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- / ISBN・EAN: 4933364610942
感想・レビュー・書評
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ベルギー=仏映画「息子のまなざし」(2002、、ダルデンヌ兄弟監督)
ドキュメンタリータッチの赦しをテーマにしたヒューマンドラマです。
当時、物凄く興味を持ちながら10年間も今まで観る機会を失っていました。
うっかりすると眺めているだけで終わってしまいますが、とてもよく関係性が描き出されています。
あまり人には勧めにくい作品ですが、この苦悩のリアリティは心の深層に響きます。
特にラストシーンのリアリティに感傷を捨てた上で関係に望みを感じます。
(娯楽要素はありません。)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ダルデンヌ兄弟の作品をもっと観てみたいと思って借りました。
オリヴィエの気持ちが少しづつ変化していくところとかすごく理解できたし最後の終わり方も『ある子供』『ロルナの祈り』のように「えー、これでー?」とは思わなかった。
けど何だか消化不良。
こういう作り方と言えばそれまでだけど私は少し苦手かも。 -
最後泣きそうになった。ロゼッタもそうだったけど、最初から最後まで 音が無いし、
カメラワークも独特で映画じゃないみたいな、ドキュメンタリーをみているような気になる。
だからとてもリアルだった。 -
重苦しいカメラというまなざしの動きが、そのままオリヴィエたちの苦悩をあらわしているかのよう。息の詰まりそうな困惑と葛藤。〈最も憎い者を赦せるか?〉という問いに明快な答えは出ていない。ハッピーエンドも悲劇もない結末。現実はただ厳然と続いていくだけ。慎ましい結末、という批評に納得
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引き込まれ、圧倒された、静かで重い作品。
オリヴィエ・グルメとモルガン・マリンヌの演技がとても素晴らしいです。 -
(2002年/ベルギー=フランス/J=P&リュック・ダルデンヌ)
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更生施設で木工の講師として働く主人公。彼の息子を殺した少年が、彼の前に生徒として現れる。
<br>全編に渡ってBGMなし。オープニングもエンディングも無音。登場人物も比較的無口である。物語の設定は劇的な展開を予測させるものだが、本作は一貫して静かなものである。(あまりに展開がないので途中ウトウト。)カメラの位置は常に
対象に近く、画面が引くことはない。圧迫感があり、酔いそうになった。『イン・ザ・ベッドルーム』と同様に、感情的な母と冷静な父親の構図である。やはりそういうものなのか。
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なぜ『息子のまなざし』という邦題にしたのか(原題はle fils)不明。 -
「虎ノ門」で井筒監督も絶賛。人物をうなじから撮る特徴的なカメラワークは確かに印象的。だが原題は「息子」であり、それに「まなざし」をつけてしまうとそのカメラワークに別の意味が付与されてしまうのではないだろうか?
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職業訓練校に勤めるオリヴィエの前に、彼の息子を殺害した少年が現れる。
「5年も罪を償ったんだ!」という言葉が出てくるには、もっともっと長い時間が必要なのではないだろうか。 -
B'zの稲葉氏が紹介していたのを読んで観た作品。小規模で地味な作品ですが悪くないと思いました。
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2012年度もやもや映画No.1を勝手につけたい。それぐらい鑑賞後は心がぐるぐるする。
なぜ彼はあのタイミングで言ったのだろう。
帰りの車の中、彼らはどんな話をするのだろう。
少年の人生をナメたような態度。でも、他にどんな態度があり得ただろうとも思う。私たちは、犯罪を犯した人にどんな素振りを期待するのだろう。彼は1人の少年でもある。
もしかしたら彼は少年に期待していたのではないかしら。彼は少年のあるべき姿、あってほしい姿を思い描きすぎていたのかもしれない。その絵姿と現実の姿の乖離の先には、絶望がある。少年への、そして自分への。少年の姿がどうであれ、息子の死は変わらないままだ。彼は少年の姿に、息子の死を乗り越えるきっかけを託していたのではないかと思えてくるのだ。
そういう意味では、別れた奥さんの方が自分で過去から乗り越えようとする力を感じる。一見すると、彼は落ち着いているし、全てを受け入れているように見えるのだが、実際は逆なのかもしれない。
彼の肩ごしに進む映画。その目線は、きっと彼の息子のまなざしなのではないかと思ってしまう。