リトル・ダンサー BILLY ELLIOT [DVD]

監督 : スティーヴン・ダルドリー 
出演 : ジェイミー・ベル  ジュリー・ウォルターズ  ゲアリー・ルイス  ジェイミー・トラヴェン 
  • アミューズ・ビデオ
4.12
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本棚登録 : 1417
感想 : 272
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4900950512201

感想・レビュー・書評

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  • 胸にグッとくる作品でした。

    ベースは少年の迸る情熱と成功の物語。そして、それをいつしか後押しするようになった家族の愛情を描いたシンプルな展開。けれどそこに、多くの人が今も縛られている「性差の価値観」に疑問を投げかけ、それを乗り越えた先にあるものを見せた社会派的な面を持つ。

    11歳の少年ビリーは、認知症を患う祖母と、炭鉱夫として働く父と兄の四人暮らし。母とは幼い頃に死別している。今は町をあげてのストが起こっており、父も兄もそれに参加しているため、生活は苦しい。

    閉塞感に満ちた日常を送っていたある日、ビリーは父から「男らしくなるために」強制的に習わされているボクシングの練習場の横で偶然行われたバレエレッスンをみて、虜になる。父に内緒でバレエを習い、その才能を目覚めさせていくビリー。閉鎖的な価値観を持つ父はそれに気づいた時、バレエは「女がするもの」だとしてやめさせようとするけれど…。

    ビリーのダンスは、決して巧みとか美しいというのではなく、バレエやタップその他色々な要素が混沌と混じり合って、粗削りで、破天荒ですらあります。
    けれど、抑えられない情熱や激しい感情が迸ばしる、という感じが実に見事に現れていて、目が話せないと同時に、ものすごく応援したくなるのです。

    そして、個人的には、大成したビリーがラストシーンで踊ろうとするバレエの代名詞「白鳥の湖」に、この作品の主題が凝縮されている気がしました。

    古典バレエの代名詞「白鳥の湖」といえば、多くの人が思い浮かべ、当然のものとされているのは、ロシアのチャイコフスキーの時代から脈々と受け継がれてきた「可憐な少女と彼女を救おうとする王子様の悲恋のお話」。
    けれど、ビリーが踊るのは、同じ「白鳥の湖」のタイトルでも、イギリスの鬼才マシュー・ボーンが超絶大胆にリライトして誕生した「逞しい雄の白鳥とマザコンひ弱王子の悲恋のお話」のほう。
    従来のイメージが固定化した作品ではなく、既存の価値観を塗り替えようと挑んだ新進気鋭の作品を敢えて採用しているのです。

    炭鉱町時代のビリー少年には、LGBTの友達マイケル(GとTの面がある男子)がおり、彼との交流、そして、彼が登場するラストシーンも、物語の主題を補強する重要な要素を持っています。

    階級や貧富の差、「男/女らしい」という旧来の性規範を、不屈の意志と努力で乗り越えて成人し、今この場にいるだろうビリーとマイケルの姿には、胸にこみ上げるものがあります。

    惜しむらくは、大成後のビリーのダンスシーンと、少年マイケルの「その後」が描かれていない点。描かれていたら、きっともっと、心奪われたのに。

    それでも、とっても素敵な作品です。

  • イギリスの炭鉱のストライキ、数ヶ月前に観た「パレードへようこそ」と時代がかぶりました。
    兄や父との確執、友人のカミングアウト、それを通過し自分も家族も成長しながら、夢を叶えようとするビリー少年。
    ラストシーンは鳥肌立っちゃった。

  • 物語終盤、
    「ビリー、踊っているときはどんな気分?」と投げられた質問への答えがほんとうに痛快。
    踊るために、表現するためにうまれてきた子どもの
    しなやかで飾らない答えが、きれいに物語を締めくくる。
    あざやか。頭に焼き付いて離れないワンシーン。

  • 大好き!!!家族の、先生の、友達の、色んな愛情が見れます 父親も兄も未来に希望が持てなくてピリピリしてビリーに当たったりしてたのに、最後にはビリーの夢のために!って生き生きしだすの本当泣いたで お父さんが自分の信念も恥も捨てて炭鉱に行くシーンがね~大好き… 親友にキスするとこも好き やっぱり偏見なく真っ直ぐ受け止める人って素敵なんだよー 超見て

  • 先日BSで放送された『タンタンの冒険』を見たら、主役のジェイミー・ベルがずっと前から見たかった『リトル・ダンサー』のビリー・エリオットだったと知り、矢も楯もたまらずYoutubeで見ました!
    字幕がなく、ネット上の解説がたよりだったのですが…。
    なかなか良い話だと思います。

    ジェイミー・ベルは約2000人から選ばれたということで、私としては彼のダンスにすっごく期待してしまって…。
    うーん。バレエってやっぱり難しいんだなあとつくづく思いました。
    おそらく2000人の中には彼より上手に踊れる少年がたくさんいたと思うんだけど、男優であることが最も大事なわけだから…。

    おかげで彼はこの役で数々の賞を受賞しましたが、子役の多くがその後たどるような悲惨な道に行くことなく、たとえばタンタン役などで活躍しているということで、とても良かったと思います。

    来年、Kバレエ全面協力のもと赤坂でリトル・ダンサーをやるそうなので、こっちのダンスはすごく期待してしまおう♪

    https://www.youtube.com/watch?v=V8pAnkR4jUs&list=RDV8pAnkR4jUs&t=21

  • 可愛い!

  • 実際の映画が上映されていた時に見たかったのに、身損ねてそのままになっていた作品。
    炭鉱夫の父と兄を持つ少年がバレエに心を奪われるが、問題は男性に対する意識。男性ならボクシングやレスリングをしろという父。主人公のビリーは「なぜ」と問い、反発しながらも、女性の服に興味を持つ友人マイケルにはオカマという。
    それでも、自由を手に入れた二人。
    アダムクーパーの白鳥の湖の飛翔がそれを象徴しているように思います。

  • すごくすごくよかった。

    ビリーの頑張ってる姿がすごく可愛かったし、お父さんが炭鉱にいくシーンは泣かされたし、マイケルとビリーにきゅんきゅんした。
    デビーに「見せなくたって好きだよ」と言ったビリーがいけめんだった。

    この映画見て!!みんな見て!って大声でいいながらかけまわりたい。

  • ブラスを思い出す炭鉱の街の話。自分たちの炭鉱と生活を守りスト中であって狭い了見になっているお父さんお兄さんは最初はビリーのダンスの情熱が理解できない。子どもの頃よりボクシングをし、体を丈夫にして、ゆくゆくは炭鉱労働者になるよりほかこの街では生活ができないと思っているから。だから、炭鉱の街のバレエの先生の支援を受けて上達し、お父さんお兄さんの理解を得て、ロンドンに送り出されるシーンには感動しました。

  • 久しぶりに無性に観たくなった。
    そして何回観ても、好きだなーと思える。
    色んな事情や偏見に負けずにブレない人は強い。
    ラストのシーンがとても粋。

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