- Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
- / ISBN・EAN: 9784990578701
感想・レビュー・書評
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(推薦者コメント)
そもそも部落とは何なのか、何をもって部落の人間であるかそうでないかを判断するか。そもそも、その「部落かどうか」ということは現代日本において意味を持つのか。普通の人はまず考えない話題だが、現に日本に残り続ける同和問題、そして在日外国人に関する動き。その現状を取材した本。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本書は「同和と在日」となっているが、同和関連の取材本であり、在日は同和との関連で引用されている。
同和ときけば、関西人ならば小中学生時代に所謂「道徳」の時間で「人権」「差別」関連の授業の中で聞いたことがある方もいるかもしれませんが、まったく聞いたこともない地域の方もいるでしょう。
小中学校で習う「人権」「差別」の中で登場する「同和」は、いわゆる「かわいそう」「貧困」「虐待」「差別」の対象とされて苦しむ「同和」のイメージを構築するものであったと思います。(体験的感想)
一方、この「同和」のイメージに対抗するイメージとして「差別利権」「逆差別」「やくざ」としての「同和」の実体を訴える方々もまたいます。しかし本書は、著者の取材を中心としての、可能な限り偏見誤解を排除して、取材した結果のありのままの「同和」を伝えようとしています。そこに浮き彫りになるイメージは「差別や貧困」一色でも「利権や逆差別」一色でもありません。読者によってどこの記述が印象に残るかで両方どちらの結論にも行き着き得ると思います。
個人的感想は「昔は確かに差別があった」「現在は立場を利用した利権の温床が発生し、差別解消を認めると損だ」という印象です。
ただ、大手マスコミや行政が「ありのままの同和」を一般国民に伝えようとしていない事実は浮き彫りになっていると思います。もしこれらの勢力が「事実をありのまま」を伝える努力を怠れば。仮に「同和」が解消しても第二第三の「同和」が発生する旨を著者は訴える。