ぼくが写真家になった理由: クジラに教えられたこと (Sphere Books)

著者 :
  • シータス
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  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784990292539

感想・レビュー・書評

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  • 前作『クジラと海とぼく』の続編にあたるのが本書。
    水口さんが海洋写真家してどのような経験をしたり、どんなふうに撮影をしてきたのかをまとめています。

    前作ではしろさんの宝石のようなカラーイラストがきれいでしたが、本書は水口さんご自身が撮影された写真がたくさん掲載されています。
    特に、冒頭見開きの白いマッコウクジラの赤ちゃんや、夕日を受けてシャチの潮ふきが黄金色に輝く写真に、ほぅっとため息がこぼれました。

    暗闇の中、夜光虫の光を花火のように散らしながら泳ぐシャチ。
    入江で人間と戯れ遊ぶコククジラの親子。
    ファインダー越しだけでなく、水口さんが直接目で見て、身体に焼き付けたであろう風景に憧れを感じます。

    そしてその中から、水口さんのクジラや自然への畏怖の念を感じました。
    被写体に対して不躾にカメラを向けることが、はたして本当にいいことなのか。
    水口さんの写真家としての姿勢や考え方に、真摯に自然と向き合いたいという想いが感じられました。

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著者プロフィール

1953年、大阪生まれ。1978年、京都大学理学部動物学科を卒業後、出版社にて自然科学系の書籍、雑誌の編集に従事。1984年に独立し、写真家、作家として世界各地で海生哺乳類を中心に調査、撮影し、生態のレポートを行う。研究者との交流も多い。この十数年は、野生動物への影響を考慮しながら撮影を続けると同時に、地球環境の変化を追い極地への取材も多く行う。近年は、自身の活動が環境に与える影響も視野に、身のまわりの自然に視点を移している。
主な著書に、『オルカ――海の王シャチと風の物語』(早川書房)、『オルカ アゲイン』(風樹社、講談社出版文化賞写真集賞受賞)、『マッコウの歌――しろいおおきなともだち』(小学館、日本絵本大賞受賞)、『世界で一番美しい ペンギン図鑑』『世界で一番美しい シャチ図鑑』『世界で一番美しい クラゲ図鑑』(誠文堂新光社)、『黄昏』『世界で一番美しい アシカ・アザラシ図鑑』(創元社)、『南極ダイアリー』『クジラの進化』(講談社)ほか多数。

「2023年 『世界アシカ・アザラシ観察記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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