大亀ガウディの海

著者 :
  • デインデイガル・ベル
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本棚登録 : 11
感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (142ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784990258108

感想・レビュー・書評

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  • 水族館の大亀ガウディが、ふるさとの広い海を夢見て、実際に海に戻ってみると…。

    布の絵柄のような挿絵、想像もできたかった顛末。

    原発事故の最中に出会った作品だが、この本が30年前に書かれた事にも驚きました。
    人間の欲望で環境が壊れ、魚だけでなくすべての生物が苦しみませんように。                    (YA) 

  • 「大亀ガウディの海」の作者は、人間の文明は今、大きな滝壷にむかって危機的に進んでいる小舟のようだと述べている。次世代に語る物語は、そのことをまず伝えなければならない。そして同時に人間は、自然や歴史から学び、その深遠にある地下水から豊かで美しい水をくみ出さなければならないとも述べている。

    世界各国にはそれぞれ一人の人間をこえて、その背景に長い時をかけて磨きあげられてきた人間性や文化があるが、それらを同時にもちあわせた本を世に送り出していくことが、出版社の使命の一つである。人間文明への警鐘を強烈に訴えながらも、人間性を深くよりどころとした自然や生の美しさをうたいあげたこの絵本を是非とも、みなさんにお勧めしたい。

    例えばインドといった国がもつ、深遠で巨大ともいえる珠玉のような美の世界は、残念ながら、一般的に流通している本だけからはとても想像できない。はかりしれなく広く深いこうした世界を本で表現するためには、長年の視覚伝統の表現を熟知し、かつ本というメディアでそれを存分に新しく再生・再現できるクリエーターが必要となる。

    これは単に職人仕事では達成されるものではなく、「大亀ガウディの海」をてがけた画家、ラマチャンドラン氏のような伝統と現代を生きぬく感性が不可欠である。各国にはラマチャンドラン氏のように第一級の画家が存在しているが、彼らが子どもから大人まで楽しめ、心の目を育ててゆけるような本を作る機会にめぐりあう機会は少ない。

    この絵本は、世界の絵本の素晴らしさへの導入となっている。是非ともお勧めしたい絵本だ。

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