Survival in Auschwitz: If This Is a Man
- Bnpublishing.Com (2007年8月30日発売)
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感想 : 1件
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- Amazon.co.jp ・洋書 (153ページ)
- / ISBN・EAN: 9789562915304
感想・レビュー・書評
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わずか数行読んだだけで心を捉えられてしまう本というのが時々ありますが、これはまさしくそういう本でした。フランクルの『夜と霧』が心理学者らしい客観性を保っているのに対して、本作はまさしく「回顧録」である。記憶も感情も生々しいが、時間の経過がそれを冷静にとらえることを許している。それでいて、SSへの消せない恨み、憎しみは思い出の中で沸々と湧いてきて、読んでいる私まで頭に血が上ることがあった。こんな地獄でも人を笑わせたり身なりをつくろう心持でいられた人がいたことに驚嘆したし、解放間近の希望が差してきた様子にも、なんだか不思議の感を覚えるほどだった。こんなことが可能になってしまった「社会」という名の怪物が恐ろしい。自分の進む道を今一度考えさせられた。
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