惑星ソラリス [DVD]

監督 : アンドレイ・タルコフスキー 
出演 : ナタリア・ボンダルチュク  ドナータス・バニオニス  ユーリー・ヤルヴェト 
  • アイ・ヴィ・シー
3.58
  • (40)
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  • (77)
  • (12)
  • (4)
本棚登録 : 356
感想 : 62
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4933672227115

感想・レビュー・書評

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  • DVD

    愛とアイデンティティについて考える。
    が、よくわからないので結論は出さずに映画の世界に身を委ねた。

    ハリーの服を脱がせられないのが印象的だった。どうしてこんな形で現れたのだろう。
    実体化した妻という存在では無くて、女神的な触れられない存在?ハリーは誰の心理を反映して生まれた存在なのかな?海が生んだのか、クリスの記憶が生み出したのか。

    ソラリスは静寂で、バッハのコラールが重く響く。
    水が神秘的で美しい。フランスの「水」でもアメリカの「水」でもない、これがロシアの「水」なのか。
    日本の「水」とはちょっと似ているかも。でももっと冷たくて広大だ。

  • 映画館で見てなかったら確実に心地よい眠りを誘う映画。
    この監督の映画はお家や図書館でのDVDは確実に向かないと思います。

    ただ運良く映画館で見る事が出来た私はこの作品の静寂な美しさがとても心地よく、はっきり言えば理解したとは言い難いのだけども不思議な事にとても心地よく素敵な時間を過ごせたように思える。

    監督の哲学思想とかSF映画だと言うことは多分理解していない。しかしなんでも良くなる程に美しく綺麗な水槽を3時間弱眺めているかのようななんとも言えない不思議な心地でした。

    東京を異次元的空間TOKYOに魅せるあのシーンはかなり印象的だった。なるほどたしかに異次元に見えてくる、音の役割って重要ですね。違う観念からのレンズ越しの世界って本当に違って見えてくるんですね。不思議な感覚でした。

    あと奥さんハリー役を演じた女優さんが本当美人さんでしたねぇ。
    美しさと色っぽさの兼ね合い加減が絶妙でオッサンまみれの宇宙ステーションの中の一輪の華だったのが尚更。
    彼女が画面に居るだけで静寂で冷え冷えした画面にぬくもりが宿るかの様でした。
    それにしても凍った状態から蘇生するときの演技は結構鳥肌ものでした。

    2001年と比べられる事が多いみたいですがこれ見ると2001年の方が大分娯楽の映画に見えてくるくらいに映画を詩的芸術表現の一種に変えちゃってます。ゴダールの映画みたいなもんですね。でも有名作的ゴダール映画よりも更に娯楽的要素を抜いた感。
    なにせ台詞が本当に少ない。BGMも3時間弱のもの尺の中の多分1/3程にしかないと思いますし。


    ただ確実に娯楽ではないと思います。
    なので面白かった〜!という風なSFではないのであんまりハリウッドのアメリカ映画のイメージでのSF的観念とは全く違いますね。

    でも深く考えないで何も考えずにぼーと見るのが良いと思います。できれば映画館のスクリンで。とても心地良いので。

  • 1972年 ソ連 165分 「Солярис」
    監督アンドレイ・タルコフスキー
    原作スタニスワフ・レム「ソラリスの陽のもとに」

    NOTE記録
    https://note.com/nabechoo/n/n4a49a4a3a255

    なんのこっちゃ笑 わからん。とは言え、魅せられるなー。画面への吸引力。ついつい見入っちゃう。難解さに戸惑いながらも、画の美しさ、表現、バッハ、ストーリー、構成、質高し!

    タルコさんの画の美しさは毎度毎度、感嘆させらるが、今回は船内シーンが多く、その辺はあまり好みではなかった。無重力シーンはもちろん好きだけど。その他、外の自然の中での画はやはり圧巻。

    もうこの映画の完全解説みたいなの見たいわ笑 もしくは人によってとらえ方が違ったりするものか。まあ、また観るか。でも、理解しようとすると集中してみないといけないから、なかなかな…。

  • 2枚組のDVDでした。
    日本語吹き替えには対応していなくて、字幕のみ日本語を設定できました。

    話の柱となる惑星ソラリスの特徴はわかりましたが、他の映画の良さが個人的には理解ができませんでした。
    メッセージ性がよくわからない、無言のシーンが多かった印象でした。

  • 2002年版と全然違う!
    恥があるから自殺した
    なんか心に残った台詞。

    他のどのクルーよりもクリスを選んだのは何故だろう?最後のシーンはソラリスがクリスを選んだ結果だと思うのだけど。

    人類愛を越えた惑星愛が出来た男だからこそ、クリスだけが上陸したのかな。
    愛というより、求めてしまったんだろうなぁ。
    ハリーが遂に居なくなってしまった時、他のクルーたちに取っては安堵だったのかもしれないけど、クリスに取っては愛した女がいない悲しみなってしまったんだろうな。
    だから、求めてしまった。

    パーパが出てきたシーンはあまりにホラーテイストで怖かったわ。求めた結果ハリーじゃなくて父親登場って。

    人間って何処までも心残りのおおい生き物やな。

  • Disc1 2017/04/11
    難しそうだから日本語字幕付きで観てる。
    美しい森の、美しい家屋からはじまるのに、画面中に緊張感が漂っている。そしてよくわからん惑星調査を続けるか続けないか、続けるとしたらどう続けるかという話を延々としていると思ったら、突然、日本の高速道路を走っているシーンになる…。かと思うと、またロシアの森へ戻り、どうやら、惑星ソラリスへ行くらしい?

    緊張と混乱の連続な映画だ。何も起こらないようでいて、見えないところで何かが起こっているような居心地の悪さがある。Disc2で、謎は解けるんだろうか?
    奥さん?をロケットで発射しちゃったけど…。彼女の髪とワンピースが素敵だった。

    Disc 2 2017/04/12
    ラスト…地球に帰ったのかと思ったら…。
    目が覚めた時にどっと疲れているような、なんとなくずっと考えてしまう夢のような映画だった。

    これはそもそも何を語っている映画なんだ?観る人間が、自分に何を語れて、何を語れないかを確かめるための映画なのか?

    人間の条件についての映画なのか?人間は人間と関わる時にはじめて人間になれる?人間は愛を持つことで人間でいられる?感情があれば人間だと言える?誰かのために自分を犠牲にすれば人間?それとも、人間であることに条件など必要ないのか?

    幸せな人間は深刻な問題に関心を持たない。という台詞に深く頷いた。

    ドン・キホーテとトルストイと、この原作を読みたい。

    かぎ針編みのモチーフをつなぎ合わせたワンピースも良いな。

    『鏡』のトレーラーで、これがタルコフスキーの映画だと気づいた。

  • SOLARIS
    1972年 ロシア
    監督:アンドレイ・タルコフスキー
    出演:ナタリア・ボンダルチュク/ドナタス・バニオニス
    原作:スタニスラフ・レム『ソラリスの陽のもとに』

    文芸座で、タルコフスキーとミハルコフの特集上映をやっていたので、どうしてもスクリーンで見たかった2作を見てきました。タルコフスキー作品はほとんどビデオで何度も見てるのだけど、ソラリスはどうしてもスクリーンでみておきたい作品だったので感慨もひとしお。もうオープニングで、バッハのコラールが流れてきただけで泣けてきたりして(涙)今も頭のなかでぐるぐるとバッハが流れています。

    さてそんなソラリス。説明するまでもなくSF映画の古典的名作ですが。しかしこの映画のテーマはむしろSF的な部分ではなく「もしソラリスの海があったら」という一種哲学的ともいえる問いかけのほうだと個人的には思っていて、たとえば同じタルコフスキーの『ストーカー』にしても「なんでも望みのかなう場所=ゾーン」というものが存在し、そこにたどりついたとき人は何を願うか、というテーマは彼の作品の中に普遍的に流れていますよね。そういう自己探究的な部分が、きっと何年たってもこの映画の色褪せない魅力なのだと思います。反面、映画の中で描かれる近未来は、実は東京で撮影されていたりして、今年本当の誕生日を迎えたアトムしかり、かつての未来が現在になりつつあることに奇妙な気持ちがしたりもする。

    ラストシーンは何度見ても、衝撃的というか、何度も見た以上すでに知っている結末なのに、いまだに呆然自失して目の前がかすんできます。一種の胎内回帰願望というか、結局最後にひとが望むこと、願うことは「帰りたい」という想いだけなのかなと、そう思います。それが誰といたどんな場所かは、それぞれだろうけど。そして時々やっぱり自分自身に問い掛けるのです。もしソラリスの海があったら…。

    (2003.05.24)

  • 請求記号:LD/310/W35
    (経営学部経営学科 水谷正大 教授)

  • 切ない。

  • ギバリャンの「お客」の登場から、ずっと目が話せなかった。
    サリーの悲しいシーンでは、字幕が邪魔に思えるくらい画面が目の前に迫ってきて、辛かったし、どうしてこんなに美しく見える女優さんがいるんだろうと考えた。
    登場人物全員の目は深く深く自分自身を見つめているように見えた。それは演技、作り物だと分かっているのに、でもそう見えた。
    小説は一から十まで嘘だからいいけど、実際に存在している素材でどうしてここまで作り上げてしまうんだろう。
    映画って怖い。
    これから一生この映画を覚えていて、思い出し続けるんだと思う。

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著者プロフィール

アンドレイ・タルコフスキー(Andrej Tarkovskij):1932-86年。ソヴィエト・ロシアの映画監督。ショットの中を流れる時間とそれを表現するリズムに注目し、独自の映像を創出。1984年に亡命。作品に『惑星ソラリス』『鏡』『ノスタルジア』など。映画は人間存在の精神的実在に迫れると確信しながら、映像を文明批評の水準に高めた。86年パリで客死。『サクリファイス』が遺作となる。

「2022年 『映像のポエジア 刻印された時間』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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