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- / ISBN・EAN: 4988009156026
感想・レビュー・書評
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「俺はもう十代の代弁者じゃねえんだ 言われりゃなるけどよ」
この言葉は最晩年の尾崎がライブ中のMCで乾いた笑いとともに吐き捨てた言葉だ。
十代にデビューし、十代の感性と焦燥と孤独を、その天才的なメロディーセンスと作詞能力で完璧に音楽にしてのけた尾崎。
時代の寵児となった尾崎の、その先の「歌うべきこと」は尾崎自身も見つけられないでいた。
これは十代の尾崎には絶対につくれないアルバムだ。これはひとりぼっちの尾崎には絶対につくれないアルバムだ。
十代を代弁するんではなく、尾崎はただ十代の自分を表現しただけだったのだ。これは尾崎が自分の、二十代の尾崎豊を表現してみせた、ただそれだけのアルバムだ。だからこんなにも真っすぐなアルバムなのだ。
カミさんの誕生日を忘れてて怒られたから作った歌の名前が「きっと忘れない」。こんな素敵なひとを、十代の代弁者なんてくだらないくくりに閉じ込めたくない。
尾崎・フォーエバー。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人間に対する素晴らしい洞察力。こんなに分かっていたら、それは苦しくもなってしまうだろう。表現をすれば楽になる、というものでもないのか。
泥臭ささえもが魅力になっている。
尾崎豊は歌手以上に詩人だった。 -
十代の頃の尾崎の歌も好きだが、最も好きなアルバムはこの「誕生」だ。退廃的な詩の中にも、妙に鮮やかな健全さ(この言い方が正しいかわからないが)があるのが素晴らしい。
この中では、LOVE WAY、COOKIE、永遠の胸、COLD JAIL NIGHT、誕生が好きだ。COOKIEは、明るく軽やかな歌声で、日々暮らす中で垣間見える世の中の問題を歌い上げているのが良い。 -
それが愛
それが欲望
それが全てをつかさどるものの真実なのだから
このアルバムのキーワードは10代のころの自由や正しさといったものから、愛や欲望、罪といったものに変わっている。
僕はこのアルバムに尾崎の一種の宗教的な欲求を感ぜずにはいられない。
なぜ生まれてきたの
生まれたことに意味があり
僕を求めるものがあるなら
2枚組みのCDで曲の順番も大きな意味を持つ。
1枚目の「永遠の胸」は「LOVE WAY」で人間の本質に絶望しつつもそれに対する受け止め方としての締めくくりの曲であるような気がする。
「きっと忘れない」も誰かの誕生日にぜひ歌ってみたい曲。
「COOKIE」ではささやかな愛のむこうに矛順を抱えている社会の問題を軽い感じで歌っているのが印象的。
2枚目を締めくくるタイトルでもある「誕生」の最後の叫び・・・新しく生まれてくるものに対して尾崎の生きる意味を込めた感動と祝福が込められているようだ。 -
最近、尾崎豊の長男がメディアにも出始めたということであえて今この作品のレビューを。
長男誕生の後に発表された20代の傑作。愛とは真実とは生きることとは何かを問う重量感のある曲が多数。とくに「永遠の胸」。この歌には尾崎の叫び・テーマが凝縮されている。巷では知られていない曲がほとんどだが1度だけ、1度だけでもいいので聞いてみることをお勧めしたい -
http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/B00005G3EQ
── 尾崎 豊《誕生 19901115 ソニーレコード》
ISBN/EAN: 4988009156026
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「永遠の胸」は名曲です。
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尾崎の中で二番目に好きなアルバムです