座頭市血煙り街道 [DVD]

監督 : 三隅研次 
出演 : 勝新太郎  近衛十四郎  高田美和  朝丘雪路 
  • ポニーキャニオン
3.83
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988013585102

感想・レビュー・書評

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  • 1967年大映映画。監督は三隅研次で、原作は子母沢寛。
    主演はおなじみ勝新太郎で、シリーズ第17作目です。
    また、今回の呼び物である競演として剣豪スターの近衛十四郎が出演しています。
    それから共演の女優陣としては、朝丘雪路、中尾ミエ、高田美和、坪内ミキ子。それに悪役としては小池朝雄、小沢栄太郎などで、その他の共演としては、松村達雄、伊藤孝雄、なべおさみなど。

    市(勝新太郎)は偶然旅籠で相部屋となった女性の最期を看取り、その一人息子を父親のもとに連れていくことになった。その息子はやんちゃなガキであったが、市とは次第に心が触れ合うようになる。旅芸人一座と知り合った市らは、そこで地元のヤクザ同士の抗争に巻き込まれて・・・。無事に市は父親を探すことができるのか・・・。

    今回のお題は「父をさがして三千里」です。いや、たぶん十里くらいかな。(笑)
    ストーリー的にはよくできていて、この作品はハリウッド映画のルドガー・ハウアー主演『ブラインド・フューリー』としてリメイクされたとのことです。

    そしてストーリーもさることながら、本作の売りは何といっても近衛十四郎との競演でしょうね。個人的には『素浪人』シリーズの影響もあってか近衛十四郎は割と愛嬌のあるお顔だと思っているのですが(笑)、ドアップで怖い顔をされるとますますその意を強くしました。(笑)さらに普通に演技しているところをみるとそうでもないのですが、ドアップのお顔をみるとやはり息子たちによく似ていますね。また剣を真正面に構えて見得を切った様などは隠密同心・左文字右京にそっくりです。(もっとも左文字右京は意識してそうしていたのかもしれませんが)
    ラストの座頭市とのチャンバラシーンは流石に時代劇でも有名な剣豪同士の戦いでなかなかに緊張感のある迫力シーンの連続でした。こういう剣と居合いで魅せる技と技の戦いはやっぱり凄いですね!

    注目の女優陣の方はというと、本作では明確なヒロインというのはいませんで、むしろ多彩な女優さんたちの登場でなかなか楽しかったです。
    今回も冒頭、お約束(?)の旅芸人一座との出会いで歌が挿入されていて、声量豊かな中尾ミエの歌声に旅の楽しさが出ていて良かったですね。
    それに気の強い旅芸人一座の座長役の朝丘雪路といい、可憐な高田美和といい、妖艶(?)で行動が不可解だった坪内ミキ子といい、多様な女性が描かれていたというのも映画版ならではです。
    個人的には高田美和をもっと全面に出してもいいのではと思ったのですが、ストーリーからいくと冒頭つながりでそのまま朝丘雪路がヒロインでも良かったような気がします。
    なべおさみが朝丘雪路のことを「ボイン」と言うセリフがあったのですが、流石に時代劇に英語はないだろうと思ってネット検索してみると(笑)、「ボイン」って11PMで大橋巨泉が朝丘雪路に対して言ったのが最初だったんですね~。知らなかったなあ。

    あと、悪役には折角、小池朝雄や小沢栄太郎をむかえているのだから、もっと悪いことをして欲しかったと思いました。(笑)逆に、悪役なのに、墨で眉を書いたチンピラが笑わせてくれたりと、全体として悪さ度は少し減じていたように思います。
    反対に、今回の裏の主役であった生意気なガキと市との交流の方はよく描けていたと思います。次第に市になついていく演出はなかなか心憎いですね。絵が上手いという設定も細かい演出ながら気が効いていましたね。

    子どもを活かしたストーリー展開といい、多彩多様な女優陣といい、さらに近衛十四郎との競演といい、深まる秋冬を背景に円熟した『座頭市』を魅せてくれる作品でした。

  • 「座頭市シリーズ」で最初から最後までちゃんと観たのは初。
    男の子のために体も命も張る市の優しさにジーンときてしまった。盲目でふらふら~っと歩いてるだけなのに格好良く見えるし、泥臭く凄まじい気迫の殺陣に吸いよせられる。
    役者は役に成りきるのが本分、実際の本人がどうとかプライベートがどうだとか、そんなことどうでもいいことなのかもしれない。こんなに素晴らしい演技を残してくれるのだから。

  • 役目が果たせれば人がどうなろうと…とか言いながら自分も目的の為に素性も知らん人間殺してるやん…
    居合眉毛剃りやらのギャグも好みじゃない。
    ま、一作目の重厚さを求めたら酷か。

  • 座頭市と子どものほのぼのしたシーンや、座頭市に眉毛を切り落とされ、墨で書いちゃっているチンピラは笑えます。
    この手のシーンはシリーズ内に散りばめられているでしょう。
    とにかく誰が何といおうと、この映画はとにかくラスト。
    降りしきる雪の中、勝新と近衛十四郎、殺陣の上手さで知られた両者が刀を交えます。監督は三隅研次、音楽は伊福部昭。
    あぁ。時代劇って、本当に素晴らしいですね。

  • デジタルWOWOW。
    17作目。
    近衛さんは初めて観たけど画面から貫禄滲みまくり。
    前作の鬱憤を晴らすかのように殺陣に気合が入りまくり。
    二人とも酒を抜いていただけあって(「天才勝新太郎」春日太一)素人目にもチャンバラすげえと思わさせる。
    旅一座と出会っての歌ゲスト(中尾ミエさん)登場がパターン化。

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