐藤優さんの講演会で、「太陽光発電もやはり、持続可能ではない。なぜならば、太陽光パネルは老朽化すると、廃棄の際にはゴミになるからだと。持続可能とは、全てを自然から得、自然に還すことのできるものだ


    ・空き地に菜園
    「バイオフィリア仮説」:(生物学者 E.O.ウィルソン)
    人間と他の生物との間には、本質的なつながりがある。
    → 自然との接触を絶たれると、人間は「安らぎ」や「幸福」を失っていく

  •  ワールドウォッチ研究所の設立者レスター・ブラウンが、後年の地球環境にツケを回す現在の社会であるプランAではなく、持続可能な社会を作っていくプランBを提唱する。

     ブラウンの素晴らしい点は食糧問題を大きな軸に考えている点だ。近い将来確実に訪れる食糧問題を起点として、そこから様々な環境問題をどう克服するかを考えている。環境問題は他でもない自分達の生存の問題なのだ。

     震災前に書かれたものであるが、ブラウンの原発についての発言に感銘を受けた。原発は将来への負担をちゃんと考慮に入れた真のコストを考えると、とてもコストが高く持続可能な社会に向かないとはっきり書いてある。
     プランBに沿った日本をもっと早く目指していたら、震災の被害も今と違ったものになっていたに違いない。

     環境の悪化や環境技術、政策の進展などを最新の情報の加筆を繰り返してのバージョン4.0。 
     環境悪化のデータだけでなく、数多くの有効な政策についてもまとめられている。GOWのマーカスもびっくりのプランBの充実ぶりに希望が見える。

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著者プロフィール

1934年アメリカ生まれ。1959年農務省に入省し国際農業開発局長務める。1974年地球環境問題に取り組むワールドウォッチ研究所を設立し、1984年に年次刊行物『地球白書』を創刊。2001年アースポリシー研究所を創設。2015年同研究所の閉所後も環境問題についての発信を続けている。

「2020年 『カウントダウン 世界の水が消える時代へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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