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- / ISBN・EAN: 4988135528186
感想・レビュー・書評
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2017年のBSシネマ、平日ラインナップの最後が『コンタクト』。今までなぜか観る機会がなかったのですが、頭いいオタクの先輩(イケメン)と話してて、話題として出てきたから気になっていた。(先輩には全幅の信頼を置いているので、話題に出てきた作品は全てチェックするようにしている。『デスレース2000年』とか笑)
あと、『コンタクト』はTime Out誌のSF映画ベスト100で47位とけっこう高評価なのも、もうひとつの観たかった理由。だから、年末に観られるということですごく楽しみにしていた。
感想としては、良くも悪くも90年代の映画って感じ。冒頭から展開が早くてサクサク進むのが気持ちいい。内容はハードSFだけど、90年代だしロバートゼメキスなのでちゃんとエンターテイメント。楽しめます。
一応ファーストコンタクトものなんだけど、このジャンルだと『幼年期の終り』や、最近だと『メッセージ』(『あなたの人生の物語』)とかありますが、それらのように異星人がやってくるのではなく、こちらから会いに行くって話。
ハードSFなんですが、宗教の話がモロにぶっこまれているのが特徴。序盤の現世利益を取るかどうかの話のとこまでは自然に観れたんだけど、中盤ぐらいから作品のテーマそのものが宗教と科学についてだと気づく。たぶんここは日本人にとってはすごく違和感あるんじゃないかと思う。アメリカはほんとに宗教大国なんだなと。
ラストは魔女狩りみたいになってたりするのが面白いし、これまた90年代の映画なので女性の自立という要素。(『テルマ&ルイーズ』『タイタニック』『恋に落ちたシェイクスピア』…)
あとロバートゼメキスなので、過去と未来というタイムスリップものの要素もあったり。
ツッコミどころもけっこうあって、なんで研究者が乗るんじゃい!とか、ちゃんと作るかどうか検討しろや!とか。たぶん原作ではちゃんとしてそうだけど、映画ではテンポよくサクっと端折られてる。
しかし、キャストがすごくいい。メガネっ娘ジョディフォスターはこの頃絶頂期で美しい。あとこの人は実際にすごく頭が良いので、科学者とかFBIの役は似合いますね。ちょい役でロブロウが出てて『ホテルニューハンプシャー』やん!と。
それと、この映画のもうひとりの主人公はやっぱりジョンハート様ですね!この点最高でした、ほんとに良いキャスティングをしたと思う。
ジョンハート様が演じてるハデンっていう大富豪、モデルがいるのかな?と思って調べたけどよくわからなかった。
個人的にはティモシーリアリーを連想したんだけど、時期的に『コンタクト』の方が早い。あと、民間人の宇宙飛行は秋山豊寛さんとかガチャピンを除くと笑、デニスチトーさんが初で、この人がハデンに一番近い。ただ、2001年なので4年後なんです。
SFは予言的な意味が昔からあるけど、原作者カールセーガンの先見性にはびっくりしますね。
とても観やすいし笑いの要素もあって面白い、そして深いSF映画なんでおすすめです。 -
なかなかおもしろくみたが地球外生命体がファンタジックでそこがいまいちかな。
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◆思いっきりネタバレのため未見の方はご注意ください
冒頭に地球からどんどん離れていくにつれて地球上のメディアの音声がどんどん古くなっていき、最後が1941年に「屈辱的な日を・・・」となっていたのがなんだかわからなかったが、これが異星人が送り返してきたヒトラーの映像につながっていたのだと、映画が終ってから気がついた。
最初にメッセージを受信するところは感動した。いつの日かこんなことが起きるのだろうか。
敵役の科学者がちょっとステレオタイプ
証拠がないから神を信じられなかったエディが自分の体験を証拠も何もないが世界の人々に少しでも感じで欲しいと願うということは神を信じることと同じ。その意味では科学的実験の果てに宗教的体験があるという「宇宙からの帰還」と同じ結論に達している。
「異星人はなぜ証拠を渡さなかったのか?」←真実は心の中に。神と同じ。
盲目のケントがカプセルの中からエディの声を聞き取るのがグー。
政府側のクールな黒人女性がグー。非常に中立的な立場から事態を見ており、最後の「ノイズが18時間入っていた」というキメもクール(「何が映っていたか中身はどうでもいいけれど」)
ハッデンもフィクサーとしていい味を出している。このお話自体が人類に向けたハッデンの壮大な実験(贈り物?)というジェームズ・ウッズの問いかけもおもしろい。(ノイズが18時間というところでその可能性はないが)
もしこういう事が起こったらというシミュレーションとしては政府やメディア、大衆の反応などの反応をもう少し描きこんで欲しかった(「地球幼年期の終り」を思い出した)。テロリストにより実験中に爆発が起きるとは思わなかったが。
エディがポッドに乗り込み宇宙へ旅立つところまでは非常に緊張感もありよかった。久しぶりに科学的興奮を感じさせる映画でドキドキしたし、科学というものへの憧憬から胸を締め付けられるような気持ちにもなった。星雲を見て「詩人が来れば良かったのよ」の科白が印象的。たどり着いたところが子供の頃に描いた絵の浜辺というのもいいし、異星人が父親の姿で現れるというのも変なSFXで異星人の姿を描かれるよりよかった。最後の別れで流星が集まっていくというのも父親の死の夜が伏線になっていてよい。別れの途端、ポッドがネットに引っかかり、地球側では1秒間だったというのは、途中でウラシマ効果についてパーマーと話をしていたことの反対になっていて、そうなるとは思わなかった。
調査委員会でエディが、自分の体験が自分を全く変えてしまい、人類がいかにちっぽけか、そして一人ぼっちではない、これを世界の人々にも体験して欲しいと涙ながらに訴えるところは、ニューエイジや新興宗教と同じに見えてしまい、ちょっと興ざめというかなんというか。もうちょっとクールにやって欲しかった???
調査委員会から出たところでパーマーがマスコミの問いに対して「科学と宗教はものの見方が違うが真実を求めるのは同じ。信じています」というところがもうちょっと盛り上がりが欲しかった。
ラストシーンで子供達に宇宙について説明し、「宇宙人はいるの」の問いに「こんなに広い宇宙に私だけだったらもったいないでしょ」と答える(これは父親とパーマーの言葉が伏線になっている)。ただこのシーンがいかにもアメリカ映画という感じがして今ひとつなじめない。そのあと岩だらけの渓谷を眺めながら手に取った砂がキラキラと輝くのは宇宙の星をイメージしているのだろう。それがエディの手の中で輝くというのが、冒頭のシーンで宇宙に向かってズームアウトしていき、大宇宙がエディの瞳につながるシーンに呼応しているように思えて、ここはいい。
科学と宗教の融合という点では「王立宇宙軍」のほうが圧倒的な感動だったし、知的生命体とのコンタクトという圧倒的体験感でいけばやはり「2001年」に勝る映画はないだろう。ただし「2001年」が非常に哲学的且つ体験的映画であるのに対して、この映画は科学と宗教をテーマにしつつもやはりエンターテイメントをベースに描かれているという点が違うと思う。このあたりはやはりロバート・ゼメキスらしいというべきか。
どうもこの手のテーマになると「王立宇宙軍」なり「2001年」なりが頭に浮かび期待が大きくなりすぎてしまっていけない(笑)。でもその点を除けばいい映画だったと思う。原作を読もう。 -
確か公開されたときに試写会で見たような。今回、久々に見返して自分が昔より感動する心を持った気がしている。自分自身の変化を感じさせられる映画ってなかなかないし、すごくいい時間でした。人間は孤独じゃないって事をまた考えさせられる良い映画。それにしても主演がジョディ・フォスターだったのは覚えていたけれど、マシュー・マコノヒーが相手役だったのは全く忘れていた!!
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商業主義への科学者の苦悩とSF要素がバランスよく織り交ぜられている。
宗教と科学の対立(との周りからの揶揄)、周囲からの曲解、手柄の横取りなど、よくあるSF映画では取り上げないテーマも面白い。そして意味深なラストがたまらない。大好きな映画。 -
【科学と宗教】
科学者として宇宙の謎を解き明かそうと奮闘する主人公。
彼女の発見に対する内外の反応が、皮肉を込められて描かれている。今まで何の興味関心も無かった部外者がお祭り気分であれやこれや検討違いな論争を繰り広げたり、科学者を批判する姿は、今年話題になったSTAP細胞事件を連想させた。科学者のなす行為を正しく評価できる・して良い人間はごく一部だ。ひとつのトピックを自分たちの都合の良いように曲解する人の行為は、なにしも科学部門だけに限られたことではないけれども。SMSの発達した現在、だれでも口出しできる状態を、市民権を得たと勘違いして何にでも頭を突っ込む一部の連中が余計に目につくせいで、そういう面にスポットが当てられているのを大変興味深く見ることができた。また、この作品のテーマともいえる、「科学と宗教」。一見相反しているように考えられがちな両者を最後の展開で見事に直結させた。会見の場で、自らの体験を必死に訴える彼女の論調は奇跡体験を語る人とまるで同じであったことは、科学に対する皮肉でありながらも、両者の同質性を指摘する場面でもある。実益の違いこそあれ、真理を追究するという点では宗教も変わらない。神の存在を一番疑っているのは宗教家自身である、このことを理解している人がどれだけいるのだろうか。信じたい気持があるからこそ、彼らは熱心で、自身の宗教を勉強し研究するのだ。物語の論理展開に多少の矛盾や荒削りな部分もあるが、メッセージ性の力強さや神秘的な映像は見ごたえがあって大変良かった。 -
プロットも自然で説得力があった。SFが好きなら見る価値あり。★5を付けたかったが、宗教の正当性が示されていることでマイナス。また、自分の中でジョディ・フォスターの勝手なイメージが出来上がっているのもあり、少々気が弱い部分がある主人公とはあまり重ならなかった。ただし、演技はとても良かった。特に宇宙にワープして他の太陽系を観たときの演技は素晴らしいの一言。
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科学者 <真実を追究する>
という姿勢が重要な意味を持っている。
宇宙からの電波を受理。
それは、新しい流れ。
想像力がどこまで描くことができるのか?
地球以外の生命をどう認識するのか?
以外と簡単に逃げたような気がした。
「宇宙人は、パパ。」
パルス 素数 そして、映像
ヒットラーのオリンピックでの演説
そこに隠されたデ-タ
それは、3次元デ-タであった。
光の早さ そして、1秒の経験が、
18時間という長さとなっていた。
ジョディ・フォスターがいい役をしていた。
丁寧なレビューをいつも読ませていただいてます。
ブクログの本棚に映画は載せていないのですが、好きな作品なの...
丁寧なレビューをいつも読ませていただいてます。
ブクログの本棚に映画は載せていないのですが、好きな作品なので、つい。
色々な方のレビューを読むと、視点の違いが判って面白いですね。
宗教と科学の共存について考えている点が、この映画の面白さだと思うのですよ。
永遠の命題ですが、結論が出ませんものね。そして、触れにくい部分でもあります。
映画の中とは言え、よく言ってくれたなぁと、私なんぞは感心してしまいました。
ジョディ・フォスターも好きな女優さんのひとりです。
「ホテル・ニューハンプシャー」の頃のぷちぷちして可愛い時も好き!
また元気な姿をスクリーンで拝見したいです。
初めてなのに長々と失礼しました。
カールセーガン本人は懐疑主義者かつユダ...
カールセーガン本人は懐疑主義者かつユダヤ人だったらしいんですが、ベースとなってる宗教的考え方からはやっぱり逃れられないのでしょうね。アメリカでは大統領の宣誓にも聖書を使うぐらい「普通のこと」ですし。
唐突に宗教者が話に入ってきてびっくりするんですが、アーサーCクラークなんかも宇宙人は「神」のように描写されてるんで、自然な流れなのかなあと感じました。クラークも無神論者でしたけど。
nejidonさんのコメントで、レビューに書き忘れたことを思い出したので、また追記したいと思います。
ジョディフォスター、個人的にはそこまで思い入れはないんですが、この頃まではやっぱりグッとくる魅力がありますね。
一昨年来日した際、『あさイチ』に生出演してましたが、「今まで出演した中で好きな作品は?」との質問に、「色々あるけどやはり『タクシードライバー』」と答えていたのがなんかよかったです。