新訂 牧野富太郎自叙伝

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784991299308

作品紹介・あらすじ

本書は「日本の植物学の父」と称される不世出の植物学者・牧野富太郎の自伝です。1956年に長嶋書房から刊行され、2004年に講談社学術文庫から再刊された『牧野富太郎自叙伝』の新訂版です。幕末の文久2年(1862)に高知県高岡郡佐川町の富裕な商家の家に生まれ、昭和32年(1957)で94歳の生涯を閉じるまで、「日本のフロラ(植物誌)を自分の手で作りたい」という志を一途に追った波乱万丈の生涯は、そのまま、劇的な物語です。本書は、富太郎の幼少期から晩年までの植物と自分との関わりを中心に綴った自叙伝の傑作です。

幼少期に父母を失い、小学校を2年で退学し、22歳(明治17年)時に二度目の上京をし、東京大学理学部植物学教室への自由な出入りを許され、そのまま、東京大学理学部の嘱託、助手、講師となり、一方、莫大な借金を背負いながら、日々、植物研究にまい進する富太郎の熱情が、富太郎自身の口から縦横に語られます。

新訂版では、幅広い読者が自然に読めるように、漢字表記を現代仮名遣いに準じて改め、小学校中学年以上の読者が楽に読めるように、ルビを大幅に増やし、句読点も現代のスタイルに改めました。また、現代では不明な用語や人物名等については、該当頁上に詳細な「補注」と「写真」をつけました。

牧野富太郎に深く関係する植物については、該当頁上に、昭和18年に北隆館から刊行された『牧野日本植物圖鑑』(初版3刷)から牧野自身の描いた精細な植物画を掲載し、トピックな場面については、高知県立牧野植物園が所蔵する貴重な写真を掲載しました。記述の内容をビジュアル的にも楽しめる編集となっています。

また新訂版の巻末には「付記」として、コラム「森鴎外と牧野富太郎」を掲載しました。本文中に登場しますが、鴎外が富太郎に「漢詩に登場する樹木が、現在のどの樹木に該当するのか?」に疑問をもち調べるのですが、結局、自分では解決できず、富太郎に手紙で照会します。その顛末が、鴎外最長の史伝『伊沢蘭軒』の二つの章(段)に登場しています。新訂版では、該当する章の現代語訳を全文紹介しました。同じ年(文久2年)に生まれた、二人の意外な交流を楽しめます。

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著者プロフィール

1862年(文久2年)土佐国佐川村(現、高知県高岡郡佐川町)の裕福な商家と酒造業を営む家に生まれる。三歳で父を、五歳で母を失い、祖母に育てられる。幼少時から植物に強い関心を示し、小学校を2年で中退、好きな植物採取に熱中する。19歳の時、初めて上京し博覧会を見る一方、書籍や顕微鏡を購入する。22歳の時(明治17年)に再び上京し、帝国大学理科大学(現、東京大学理学部)植物学教室に出入りし、文献・資料等の使用を許可される。自ら創刊に関わった「植物学雑誌」に新種ヤマトグサを発表し、日本人として初めて新種に学名をつける。94年間の生涯で収集した標本は40万枚に及び、新種を初め1500種以上の植物に命名し、「日本植物分類学の父」と呼ばれる。

「2023年 『オリジナル普及版 牧野日本植物圖説集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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