アメリカの夜 特別版 [DVD]

監督 : フランソワ・トリュフォー 
出演 : ジャクリーン・ビセット  ヴァレンティーナ・コルテーゼ  ジャン=ピエール・レオ  ジャン=ピエール・オーモン  ナタリー・バイ  ダニ  アレクサンドラ・スチュワルト  ジャン・シャンピオン  ニケ・アリギ  フランソワ・トリュフォー  デイヴィッド・マーカム  ベルナール・メネーズ  グザヴィエ・サン=マカリー  ジャン=フランソワ・ステヴネン  ピエール・ズュカ  ジョルジュ・ドルリュー  ヤン・ドゥデ 
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988135540102

感想・レビュー・書評

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  • 1973年フランス映画。監督はフランソワ・トリュフォーで、実は主演もトリュフォー自身といってもいいような気がします。「アメリカの夜」とは、昼でもカメラレンズにフィルターを付けて「夜」として撮影できる技法とのことで、本作が『パメラ』という映画を撮影するという設定の中で、撮影現場の様々な人間模様が現実とパラレルにかかわって進行していくというドラマ内容そのものを比喩しているといえるでしょう。
    トリュフォー監督が「フェラン監督」という役名で、映画撮影にかかわる数多の問題や相談に対応しながら撮影スケジュールをこなしていく様子は、映画撮影の面白さと大変さをストレートに伝えてくれてなかなか面白かったです。『ゴッドファーザー』『8 1/2』『市民ケーン』などセリフや場面のところどころ挿入される小ネタや、いろいろな撮影技法を展開してくれるなど、トリュフォー自身の映画へのひたむきさと愛着が至るところに垣間見れたのも楽しかった。ドラマをたんたんと描いているようで、飽きさせずじっと見入ってしまわせる技はさすがなものですね。
    とはいえ、実は一番のお目当ては本来の主演(笑)のジャクリーン・ビセットでした!ジャクリーン・ビセットさんお綺麗で好きなんですよねー。(笑)今回はどちらかというとナチュラルな美しさなような感じでしたね。「主演」なのに登場するまで、40分くらい経過しているんだもんなー。いつ登場するのかとヤキモキしました。(笑)
    あと、個人的には記録係役のナタリー・バイも今回いいなあと思いました。(笑)ウィキで確認すると、ゴダールやトリュフォー、スピルバーグなどの作品に出演しておられるんですね。今度から注意してよっと。特典映像で、かなり後年に行われたインタビューに両人とも出演しておられて、近況がみれたのも良かったです。そのほかにトリュフォー映画常連であり、映画的な息子でもあるジャン=ピエール・レオはやっぱりの安心感です。(笑)たぶん、ジャン=ピエール・レオがジャクリーン・ビセットとアレをするのはトリュフォー自身の仮託でもあるんでしょうね。(笑)
    邦題には『映画に愛をこめて』という副題?が付いていますが、映画完成までのプロセスを描くことで、まさに限りない「映画」への愛情を示した一作です。

  • トリュフォー後期の傑作。映画好きなのがよくわかる。入念に作り込まれた完璧な作品。同時期のゴダールの作品「パッション」と比べると、二人の作家の志向性の違いがよくわかる。設定似ているんだけど、全然違う。違っていいのが映画の魅力。以下引用。

    「バカはよせ。君は立派な俳優だ。私生活の悩みは誰にもある。映画は私生活と違ってよどみなく進む。言ってみれば夜の急行だ。君や私のような者には、幸福は仕事にしかない」


    「ジェリー、恐ろしいことに気づいた。軽蔑している女を愛せるという事実に。そのすべてを軽蔑しているというのに」
    「間違いだったとしても愛は恥ではないわ。愛してる女を軽蔑するのは、自分を軽蔑することよ」
    「なるほど。僕の恋愛は失敗の連続だ。女は魔物だろ」
    「女も男も生きているだけ。それがすばらしいのよ」


    「僕はフェランに反対だ。映画より人生だ。さよなら、いろいろありがとう」
    「バカね。まず映画を完成させるの」


    「決心したわ。独身で暮らします。真実の生活を」
    「いや、人生は常に真実だ」

  • トリュフォーがまさかの名演。他出演者も皆活き活きしている印象。映画を撮る映画というメタ映画。

  • トリュフォーらしい変な映画でした

  • 途中からアルフォンスのダメダメっぷりに尊敬の念すら覚えてしまう。特にジュリーと寝たことを夫に電話する場面。失恋で引き籠もるのは構わんが、なに他人様に迷惑かけてんねんと。やるなよやるなよと思ったことを見事にやっていく姿。友達にしたくないタイプである。
    映画が決してスマートなものではなく、かなりのちからわざで作られているのだということが伝わった。

  • 映画への愛に満ちた、映画あるあるを詰め込んだコメディ
    いかにもな感じに溢れていて、退屈しなかったけど、ラストの締まりが、開かれてると言ったら聞こえは良いけど、だらしなくて、とても良い内容だったにも関わらず物足りない不思議な感覚に陥りました。

  • 1000円DVDにて。淡々

  • 初めは何だこれ、という感じで見ていたのですが、だんだん見入ってしまいしました。
    映画に対する感情がすごくよく伝わってきて、下手なラブストーリよりも愛を感じます。

    印象に残ったところ。恋人に逃げられた俳優の台詞。

    「恐ろしいことに気付いた。軽蔑している女を夢中で愛せる事実だ。そのすべてを軽蔑しているのに」

    それに対してジャクリーン・ビセットが
    「愛している女を軽蔑するのは。自分を軽蔑することよ 」
    と答えているのですが、なんだか監督の映画に対する思いを代弁させているように感じました。

  • 一度観たのですが先日間違えて再度レンタル。映画撮影の舞台裏を描いたトリュフォー作品。これもまた後で書きます。レビュー書くよりも観なければいけないものがあるんで・・・。

  • 多くの作家は、芸術そのものを扱うメタ芸術の制作に引き込まれる。むしろそうなの専門のひともいるが、これはいわゆる芸術のための芸術とは若干ニュアンスを異にした知的処理があるように思う。

    まあそれにしても、何度観ても、というか、観るたびに美しさが増してくるような、ジャクリーン・ビセット。

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著者プロフィール

フランソワ・トリュフォー(François Truffaut)
1932年、パリに生まれる。1984年、ガンのため死去。映画評論家を経て映画監督に。映画作品に『大人は判ってくれない』『突然炎のごとく』『恋のエチュード』『終電車』『隣の女』『日曜日が待ち遠しい!』など。著作に『映画術 ヒッチコック/トリュフォー』『子供たちの時間』『ある映画の物語』など。

「2020年 『文庫 ある映画の物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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