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- / ISBN・EAN: 4932487020911
感想・レビュー・書評
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OTESANEK
2000年 チェコ
監督:ヤン・シュヴァンクマイエル
終映ギリギリになってユーロスペース駆け込みで観てきました。子供のできない夫婦が木の切り株で作った人形を赤ん坊として育てるうちに、本当にその切り株が成長して生命を持ち始め、怪物になって何でもかんでも食べてしまう…というチェコの民話を題材に現代版したようなお話。
前半は切り株を本当に赤ん坊として育てようとする奥さんの狂気がサイコホラーぽいのですが、後半本当にオテサーネクが化け物化するにつれて、いよいよシュヴァンクマイエルの本領発揮で、SFXでもCGでもない「クレイアニメ」の手法で無気味な生き物が動き始めます。そしてスプラッタ風味になってくる(笑)
日本の民話だと、子供のない夫婦のところにひょっこり現れた赤ん坊は(桃太郎でもかぐや姫でも)それなりに良い子に育ち、養父母に恩返しをするものなのですが、チェコではそうじゃないんですね(笑)言ってしまえばまあ一種のブラックユーモアであり現代の寓話なのですが、そういうひとことで片付けたくない。
女の子も無気味に可愛かったし、あのなんていうか一種の歪んだ母性愛みたいのが怖かったです。
(2002.01.20) -
シュヴァンクマイエルにしては普通だったな。
ちゃんとした俳優がきちんと演じているのがつまらない。
唯一主演女優の少女が不気味でいい味出してる。
この映画を見ると気持ちの悪い少女だが、メイキングを見ると美少女ではないが可愛い子供で、不気味さは無表情から来るものだとわかる。子供は基本的に表情豊かな生き物だから、それを封印すると不気味に見えるのだ。
ホラーと言うほど怖くないし、芸術と言えるほど理解不能でもない。コメディとして見れば悪くないかも。
妻の精神に異常を来した様子や、オテサーネクが食べる前にちゃんと手を洗うシーンなどは笑える。
子どもが得体のしれない生命体と友情を結ぶという点では「ET」や「ミツバチのささやき」に通じるかも。
シュヴァンクマイエルと思わなければいい出来かもしれない。 -
狂気の沙汰。
このひとことに尽きる。
不味そうな食事シーンに定評のあるシュヴァンクマイエル様。
今作もマミンカの作るご飯がひたすら不味そう。
そのくせ、やたら「もうすぐお昼よ」って言う。
アルジュビェトカがぶさかわいくてロリエロい。
子供だからこそ真実が見えてるけど、子供だからこその残酷さが地味に怖い。
この映画を見て「pomoc」という単語を覚えました。 -
グロテスクとしか形容できない貧弱な語彙を恨む。
暴食が印象的すぎて陰に隠れているけど、強欲、色欲もなかなかおぞましい。 -
『アリス』と同じく童話が元ネタだとヤン・シュヴァンクマイエルらしい怖さや汚らしさがいい感じに活かされる。
母や少女の狂った母性はホラーだし、老人の性欲も生々しくて嫌悪感を覚える。お馴染みの蠢く肉やドロドロのスープ、コマ撮りアニメーション、見立て等、監督のお得意のものを入れつつもストーリーがわかりやすいので、『アリス』同様シュヴァンクマイエル入門編といった感じ。
生理的に受けつけない人もいるだろうけれど、好きな人はハマる作品。ただやや大人向けなので注意。 -
悪意に満ちてる…∵