ベン・ハー 特別版 [DVD]

監督 : ウィリアム・ワイラー 
出演 : チャールトン・ヘストン  スティーブン・ボイド  ジャック・ホーキンス 
  • ワーナー・ホーム・ビデオ
3.83
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感想 : 55
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988135531865

感想・レビュー・書評

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  • ユダヤ王族の青年の復讐と浄化を、同時代に生きたイエス・キリストの受難と絡ませながら、壮大なスケールの映像で描いたスペクタクル映画の代表作。

    紀元26年。ローマ軍司令官の一人でローマ人のメッサラという男が、生まれ育った土地であり、ローマ帝国の属州でもあるイェルサレムに赴任してきます。
    彼とは幼い時からの親友だったユダヤ王族の青年ベン・ハーとその家族は、彼を歓迎します。

    しかし、多神教で征服者のローマ人と、一神教で被征服者のユダヤ人という立場にある二人。些細なことから喧嘩になり、絶交してしまいます。
    そして、不幸にも、帝国から派遣された総督のパレード中に、ベン・ハーの屋敷の瓦が落下して総督が大怪我を負ってしまい、ベン・ハーは暗殺首謀者として、奴隷の身に堕とされてガレー船の漕ぎ手となり、母と妹は投獄されてしまいます。
    彼の無実を知りながら、助けてくれなかったメッサラに対し、ベン・ハーは復讐を誓います。

    ガレー船へと連行される途中、ただ一人水を恵んでくれた優しい青年のことが、心に残るベン・ハー。

    彼は三年の間ガレー船の漕ぎ手として鎖につながれて過ごしますが、ローマの将軍アリウスを助けたことから彼の養子となり、首都ローマで戦車競争の名手として名を馳せます。
    しかし、投獄された家族を助けたい彼は、イェルサレムに戻ります。
    そこで戦車競争の騎手にスカウトされるベン・ハー。競争には、あのメッサラが優勝候補として出場するという。
    ベン・ハーはメッサラを倒す最大の好機として競争に出場し…というお話。

    有名な戦車競争のシーンはもちろん、古代のローマを再現した豪華な映像は、素晴らしく、迫力もあり、圧巻の出来栄えです。

    ただ、残念なのは、ストーリー展開は御都合主義だし、ベン・ハーはじめ登場人物の内面の描き方は、正直言ってあっさりしてるなあ…という感じ。
    まあ、心の機微よりも、映像のスケールや展開の速さを優先する、いかにもハリウッドらしい娯楽映画の安定感と思えば、悪くないのですが…。

    昔ベン・ハーに水を恵んでくれた青年が実はイエス・キリストで、そのイエス・キリストは受難によって磔にされて…というラストにはなんだかとってつけた感が残ります。
    途中のベン・ハーたちの悲しみや苦悩をもっとじっくり丁寧に描いていたら、イエス・キリストに感化されるベン・ハーの姿がもっと意味のあるものになり、あのラストが活きたのだと思いますが…。
    復讐を果たしても心が晴れないつらさは曲がりなりにも描かれていますが、なんだか惜しい。

    良くも悪くも、これぞハリウッド!という映画ですね。スペクタクル映画、アクション映画としては最高の出来だと思います。

  • 友情が壊れるのは何時も己が利益の為

    巨大なローマに身も心も染まってしまったかつての親友に故郷や親しい人を虐げられて復讐に燃える男の話

    強制労働をさせられ、ここで神父と出会って悔い改めればレ・ミゼラブル。そうはならなかったifストーリーといった印象
    古い作品だが、陳腐なCGを使った映画には絶対に出すことのできない迫力のシーンが満載。4頭の馬を連ねて一つの戦車としてレースを行うシーンが有名だ。このアクションシーンだけでも見る価値がある。超能力なんか無くても人の心を震えさせる映像は撮れるということを思い起こさせてくれる偉大な一作

  • 6年半の歳月と54億円の巨費を投じて作られたのも納得。クライマックスの戦車競争シーンは迫力。

  • BSを録画して見ました。3:37ですが、飽きることなく楽しめました。
    ドキュメンタリー映画を見るようでした。
    その後の情報など考えず、当時の人になった気持ちで考えてみました。

    主役のチャールトン・ヘストンは、登場するやいなや、いきなりカッコよく、
    「もう主人公は彼以外に考えられません」という感じ。
    無実の罪で捕らえられるも、ローマ兵相手に乱闘、
    その後の3年にわたる辛い辛いガレー船漕ぎでも
    一人だけボート競技の選手のよう。
    沈没する船からローマの司令官を助け出し、その後二輪戦車競走では憎み続けてきたメッサラを倒し、カッコよさ全開。
    しかし、そんな彼にも、死病で苦しむ母と妹にはどうしてあげることもできない。

    その彼女たちの病気を治したのは、たぶんイエス・キリスト。
    イエスは、ところどころに登場するのですが、主人公ジュダ・ベン=ハーと対照的な人物として描かれているように思いました。
    無実の罪で捕らえられ、抵抗することもなく静かに弱々しくゴルゴダの丘へ歩いていきます。
    自分をこんな目にあわせた人を憎まない。
    「神よ、彼らをおゆるしください。
    彼らは何も知らないのです。」
    十字架上でそう祈るイエスの声を耳にする、ずっとローマとメッサラを憎み続けてきたベン・ハー。

    その後イエス・キリストが語ったことがキリスト教となり、ローマ帝国を支配し、ヨーロッパにひろがり、それを利用して金儲けをたくらむ人がいたり、さまざまな文化がおこり、アメリカや日本にも伝わり、そして多くの人の命を奪い…
    と発展していくわけですが、イエスの生きていた当時の人はもちろん、イエス・キリスト自身もそんなこと予想もしなかったのではないでしょうか。
    自分を神だとも言わないし、権力に歯向かうわけでもなく、ただただ弱い人たちに優しく、
    誰かを憎んだり復讐したりなんてしなくて、むしろそういう人たちのために祈る。
    そんなふうに考えさせられた映画でした。

  • 278分という長さで私のような素人は見るのをためらうのだけど、これは確かにすごい作品だ。すごく難しいことを私のような馬鹿にもわかるように描いてくれるというこのすごい脚本家さんはだれかと探したんだけど、誰なの・・・。wiki人数多いよ・・・。

    序盤30分から物語にぐっと引き込まれる構成力。ジュダとメッサーラは本当に仲のいい友達だったのだとわかるから、後半のローマに行くまではいいやつだったという言葉が生きてくる。
    序盤のメッサーラはほんとに嫌な奴なんだけど、それでもメッサーラなりにジュダのことを想って言っているんだなと感じるところがあったり、わざわざ屋上に登って故意ではないことを確認したり、召使は捕まえなくていいと言ったり、処理の仕方がいちいちうまい。
    何より怒り狂って槍持ってすごむ相手に「殺してみろ」とはなかなか言えない。二人は友人、親友だったんだなと感じる描写が秀逸。
    ローマ人の苛めはむかつくけれど、アリウスがいい人で面白い。いい人ではないのかもしれないけど…ただ一本筋を通そうとする人っていうのは立場が違えどかっこよく見える。ジュダの本当のお父さんが出てこないから余計に、息子のように想っているという言葉が大切に感じられる。人種の違いはあれどこの親子愛は本物だと思いたい。
    そしてそのまま族長さんと出会って、息子を自慢される流れが
    秀逸。今気づいたけどこの作品親子関係多いな。馬の可愛さと相まってほっと一息つける時間帯。
    それから、荒れ果てた家を経由して4年ぶりのメッサーラにジュダと一緒に殺意増し増しになる。母親と妹にした仕打ちは酷過ぎる・・・。エスターはほんとにいいヒロイン。終始厳しい表情が多いけど、こらえきれないように涙を流すシーンがとても印象的。美人だし。
    そして山場、競技場のシーン。メッサーラ反則負けでいいよと思ったけど、そういえば何でもアリだった。ローマの嫌われっぷりに笑う。堂々と卑怯な手を使うメッサーラに、族長といっしょの気持ちになりながら私も画面に張り付いてた。頑張れよ子供たちっていい言葉。
    勝った時に観衆と一緒に喜べる、この盛り上がりっぷりが素晴らしい。メッサーラに会う前に月桂冠を捨ててしまう(置いただけかな)のも印象的。
     でもここが最高潮で、あとは下へ下へと沈んで行ってしまう。母親と妹の受けた仕打ちにベンハーが荒れて「メッサーラがのりうつったよう」っていう表現が本当にうまい。演じてる人もすごい。
     全体を通してキリストさまへのリスペクト魂があふれている作品なんだけど、私基準ではこれはあんまりよくない宗教。けっこう微妙で判定負けするレベルなんだけど
     ローマ人にとっての神様が皇帝で、神を持たないか、あるいは神を奪われた人にとっての神がキリスト様になっただけじゃねーのという気持ちがぬぐえない。
     人は集まるとほんとに強い力を持っているから、集まられると怖い。ローマが強大で怖いのも、人を集めるキリストさまが怖がられるのも同じこと。
     ローマとキリストさまは違うもんということを書きたいんだと思うけど、そうは思えない。
     日本人的にはそういう感想になるなーどうしても…
    それでも、ベンハーがシモニデスと再会した時、エスターが家の隅にいた口のきけない男性に目で合図するしぐさとか、ベンハーが優勝した時に馬のそばに寄ってきた少年が英雄を見る目でベンハーをみている顔とか、隅々まで気を使って、場面の全体を意識している感じが素晴らしい。映画よりお芝居を見ているような感じだったな。最後に木にもたれかかる妹さんのシーンとかも、そこだけ切り取って絵にしても違和感がないレベル。
     奴隷船?のシーンで胸が痛くなったのは社畜の身分だからじゃないと信じたい。

  • ボケーっと観てるとキリスト教信者になってます。

  • これ映画館で観れてよかったー。
    休憩あり4時間の大作。
    長い中に見どころがぎっちり詰まってて飽きないどころか集中しすぎて疲労を感じるくらい。
    特に競馬のシーンは圧巻。すごすぎ。血圧心拍数急上昇。50年も前の映画とは思えませぬ。
    馬かわいいし!飼いたくなりました。

    ジュダのがんばりと、
    随所にからんでくるイエスキリストの奇跡っぷりのバランスが
    どう受け止めたらよいのかが難しかった。
    しかもあのラストはどうなんだろうか。
    映画としてのおもしろさだけを考えるとすこし拍子抜けでした。
    でも最初にこれはキリストの話ってテロップ出るし、
    そういう映画なんだと思えば納得・・・なのかな?????

    とにかく名作であることは確認できました。

  • ローマ支配下のパレスチナで、幼馴染のローマ人に裏切られて奴隷の身分に落とされたユダヤ王族の末裔ジュダ=ベン=ハーの復讐と魂の救済を描いた3時間42分の大作。
    キリストが生まれた当時のローマ帝国とユダヤの雰囲気が分かるので、なかなか味わい深い作品。
    それにしても、宗教のパワーってすごいですね!
    惜しみなくカネを使い、惜しみなく賞を贈る。
    この映画にかかわった人々の魂や脈動が伝わってくる、迫力のある映画でした。

  • ヘストンの魅力たっぷり、競技場での戦車のシーンまさに超大作!!!

  • [○2007/09/21鑑賞]人間の歴史、宗教についていろいろ考えさせられる作品でした。高校生の頃見たのですが、大人になって2度目見ると、また少し感じ方が違ってました。単に私の記憶力がないだけかも知れませんが(^^;)、世の中のことを少しは知ることができたからかなぁ?・・という感覚もあります。深く考えるとまとまりません(笑。しかし、いろんな意味で面白い映画だと思います。

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